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転入生

 今日もアンズたちに起こされて一日が始まった。

 朝ごはんはいつも通り食べていない。


 今は教室でココナがくるのを待っている。


 しばらく待っているとココナが教室に入ってきた。


 「今日は授業を始める前に転入生を紹介する」


 転入生?

 誰か来るって事だよね。

 クラスの皆もガヤガヤと騒いでいる。


 「入ってこい」


 ココナに促されて入ってきたのは、私の良く知る人物、サーシャだった。


 えっ、サーシャが転入生!?


 「サーレイシャだ。よろしく頼む」


 挨拶したサーリャはつたつたとこっちに歩いてきて私の隣に座った。

 クレアが座っていたのにサーシャがきてクレアが私との間を開けていた。


 わざわざクレアを退けてまで私の横に座らなくてもよくない?


 「ルー様と私は誰にも引き裂けない絆で結ばれていますから」


 そうかもだけど、なんかサーシャ性格変わってない?






 「今日は実技を行う」


 ということで、私たちは実技のための訓練場まで来ていた。


 「まずは昨日言った、魔力測定を行う」


 昨日の授業でそんな魔道具があるって習ったっけ。

 オリジナルは[魔道技師王]ドーナスが作ったものらしい。

 ドーナスも[魔王]で私の「次」に魔道具作りが上手だ。

 私の「次」に。

 大事な事だから二回言っといたよ。


 ちょっと話が逸れちゃったけど、魔力測定では魔力量と魔力質が計測できるらしい。


 「ではこれで順番に調べていく」


 魔道具は長方形型の箱状のものでそこに魔力を注ぐと二つの数字がでてくる。


 一つは魔力質で、0〜5まであって5が一番いい。

 二つ目は魔力量で数値に限界なくあると言っていた。


 魔力質は生まれつき決まっており、数値が変わる事は殆どないらしい。

 魔力量は訓練しだいで変わるけど。


 みんなが順番に測っていく。

 3でもかなりすごいらしいんだけど・・・


 「「「おー」」」


 なんとアンズとクレアは4を超えていている。


 「さすがクレア様」

 「アンズもすごい」


 二人への称賛の声が飛び交っている。

 私も声を上げた一人だ。


 「「「おーーー」」」


 そしてさっきよりも大きな声がみんなからあがる。


 サーシャが5を出したからだ。

 うん、当然だよね。


 「あの転入生すげー」

 「5なんて本当にあったのかよ」


 皆驚いている。ココナもその一人みたい。


 私とアンズ、クレアは当然だっといったように拍手している。


 そして私の番になった。

 私は測るまでもなく5だよ。

 だって最強の魔王なんだよ?


 魔道具に手を置き魔力を注ぐ。

 そこに出てきた魔力質の数字は当然5・・・ではなく0だった。

 ・・・なんで?


 しばらく皆が静かになっていた。

 それもそのはず、0なんて出たことがないだろう。

 魔力質はその人の魔法の格を表したもので、高ければ高いほど複雑な魔法がつかえるらしい。


 「おい0ってことは魔法が使えないってことか?」

 「そうなの?簡単な魔法なら使えるんじゃ無い?」


 皆が口々になにか言ってるけど、私は結果がショックでそれどころじゃない。

 う〜なんで〜。

 ココナに言われて抑えたのがいけなかったの?

 それなら今度は本気で注ごっかな?


 「ルーフェス、何をしようとしている」


 今度は本気で注ごうとしたらココナに止められてしまった。

 さっきは注ぐ前にココナが抑えろと言っていたから抑えたけど、そのせいでこんな悲しい結果なんだよ?

 だったら本気出してもいいよね?


 「駄目だ」


 「えーー。だってこのままだったら寂しいよーー」


 「ダメですよルー様。落ち着いてください」


 なにさー。

 サーシャは5が出たからいいじゃん。


 「私も押さえてましたよ」


 うっ、そうだけど・・・。


 「魔力量は皆よりいいんだから落ち着いてください」


 私もサーシャも抑えたとはいて魔力量は他の子よりはかなり多い。

 ちなみにアンズも他の子よりかなり多かった。

 アンズは指輪のおかげだってお礼の言葉をくれた。






 皆に宥められた私は気を取り直して授業を頑張ることにした。

 ここから名誉挽回だ!


 「次は魔力制御を見る。

 あそこにあるマトにそれぞれ得意な魔法で当ててみろ」


 ココナが刺した方、10メートルくらいさきにいくつかの円形のマトがあった。

 あれを狙えばいいの?

 すごく簡単だね。

 跡形もなく吹き飛ばしてあげるよ!


 「ルー様、吹き飛ばしたらダメですよ。当てるだけでいいんですから」


 えー。

 名誉挽回のチャンスなのにー。

 はぁ。

 仕方なく当てるだけにしておく。


 「ルーフェス、自重しろ」


 なぜかココナにこっそり叱られてしまった。

 なんで?


 「普通魔法をそんな滑らかには出せない。

 それから詠唱もしろ」


 詠唱?

 そういえば詠唱が必要なんだっけ。

 面倒だなー。

 てきとうでいっか。


 今度は適当に詠唱して魔法を放つ。

 サーシャがやってたのを真似てやってみた。


 「あれ?ルーフェスが普通に魔法使ってるぞ」

 「本当?使えなかったんじゃないの?」


 私が魔法を使ったのをみた人たちがちょっと騒ぎ出した。


 「けど魔力量は多かったんだし、初級の初級の魔法なら使えるんじゃないか?」


 初級の初級って、もっとすごいの使えるよ?使おうか?


 「ダメですよルー様」


 サーシャにまたしても止められてしまった。

 だよね、止められると思ってたよ。






 「えっ!サーシャ私と同じ部屋なの!?」


 今日の授業が終わって部屋に戻ろうとしたんだけど、サーシャの部屋を尋ねたら私の部屋だと返ってきた。


 「私の部屋一人用だから狭いよ?」


 「別に構いませんよ。

 ルー様と一緒なら狭くても平気です。

 それにルー様はちっちゃいですから」


 ベッドも私と同じってい言ってたけど、狭く無い?

 まぁ確かに私はちっちゃいから大丈夫そうだけど。

 ・・・ちっちゃくないよ!

 なんとなく頭に浮かんだので言ってみた。ホントはちっちゃいのに何で頭に浮かんだんだろ?不思議だ。






 夜ご飯を食べてお風呂に入り、アンズたちと別れて自分たちの部屋に行く。


 「おやすみなさい、ルー様」


 「おやすみ、サーシャ」


 「おやすみ」を交わし、サーシャを抱き枕にして眠りにつく。

 ベッドも私がちっちゃいから思ったより狭くなかった。

 あと、久々のサーシャ抱き枕は気持ちよかった。

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