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旋律はいつもドリン系  作者: 鍵森 裕
1章 始まりは、そんなもん。
10/66

10話 クラブに入るのじゃ、でもちょっとその前に。

 放課後、さっそくマンドリンクラブに入部するために部室に行くことにしたんじゃが、その前に、朝から起きたことをネンに報告せねばならん。


 ネンめ、聞いたらびっくりしてチビリよるかもしれん。


 ワシら1年5組『階段遠回り組』と勇気ある顔を赤らめる『ライオン』はすっかり仲良くなってしまった。


 昼めしは学食で食った。ワシが弁当で、マーくん(マーくん使いまくり)は学食の『きつねうどん』160円。そしたらなんと、マーくんがワシに食後のコーヒー50円(紙コップの自販機ネ)を奢ってくれた。


 もっとも、2時限目の休憩(ちょっと休憩時間が長い)で、2人でコーヒーを飲みに行って、そん時にワシが奢った分のお返しなのじゃが。


 たかられたわけでなく、流れで奢ったのだ。(自分で作った流れだが。)


「いいよ、いいよ。ここはワシが出しとく」(ここで、自分のことを僕から『ワシ』に戻した)


「ほーか、なんか悪いなあ、俺が誘ったのに」


「いいって、マーくん」と言いながら、これまで何回『マーくん』と言ったか数えて。(よし、もうずっとマーくんで大丈夫)と確信した。


 ネンのいる1年1組は北校舎の3階だ。ワシらのいる南校舎と渡り廊下でつながっている。


「嘘だ」


 ネンは信じない。ワシだって信じられないのだから無理はない。


「今度、昼飯を3人一緒に食おう」


 本当なら、それも嫌だとことわられた。無理はない。


◆◆


 マンドリンクラブの部室は裏門付近の木造2階建て校舎にあった。その校舎は、北校舎のすぐ南側に隣接していた。


 当時(30年前)ですら……。


「おいおい、こんな校舎まだ残ってんのか?」


 ……という感じの築ん十年のオンボロ木造2階建校舎。その校舎の中に入る扉は木造の引戸だ。


 ついこの前ペンキ塗りました。きれいになったでしょ、と自己主張しているような水色の塗装が、よけいにみすぼらしさを引き立てていた。


 開けるのにはちょっと、力がいる。


「チリン」という音が上のほうから聞こえてきた。


***当時の後書き


やっと、部室の一歩前まで来ました。ちゃんと音まで鳴ってます。

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