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サーレイシャ

 お城までは歩いて向かった。

 学園からはそんなに遠くなく、一時間もかからずにお城の門についた。


 「クレア王女様!おかえりなさいませ!」


 門は厳重そうだったけど、クレアを見るなり挨拶をして門を開けてくれた。


 「そちらの方達はご学友でしょうか?

 申し訳ありませんが、規則ですので少し確認させていただきます」


 門番の人が私とアンズのことを見てくる。

 多分武器とか持ってないかだろうな。

 身分証はあるかと聞かれたので、冒険者カードをだす。

 私とアンズのカードを確認して問題なしとのことで、通してくれた。


 さすがは王城。

 厳重にしてるなー。


 「申し訳ありません、お二人を疑っているわけではないのですが、規則ですので」


 「きにしないでいいよ」


 「はい、お城に入れて頂くのだから当然です」


 アンズはまだ少し緊張してるなぁ。

 一緒にお城に行くってなったときは、すごく恐縮した感じで、ガチガチになってたもんね。

 まぁ、その時に比べたらだいぶましになったかな。


 門を潜って城壁の中に入る。

 それからしばらく歩いてから建物の中に入ることができた。

 お城って門からも長いよね。

 私のお家(魔王城)もだったけど、私は基本転移魔法で移動していたから門なんてほとんど潜ったことないから気にしてなかったよ。


 建物のなかに入ると使用人にらしきとから挨拶がいっぱいくる。

 まぁ、私は関係なくクレアにだけどね。

 にしても、いっぱいいるなー。

 私のお家にはこんなに人いなかったよ。


 階段を降りる。

 地下に行くみたい。

 それからなんか警備が厳重な気がする。


 「クレア様、これより先は、そちらの方達はご遠慮願いたいのですが・・・」


 今から会う人って、そんなにすごい人なの?


 「この方たちは大丈夫です。

 もし何かあれば、わたくしが責任を持ちますので」


 「ですが・・・」


 「大丈夫です」


 「分かりました。そこまで言うのなら。

 王女である貴方が許したのですから、その方達の通行も許可せざるをえません」


 そう言って通してくれた。

 この男の人、結構強そうだし、やっぱりあの人はすごい人みたいだな。






 しばらく地下の道を歩いて、いくつかある部屋の一つに入った。

 その部屋はなかなか豪華に装飾されている。

 そして奥に扉がひとつあった。


 あの扉の向こうにいるのかな?


 そう思ってるとクレアが扉をノックをする。


 「クレアです。入室しても宜しいでしょうか」


 「いいわよ」


 「失礼します」


 「今日は誰か知らない人を連れてきたのか?

 めずらし、い、な・・・」


 クレアに続いて奥の部屋に入ると、そこにいた人と目があった。

 綺麗なプラチナ色の髪に黒い瞳、見た目は17歳くらいの少女。

 あれ?


 「はい、サーレイシャさまに合わせたいものがいましたので、連れて参りました。

 すこしお伺いしたいことがあるのですが宜しいでしょうか?」


 やっぱり、サーシャだ。


 「あの?どうかされましたか?」


 クレアが固まっているサーシャに問いかけるが、サーシャの反応はない。

 私と会えて驚いてるみたい。

 私も驚いた、クレアの言う人がまさかサーシャのことだったなんて。


 「ひさしぶりだね、サーシャ」


 「ルー、様、本物、ですか?」


 「本物だよ、私の事忘れちゃった?」


 「いえ、忘れてなんていません。

 突然、だったので、驚いて、しまって、」


 「私も驚いたよ」


 「おかえりなさいませ、ルー様!」


 目尻に涙を溜めながらも、満面の笑みで、私のこの世界への帰還に「おかえり」をくれる。


 「ただいま!」


 なので私も満面の笑みで返した。






 「サーレイシャ様とルーフェスさんは知り合いだったのですか?」


 イスに座って話すことになってクレアがそんなことを聞いてくる。


 「ええ、知り合いというか、私はルー様に従かえていたの」


 「そうだったんですか!?」


 クレアがすごい驚いている。

 アンズも驚いてるみたいだけど、クレアほどではない。


 そんなに驚くことかな?

 私だって魔王だったゆだから、従者の一人や二人いたっておかしくないよね?


 「クレア、ルー様をここに連れてきてくだっさったこと感謝する。

 私の力でもルー様は分からないから、連れてきてくれないと、未だに会えないままだった」


 「サーレイシャ様がわからない!?」


 サーシャのスキルは〈感知〉。

 スキル自体は珍しいものでは無いけど、サーシャのは普通のとは才能が段違いだ。

 サーシャに感知できないものはほとんどないだろう。

 ちなみに私は常に感知阻害などのスキルを使っているため、そういったものでは私のことは感知することができない。


 「ええ、ルー様は[理不尽魔王]だからね。

 私の力なんて、全く通用しないわよ」


 えへへ。

 褒められるとやっぱり嬉しいな。


 「それよりルー様、こっちに頭を出してください」


 ?なんだろ?

 疑問に思ったけど、とりあえずサーシャの方に頭をだす。

 すると、サーシャに頭をチョップされてしまった。


 痛い!

 なに?なんで?


 「お仕置きです!」


 「お仕置きってなにが?

 何も悪いことなんてしてないでしょ!」


 「まんまと封印されたことにです!

 あれほどシスチスに気をつけろと言いましたよね!

 それなのに、自分で封印する魔道具を作って、封印されるなんて、何してるんですか!」


 うっ、


 「だって、シスチスが、どうしてもって言うから・・・」


 「だってしゃ無いです。

 しっかり反省してください。

 罰として、一週間おやつ抜きにしますよ」


 「ちょっと待って、それは酷いよ!

 反省してる!してるからー!」


 「はぁ、わかりました。今回は罰は無しにします」


 よかったー。

 おやつ抜きになるとこだったよ。


 「ルーちゃん、自分で作ったって、どういう事?」


 あっ、


 「なんでもないよ!

 サーシャも余計なこと言わないで!」


 私は恥ずかしくなって、顔を赤くしながら、サーシャにこれ以上私の恥ずかしい事を言わないよに言うのだった。

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