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疑われてる?

 今日もいつも通りアンズに起こされて一日が始まった。


 今日は朝ごはんを食べていない。

 朝一度お越しに来てくれた時、眠たさから、「朝ごはんはいらない」と言ったからだ。

 アンズたちも全然起きない私に呆れて、朝ごはんを食べに行って、食べ終わった後にまた、起こしに来てくれた。

 さすがに今度は起きないと授業に遅刻してしまうので、眠い目を擦り起きて教室に行く。


 教室についたのは授業が始まる10分前くらいだったので、もう他の皆は来ていた。


 私たちも先生が来るまで他愛無い話をしながら待つ。


 アンズとクレアは私がお腹空いてないから心配してくれたけど、一食抜いたくらいなら全然問題ない。

 だって、4000年も何も食べてなかったんだからね。


 しばらくして、ココナが教室に入ってきて、皆席に着く。


 ん?

 なんかこっち見てる?

 なにかあるのかと思ったらココナがこっちに近づいて来て、クレアに話があるとかで、クレアを連れて出て行ってしまった。

 私たちはその間、待機みたいだけど、クレアに何話してるんだろう?

 授業楽しみにしてたのに、大事な話なのかな?






 それからしばらくして、二人が帰ってきた。

 何を話してたのか気になるけど、授業を始めると言うので、授業が終わってからクレアに訊くことにする。


 最初の授業はこれから何を学んでいくかなどの説明から始まったんだけど・・・

 クレアがこっちをチラチラと見てる気がする。

 えっ、なに?

 さぅきの話って、もしかして私に関係があるの?


 楽しみだったはじめての授業も今回は説明が多くて、思ったよりもつまんなかった。






 「えっ!?ココナから聞いたの!?」


 授業が終わったあと、クレアが話があとからと別の誰もいない部屋にやってきた。

 クレアは私が魔王であることをココナから聞いたみたい。

 なんで?

 言うなって言ってたのに、自分で言ってるじゃん!


 「では、本当に[魔王]なのですか?」


 「う、うん。ココナから聞いたなら言ってもいいよね。

 改めて自己紹介するね、

 私の名前はルーフェス・クフフル!

 4000年前の時を経て、この世界に復活した[理不尽魔王]と呼ばれる最強の魔王なのだ!」


 仁王立ちで、腰に手を当てて、胸を張り、ドヤ顔でそう宣言した。

 なのにクレアの反応は薄く、ポカーンとしている。

 もっと驚いたりしてもいいんだよ?


 「えっと・・・ルーフェスさんが[魔王]なのはわかりましたけど・・・その、わたくしに近づいたのには、何か理由があってのことなのですか?」


 ちかづく?

 理由?

 なんのこと?


 「?どういう事?」


 「えっと、わたくしが、王女だから、近づいたのか、とか?」


 「?たまたま、だけど?」


 「はい、そうですわよね。

 ココナ先生が気をつけろと、おっしゃっていたんですけど、ルーフェスさんを見ていると、大丈夫な気がしていましたから」


 なるほど、さぅきココナにそんな事を、

 って、私、疑われてる?

 なんで?

 私不審なことでもしたかな?


 「ルーフェスさんは4000年前に封印されたと聞きましたが、大戦前という事でよろしいでしょうか?」


 「うん、私その大戦っての知らないからね」


 「そうですか、なら、あなたが大戦前に有名なのでしたら、あなたの事を知っているかも知らない人物に心当たりがありますが、あってみますか?」


 「そんな人がいるの!?

 会えるならあいたいかな」


 やった、これで信じてくれるかも。

 まだ疑ってるかもしれないしね。


 「わかりました。

 では、その方にお話しを通してみますので、今日、学園が終わったら少しよろしいでしょうか?」


 「うん!もちろん!」






 「ルーちゃん、クレア様と何の話だったの?」


 「なんかココナがクレアに私の事、言ったらしいよ」


 「えっ、秘密じゃなかったの?」


 「はい、そうらしいのですが、わたくしが王女だからルーフェスさんが近づいたのではないのかとのことで、注意をしておけとココナ先生に伺いました」


 「ルーちゃんは何も悪いことなんか考えてないよ!」


 アンズが私を庇ってクレアに詰め寄る。

 なんか嬉しいな。


 「ええ、わかっておりますわ。

 わたくしもそう思ったので、ルーフェスさんに話をしたんです」


 「そうなんですね・・・

 って、すみません、クレア様にこんな事を」


 「大丈夫です、気にしないでください」


 アンズがクレアに詰め寄ったのを悪いと思ってしゅんとしている。

 なんか可愛い。

 アンズのこういった仕草に可愛いって思うのは何でだろ?


 「それにしても、ココナは私のこと疑ってひどいよね。

 ちょっと、吹っ飛ばしちゃっただけなのに」


 「「吹っ飛ばす?」」


 あっ、言っちゃった・・・。


 「あはは、なんでもないよ」


 「ルーちゃん、吹っ飛ばすって何?」


 うわー

 アンズが子供を叱るような顔で問い詰めてくるよ。


 「実技試験のとき、ちょっとやりすぎちゃって気絶させちゃったんだー。てへっ!」


 「ちょっとって、[勇者]であるココナ先生を気絶させるなんて・・・」


 クレアは驚いたような反応で、アンズは呆れたような反応だ。


 「ちゃんと謝らないと駄目だよ?」


 「・・・うん・・・」


 アンズもこう言ってるし、謝ろう。

 あれっ?

 そういれば、謝らなかったっけ?

 その時アンズもいたと思うけど・・・

 まぁ、細かいところはいいか。






 今日の授業も全部終わって、クレアのお家であるお城に向かう。

 私のことを知ってるかもしれない人ってどんな人なんだろう?

 しってる人だといいなー。

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