メンバー紹介の前半部で衝撃的なことを知ってしまったけど私は負けないと決意しようと思う。ごめん嘘。こいつらと上手くいかないわ。だってあとあいつらにも会うんだよ?ありえなく無い?
またまたお姫様抱っこされながらエレンルームに到着した。王子は薄茶で品の良さそうなヘアースタイルを持ち草原を閉じ込めたような瞳を持っている。そんな彼は即頭を下げた。
『先程は手荒な真似をしてすまなかった。』
『いえいえ。王子様にそんな謝られるほどのことをされていないですから。』
この辺から御相手選択だ。
えっと確か1人目がそろそろ来るんだよ。
コンコンコン
『エレン様。少々よろしいですか?』
『ん?あ、セルビンか。』
ここに現れるのはエルビン騎士団長だ。
この方は確か、フルネームが…
『失礼します。ご婦人の顔面を認知しに参りました。』
あぁ、なんか刺々しい。金髪青眼のこやつは
『あ、思っていたよりもかわっ、いや、違う。』
ツンデレの
『初めまして、自分の名はセルビン・フォーマルハウト。この城の騎士団長をしている。』
『は、初めまして。拾われてきたヒロインです。』
セルビンはジローっと私を見てバカにするような顔をした。
「随分従者Lはあなたのことを気に入っているようだな。」
ここはセリフ外である。
「あはは…」
現在私は、従者Lもといレオンさんの膝の上に座っている。彼曰く「逃げられたら困るんで」ということだ。
『あ、そうでした。エレン様。ラベンダー王子がいらっしゃっています。部屋に通しますか?』
『ラベンダー?まあいいや連れておいでー』
ラベンダー…王子!?
いやいやまあまあ。キャラ紹介だもの。いるに決まってるんだけどさ…。セルビンはすぐにラベンダー王子を連れてきた。
『…エレン。貴様は自分の女を従者に取られたのか?』
紫色の髪。片目は前髪で隠している。黄金の瞳を持っていて目元には宝石を飾るかのようにホクロが一つだけ乗っている。
『いやいや。この子はもしかしたら百年史書に乗ってた女の子かもしれないんだよ。』
『馬鹿げたものにまた惑わされているのか?そもそもこんなアホズラにあれに乗ってることが出来るわけが無い。まあ、飾るのにはちょうどいいかもしれないな。』
ドS。
『庭の薔薇。1本ちょうど寿命が来たところだった。どうせ力のちの字もない娘。貰い受けても?』
『いやいや。君みたいな鬼畜厨二病に言われたくないな。」
あれ?エレンにこんなセリフあったか?
『なあにこいつはあれだぞ?俺の事13回もクリアした伝説の…」
…えっ、まっ、ぇ?
「あぁ、あの不人気薬剤師長を大人気にさせた伝説のあの子だろう?」
まるで学生の時の小説が出てきた時のようなこの感覚。
「我々の世界を作り上げた会社の主な給料の出処である、あのヒロインですね。」
あ、ああ。
3人が私を見る目が変わった。
あぁ、なんということでしょう。ここはただの恋愛ゲームの世界じゃない。
ここは…
「よし、ヒロイン様。逃げましょう!」
「…えっ、まって、また、お姫様だっっっぎゃああああ!!」
色々考えているあいだに、レオンは…顔はないけれどお姫様抱っこをし、元気よく部屋の外に出ていった。
王子たちは獲物を狙う目で私を見ていたのは気のせいにした。