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旋律はいつもドリン系  作者: 鍵森 裕
1章 始まりは、そんなもん。
13/66

13話 生涯、愛する楽器!

「じゃあ、2人ともギターでいいんだな」


 宮島部長がどっちでもエーけど、はよ決めーや! みたいな口調で聞いてきた。


 藤本は当然と言う感じで返事をしたが、ワシはスンナリ答えられない。


「いや、ベースにしようかなあ……なんて」とか言いながら、はっきり決められない。


 藤本の言った「女にモテルぞ」がボディーブローのように、じわじわワシの心の奥に効いてくる。


 女にモテルぞ! 女にモテルぞ! モテルぞ、ルぞルぞ……。


 朝から女に囲まれて、苦労したように感じた。……が、よく考えるとそれって本当に苦労か?


 恥ずかしいのと女にモテたいのは別なんじゃないのか。


 はっきりいってワシは女にモテタイ。せっかく高校生になったんじゃから、女子ともおつき合いしたいじゃないの!


 さすが、1500円につられてマンドリンクラブに入部することにした、ワシ。気持ち的にはすっかりギター。


 兄貴は恐かったが、それよりも約束を破って

1500円がふいになるかもしれない。ワシにとっては、そちらの方がよほど痛かった。


 しかし、そんなことは口にせずに言った。


「ワシの兄貴、先代の部長でベースしとったんじゃ。だから、ベースをしろって言われとるんよ」


「へー、そうなんか。でも、他の奴が先にベースになりましたって事にしたら。どっちが後か先かなんて、わからないだろ」


 藤本は人ごとのように、サラっと言う。


「あっ!」


 ワシは思わず膝を叩きそうになった。叩きませんが。そして、ある男の顔がうかんだ。


 ネン〈田中〉にベースさせたろ!


「ギターをやります」


 ワシは高らかに宣言した。


***当時の後書き


入部のみならず、楽器まで決定しました。この日から私の長いギター人生が始まるのでした。

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