表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旋律はいつもドリン系  作者: 鍵森 裕
1章 始まりは、そんなもん。
8/66

8話 ここはやはりライオンの檻。

凄く短いです。

 ワシら『階段遠回り組』は教室の窓際の後ろの方に陣取った。


 1クラス35人。その内男子約10人。そういう状況におかれた男子がとる行動は、ひとつ。


 寄り添うことだ。


 真面目な奴も不良も、ワシみたいにそのどちらでもない普通の奴も、みんな一所に固まるのだ。


 そして、知った顔がいないか、あたりを見渡す。少しでも知っている人間がいたら満面の笑顔を見せて話しかけるのだ。


 藤本正輝も同じだった。


 30年前の不良は、みんな純情だった。(もちろん、例外はいます)不良のレッテルをはがせば、藤本だって15才のチェリーボーイなのだ。


 『階段遠回り組』男子10人に藤本も寄り添うように加わった。藤本もワシらもここでは、ライオンの檻に入れられた羊だった。


 驚いたことに藤本はワシを知っていたのだ。もちろん、中学の時に見かけた程度だったと思う。もう1人の石田には見向きもせず、ワシに話し掛けた。


 石田にすれば、ありがたかったに違いない。貧乏ゆすりのような足の震えが止まっていた。


 藤本はワシの名前までは知らなかっただろう。記憶の底からワシの名前を引きあげようとしていたようだが、あきらめたのか、少し間をおいて口を開いた。


「女ばっかで、おーじょーしたで!」(訳=女ばかりで、大変だったよ)


 電車の中で見た、辺りを睥睨へいげいするようなオーラは感じられない。ワシと同じ15才の少年の顔があった。


***当時の後書き


そろそろ、クラブに入部できそうです。

主役は私(青山千春)ですけど、1章は藤本正輝、彼のお話です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ