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うつうきんでんしゃ

作者: AKAI

此の日本国内では「大手企業!」として可成り有名だが「ブラック企業!」とも言え其の噂も絶えない印刷会社に勤める 俺は毎日、鬱な気持ちで通勤電車に乗り続けてる内に激しい現実逃避の気持ちに襲われる様になった。

そんな俺はヤケクソになり飲酒して、いつもの通勤電車に乗るが・・・

俺の名は・・・名乗る程の者でないので伏せておく・・・が高校卒業後「永久堂えいきゅうどう印刷」と言う国内では可成り有名な「大手企業の1つ!」とも言われてる印刷会社の此の日本国で一番、大きな湖で有名な某県のH市に有る本社の現場で働く年齢=44歳の(万年平の)工員で有る。

・・・が此の永久堂印刷と言うのは一応、朝の8時30分から夕方の5時30分迄が定時の勤務時間だが殆どの日が夜の9時迄の残業の昼勤と其の逆の夜の9時から朝の6時迄が定時だが殆どが同じ朝の8時30分迄の残業の交代制で他の殆どの企業が土日の週休2日制が当たり前となった時代でも昼勤は月〜土迄の週6日の出勤で夜勤こそ(一応)月〜金の週5日だが実質的には其の夜勤も本来、休日の筈の日曜の夜からで有るだけでなく昼勤も日曜・祝日も殆どが出勤なのが当たり前のブラック企業で有る。


高校時代、免許を取れなかった俺は昼勤&夜勤、共に毎日、勤務開始よりも約2時間早く起きて(途中で乗換え有りの)電車で駅、3つ分を越えたH市に有る此のブラック企業=永久堂に向かい帰宅は勤務終了から約2時間後の日々を送ってて不器用で要領の悪い俺は新人時代から先輩達に怒鳴られたり時には手を挙げられたりするだけでなく年下の後輩達にも追い抜かれタメで口を聞かれたり呼び捨てにされたり時には手を上げられる事も有る「パワハラ!」とも言える仕打ちを受け庇ってくれたりする者は誰も、おらず当然「辞めたい!」と何度も思ったが、代わりの就職先も無く永久堂が、そんな俺を解雇する事は簡単だが、そうしないのは俺には「(他に行く宛ての無い奴への)お情け!」etcと言ってるが実際は此の職場の異様なキツさetcに耐えられず辞めてく者達が多いからで有る他、俺自身が立場的に弱く「無能!」と言う事で、周囲に比べ安い給料で長時間の激務を強いる事が出来、どんな不服な命令でも聞かざる得ない弱い立場だからだ!


そんな俺は次第に

「もう・・・死にたい・・・」

等の鬱な気分で通勤電車に乗る中、当然の様に激しい現実逃避の気持ちに襲われる様になり帰宅時の車内で飲む酒だけが唯一の楽しみだった。

・・・が俺の様な不器用で要領の悪い者は、どんなに真面目に頑張ってもダメで誰からも認められないと言う他、社長夫人で「人の心を持ってない様な鬼!」とも言える女常務が実質的なトップのブラック企業で有る永久堂も流石に此のコロナ渦の中、出勤者の人数を減らさざるを得ず交代で休ませる様にした物の工場長の先山や俺より年下の後輩だが追い抜いて課長になった谷口らにより差別的な扱いを受けてる俺だけが

「こいつなら譬えコロナ渦でくたばっても構わない・・・!」

等と言う精神で殆どの日に出勤させられワクチン接種を受ける予定の日にも休んで接種を受ける事を許されず、とうとう有る日の夜の勤務前に

「それならコロナに感染した俺自身が其れを他の奴らに移してやる!」

等と言う気持ちで深く飲酒した状態で電車に乗り眠ってしまった。

俺は酒に強い訳でないので本来なら乗り過ごしても、おかしくないし譬え、そうなっても構わないが、以外にも永久堂が有るH市の駅に到着する前に目が覚め電車を降りH市駅から出て永久堂に向かい社内に入った。


・・・が、いつもは俺を睨みつけたり罵声を浴びせたりする此の社の連中達が珍しく何もせず其の事を不思議に思いながら着替え用の部屋に入り作業着の入ったロッカーに手を掛け様とするが、何故か取ってが掴めず此の後、入ってきた同僚の1人で俺に対しパワハラ行為をし続けててる性格通り見た目も極悪人の上田が隣のロッカーで俺を無視した・・・と言うより気づかない様子で着替え始め俺は試しに奴に

「あの〜・・・」

と小声で声を掛けるが上田の奴は何の反応もせず続けて俺は普段の奴に対する恨みも込めて

「おい!こら〜!」

と大声で叫ぶが其れにも何の反応も無く、そんな俺は上田の奴に日頃の恨みを込めて思いっきり蹴りを入れるが・・・何と素通りしてしまい此の後、同僚達が「現実逃避したいと考えてる者を乗せ其の命を奪う列車」の話をしているのを聞いた事で俺は毎日、通勤電車の中で必死に願ってた現実逃避を自らの死と言う形で叶えてしまった事に気付いたのだ。


・・・が其れは俺が先程迄、乗った電車が本当に死後の世界に行く為の物だからなのか・・・どうかと言う事も此れにより過酷な労働や周囲の虐めからも逃げられたが此れで良かったのか、どうかと言う事も俺には分からない・・・


が俺が通勤で使用する電車の通る線路内の踏み切りは、よく飛び込みをする者がいて、そう言った意味では俺は呪われた通勤電車を使用し続けてたのかもしれない・・・つまり日頃から自分を虐げる奴らを呪い続けてた俺の方が呪われてたのだ・・・


<終わり・・・>

「此の辛い現実から逃げ出したい・・・」と言う俺の長年の夢は遂に叶った・・・が其れは俺自身の死と言う代償との引き換えで有り・・・何故、そうなったのかも・・・そして本当に此れで良かったのかも・・・俺には分からない!

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