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お父さんも!?

 「げほっ、げほっ」


 べちゃっ!


 べちゃ?

 音のした方を見ると王様の手が真っ赤だった。


 え?


 「サ、サーシャっ!

 お、落ち着いて!」


 私はサーシャが詰め寄ったせいで王様が喀血したのかとサーシャを宥める。


 「いえ、私は関係ありませんよ」


 関係ない?


 「はい、お父様は最近肺を悪くしておりました。

 なのでサーレイシャ様が何かしたわけではありません」


 「そうなんだ。

 てっきりサーシャが何しなのかと」


 あははー

 サーシャからの視線が痛いけど気づいてないことにしよ。


 「はぁ、まあいいです。

 ところでルー様、薬持ってましたよね?

 よかったらツベルにやってくれませんか?」


 あー

 薬かー


 「ごめん、無いや」


 「無い?何かに使われたのですか?

 大量に持ってたと思いますが」


 「そのー、なんてかー、お腹すいて食べた、とか?」


 「・・・ルー様・・・どういうことですか?」


 うぅっ、

 そんなに睨まなくてもいいじゃん!

 封印されてるときお腹すいてすいて辛かったんだよ?

 そりゃ、薬とかも食べちゃうよ!


 「普通は食べません!」



 「そんなことより肺が悪いだけなんでしょ、それくらいなら簡単に治せるから!」


 バツが悪くなってきたので、話を変えることにする。


 「な、なおせるんですか!?」


 クレアが詰め寄ってくる。

 病気によるけど、最近なったばっかりって言うし、さっきの感じ見てると常に症状があるってわけじゃなさそうだから、多分大丈夫なはず。


 「うん、ちょっと待ってね。

 んーー、っよっと、

 はい、これで大丈夫だと思うよ」


 両手を前に出して治癒魔法を放つ。


 「えっ、し、しんどくない!

 今まで常に息苦しい感じがあったのに、なくなってる!?」


 ふー

 よかった、成功みたい。


 「お父様、本当ですか!?

 そんな一瞬で・・・」


 「すごい、ルーちゃん!」

 「さすがルー様です」


 クレアは驚き、アンズとサーシャは褒めてくれた。

 なんかアンズもずいぶん慣れてきた気がするね。






 「あらためて、ありがとうございます。

 娘の命だけでなく、私の病気まで治してくださるなんて、

 それから、先程は疑って申し訳ありませんでした」


 一同が落ち着いてから、改めて王様にお礼を言われた。

 うん、疑いがはれてよかったよ。


 「私共にできることがあれば何でもしますので、ぜひ、おしゃってください」


 つまりお礼になにかしてくへふって事だよね?

 お礼かー

 んーーー

 あっ、そうだ!


 「じゃあ、皆でパーティとかしよう!

 クレアも、ついでに王様も直ったんだし、お祝いしないとね!」


 そして私はパーティにでるお菓子をお腹いっぱい食べるのだ。

 王様のいるパーティなんだから、すごくすごい美味しいお菓子がでるよね!


 「そんなことで?」


 「うん、お祝いは大事だよ!」


 サーシャはこっちを見て何かいいたそうだけど、気にしない気にしない。

 やっぱりサーシャ私の本心がバレてるか。


 「ルーちゃん、もしかして、パーティに出るお菓子が目当てとかじゃ、ないよね?」


 あっ、

 アンズにもバレてた。


 「あはは」と苦笑して返しておく。


 「・・・ルーちゃん・・・」


 アンズまでサーシャみたいな顔しちゃった。






 パーティはまた後日ということになって、今日はお城に泊まっていくことになった。


 私とサーシャの関係を聞いた王様なんかはすごく驚いてた。

 王様なのに驚きすぎじゃない?

 短い間だな何回驚いてるの?






 今ははサーシャの部屋にいる。

 メンバーは、私とアンズ、クレアにサーシャと四人だけだ。

 王様は色々と仕事があるらしい。

 息苦しさがなくなって、前より仕事が捗るとか言ってけど、頑張りすぎたらまた病気になるよ?


 ご飯の時間まで色々な話をした。

 特に私とサーシャのことについての話が多かった気がする。


 「あっ、クレアも私の事はルーでいいよ」


 「それなら、クレアにアンズ、お前たちも私のことはサーシャでいいぞ。

 ルー様を愛称で呼ぶのなら、私のこともそうしてくれればいい」


 そんなサーシャの言葉にアンズは素直に「うん」と頷いていたが、クレアは恐縮した感じで「わたくしなんかが・・・」と言っていた。


 「気にしなくて良いよ」


 「そうだぞ、気にするな」


 「わ、わかりました」


 「うん、なら早速呼んでみて」


 「さ、早速ですか!?

 えっと・・・ル、ルーさん、サ、サーシャ様」


 うんうん。

 友達なんだからやっぱりそっちの方がいいよね。






 「わー!

 すごい豪華!さすがは王族のご飯!」


 あれからしばらく話して、夕ご飯の時間になった。

 場所はサーシャの部屋のままで、ここに四人分のご飯が運ばれてきた。

 そのご飯もすごく豪華だ。


 「本日は草食狼の肉の刺身をメインにしたメニューになっております」


 「草食狼!?」


 草食狼?

 なにそれ?聞いた事ないな?

 しかもお肉なのに刺身?


 アンズは知ってるみたいだけど、すごく驚いてる。


 狼なのに草食なんて不思議な狼だなー。


 「ルーちゃん知らないの!?

 草食狼のお肉ははすごく高くてすごく美味しいっていうおにくで、貴族さまでもめったにだへないらしいお肉だよ」


 へー

 そんなにおいしいんだ。


 でも貴族でもめったに食べないってさすが王族。


 「ふーん。

 ところでなんでそんなに高いの?

 すごく美味しいから?

 それとも滅多にいないからとか?」


 ちょっと疑問になったので聞いてみた。


 「数がすくないのもありますが、草食狼は魔物で、それもかなり強いらしいですの」


 「魔物なんだ。それならなおさら生で大丈夫?」


 「はい、この魔物は不思議なことに生で食べてもお腹を壊したなど一切ありません。

 4000年前にはいなかったんですが、1000年ほど前に初めて発見された魔物です」


 なるほど。

 だから知らなかったのか。

 魔物はよく突然変異とかで新種がでるもんね。


 草食狼の話を一通り聞いて、期待を胸に草食狼のお肉を口に運ぶ。

 お肉は唇で噛むだけでほろぉっと崩れるくらい柔らかく、ソースはあまり濃くなく薄い感じなのに味がしっかりしていて、ソースをつけなくてもいいくらい。


 おいしい!

 少し甘みもあってすごく、すごーく、美味しい!


 今まで食べてきたお肉の中で一番美味しいかもしれない!


 「ルー様、草食狼の肉すごく気に入ったようですね」


 「うん!

 これすごく美味しいもん!

 今度狩りに行こう!

 近くの森にもいるんだよね?」


 「そうですが、あまり狩りすぎないでくださいね。

 ルー様なら一晩で絶滅させそうですし」


 「大丈夫だよ!

 それくらいは分かってるって!」


 サーシャったら、失礼だなー。

 全滅させちゃつたら食べられなくなるんだから気をつけるに決まってるでしょ。


 いや、養殖方法を見つければ、もしかして狩り放題の食べ放題になるかな?

 よし!

 今度養殖に挑戦だ!

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