やっとでられたのに
初投稿です
「完成したよ!」
私は完成した封印結界の魔導がをシスチスに渡した。
この魔導がは亜空間を作りそこに対象を閉じ込めておくというもので、お札のような形をしている。
貼り付けることで発動する簡単に誰でも使えるようになっている。
亜空間に封印してしまえば簡単に出ることはできない。
もちろん、私も。
何故私がこれを作ったかは、それは目の前にいる魔王シスチスにたのまれたから。
どんなに強いやつでも封印できる魔導がをと、言われたので魔導が作りも得意な私が作ってあげた。
最高傑作である。
「礼を言う。これで、邪魔者を排除できる。」
へー。そんなに邪魔な人がいたんだ。
そんなことを思っていると、シスチスが私に魔導がのお札を貼って魔導がを発動させた。
・・・・・邪魔者って私?
「さよならだ。最強の魔王」
こうして私は自分の作った魔導がで封印されてしまった。
てへぺろっ。
あれからどれくらいたっただろう。
亜空間の中は真っ白で何もない。
そして、お腹がすいた。
収納魔法の中に入っていたものも全部食べてしまって今は何も食べるものがない。
うーーー。
封印解くの難しすぎるーーー。
どうして私はこんな強力なの使っちゃったの?
私のバカーーー。
封印されて最初の頃はスキルも魔法も他の色々な手段もほとんど使えなかった。
けど今はだいたい使えるようななった。
流石私!最強の魔王!
でも、出る手段がなかなか見つからない。
あと少しな気がするけど、そのあと少しができない。
お腹の音うるさすぎ!
お腹空いてるのはわかってるよ!
そんなことを考えながら解封の術式を構築していく。
さらに時間が過ぎる。
そうして、ようやく、ようやーく、完成した。
やったーーー!
これで出れるーーー!
完成した術式を発動させる。
そうすると真っ白だった空間はひび割れていき「パーン」とガラスが割れるような大きな音が響き渡る。
目の前に広がるのは封印される前までいた場所。
だけどその光景は封印される前のものとはぜんぜん違った。
封印された場所、つまりは私の魔王城の一室だったのだけど壁は崩れ、上を見れば綺麗な晴天、床も激しく動けば崩れてしまうそうになっていた。
ど、どうして?
私の魔王城は結構丈夫に作ったと思うのだけれど?
お腹がうるさいので食料を探してみるも何もない。宝物庫もからっぽ。あるのは瓦礫の山だけ。
「やっとでれたと思ったら私のお家がーーー!!」
しばらく項垂れていて、こうしてもしかたがないと思った私は何か食べるものを探そうとうるさいお腹ををおさえながら飛行のスキルを発動させて魔王城の上空まで上がる。
魔王城の周りは森に囲まれている。これは私が封印される前からだ。
この森には色々な魔獣がいるし、お肉も美味しいのも結構いる。
けど、甘いお菓子が食べたい。
なぜなら好きだから!
ご飯よりもお菓子!お菓子さえあれば大丈夫!
元々私は何も食べなくても生きていける。もし食べないと生きていけなかったとしたら封印の中で餓死してしまっていた。
けどお腹はすく。それに甘いお菓子が好きなので食べたい。
だからお肉よりお菓子!
なので森なんかには興味がありません!
じゃあなぜ森の中に魔王城を建てたかというとお菓子を作ってくれる人がいたし、なんか魔王ぽいかなーなんておもったから。だから深い意味とかはない。
けどこんなことならどっかの街の近くに建てておけばよかたった。
そんなことを考えながら街を目指して適当に飛んでいく。
封印される前にあった魔王城から1番近い街はなくっていた。
どうやら森が広がっているらしい。
なのでスピード上げて街を目指して飛んでいく。
20分ぐらい飛んでいったところにようやく街を見つけた。
これでようやくお菓子が食べれる。
目立たないよう透明化のスキルを発動させ街の上空まで行き人気のない路地裏に降りる。
後はお菓子が売っている所を探すだけ。
路地裏を抜け大通りに出て適当な人から美味しい甘いお菓子が売っているお店を教えてもらう。
お店は近くにあるらしく案内してもらった。
親切な奥さんありがとう。
感謝を告げて奥さんと別れお店に入る。
すると入ったとたんからいい甘い香りがしてきて、周りを見れば美味しそうなお菓子が沢山並べならている。
どれにしようかとお菓子が並べられている棚をキョロキョロと見ていると、ちょうどお会計をしていた人の手元を見て不思議に思う。
あれってお金?
お客さんらしき人が店員さんに渡していたものに見覚えは全くない。
でも、あれを渡して商品と交換しているということはお金ということ。
私の持っているのと全然違う。
もしかして、私の持ってるお金じゃ買えない?
不安になって店員さんに聞いてみる。
結果は残念。
「なんで......なんで.....せっかく.....」
やっと食べられると思っていたのに食べられないとなって私は泣いてしまった。