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入学試験(実技)

 「それでは、これから実技試験を始めたいと思う。

 私は君たちの実技試験の相手をするココナだ、よろしく頼む!」


 それぞれの試験部屋に別れた後、試験官の女の人が挨拶をしてきた。

 この部屋にいる受験生は5人だけで、アンズとは部屋が分かれてしまった。

 せっかくだからアンズにカッコいいところを見せようと思ったんだけど、残念だ。

 試験官の人は2人いて、一人はさっき挨拶をしてくれたココナ。20台くらいの美人のお姉さんという感じで、髪は黒髪で短髪、模擬専用の木剣を持っている。

 雰囲気はなかなか強そうな感じがする。


 「おい、ココナって、あの勇者のココナ!?」


 ココナの自己紹介に他の受験生たちが騒ぎ出した。

 勇者?

 この人が?確かに強そうだと思ったけど・・・。

 皆の言っていることを確認するため鑑定スキルを発動する。

 鑑定した結果、確かに彼女には勇者の称号があった。

 勇者も魔王と同じく世界から認められ、与えられる称号の一つ。

 見た目は二十代だけど、魔王や勇者の称号は不老を所持者に与える称号だから見た目通りの年齢じゃないのかも。

 そして鑑定で分かったのは彼女が勇者だということだけどでなく、彼女のスキルもわかたった。

 彼女のスキルは、〈身体強化〉。

 このスキル自体は対して珍しいものじゃ無いんだけど・・・

 〈聖剣創造〉。

 彼女はスキルを二つ持っている。

 しかも、私が初めて見るスキルなんて、すごく珍しい。

 この〈聖剣創造〉は、何もないとこらから聖剣を作り出すという物凄く強力なスキルみたい。

 生み出した聖剣の格によってコスト(魔力など)は違うみたいだけど、よっぽど格の悪いものじゃないかぎり聖剣は強力なので本当にすごいと思うスキルだな。

 アンズの〈属性変換〉といい、このな短時間ですごいスキルを二つも見れるなんて、もしかしたら4000年で色々変わっていまったのかもしれない。


 そんなことを考えていたら二人目の試験官のことをすっかり忘れていた。

 この人もココナみたいにすごい人なのかと鑑定してみたが、特にすごいと思えるような事はない、40代くらいの男の人だった。、




 「騒がしいぞ!静かにしろ!」


 騒がしかった受験生たちに対してココナが少し威圧感を込めた声で叱る。

 それを聞いた受験生はビクッと一瞬体を震わせて静かになる。

 もちろん私は震わせてないよ!ホントだよ?


 「それでは試験を始めたいと思う。

 最初は君からだ。名前を告げてからかかってきなさい」


 最初の試験は剣を持った16歳くらいの男の子。

 名前を告げてココナに向かって剣をふるっていたが、簡単に受け止められ、最後に軽く頭を叩かれて、彼の試験は終了となった。

 それから同い年くらいの子が、男の子、女の子、女の子の順で試験をし、最初の子と同じような結果に終わった。


「次で最後だな。ん?何も持たなくていいのか?」


 「うん、私は魔法を使うから」


 「魔法使いだとしても、これは近距離戦だ。

 近くに敵がいる場合、魔法が発動するまえに相手の攻撃が飛んでくる。

 それに対処をするためにも杖なんかは持って置いた方がいいぞ?」


 「大丈夫、気にしないで!」


 「そう言うなら構わないが、思い通りの結果になっても文句は言うなよ?」


 私は頷いて前へと出る。


 「ルーフェス・クフフル」


 今回は名前だけにしておいた。

 魔王とか色々言うと、面倒なことになる気がしたからな。


 「では、行くぞ!」


 「あ、あーしゅうぉーる!」


 今まで最初は攻撃を受けるだけだったココナがいきなり攻撃してきたから少し驚いて噛んでしまった。

 恥ずかしい・・・。


 「っ!今のを防ぐか、言うだけはある」


 ふー、

 もう油断しないからね!


 「サンドショット」


 砂の玉を5つ作り出しココナに向けて放つ。

 けど、それらは全て剣で弾かれてしまった。


 「なかなかいい腕だな!

 なら、これはどうだ!」


 さっきの攻撃よりも早く剣を振るってくる。

 横から迫ってくる剣を先程同様土の壁を魔法で作り出し防ぎ、剣が壁に当たると同時に砂の玉を放つ。


 「そんな速度で魔法を発動させるのなんて、初めて見た。

 君、8歳くらいにみえるけど、その歳でそこまでできるなんて凄い才能だな。

 だが、君の態度を見ていると、才能に溺れているように見える。

 なので、少し痛い目をみせてあげよう」


 ココナがいきなり誉めてきたと思ったら、〈身体強化〉を発動させ、超加速した速度で剣を振り下ろしてくる。

 私は振り下ろされた剣を避け、ココナの後方に回り込み、土の玉を魔法で作り放つ。

 それはココナの背中に見事命中しココナが吹っ飛ぶ。

 吹っ飛ばされたココナは正面から壁にぶつかった。

 ・・・スキルを発動させてたから強く打っても大丈夫だと思ったけど、強く打ちすぎたかな?

 

 「おい!なんだあの子供![勇者]を吹き飛ばしたぞ!」


 「ココナさんがわざと飛んで行ったんじゃない?!

 じゃないと、あんな小さな魔法で飛ばされるはずがないよ!」


 私たちの模擬戦を見ていた他の受験生や試験官の人たちがすごく騒がしい。

 ココナの方に視線を向けると、ココナは地面に仰向けに倒れており起き上がってこない。

 どうやら、気絶してるみたい。

 やっぱり、やりすぎちゃった?

 てへっ!


 

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