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神の塔  作者: 天川ひつじ
7/10

7.たどり着いた部屋

行き止まり近くまで行くと立ち上がることができた。


左側、光で溢れている扉を見る。


ゴクリ、とつばを飲み込み、右手を伸ばした。

光の中に手が入って消える。触れるものは無い。


俺はそのまま1歩、踏み込んだ。


***


「え・・・夢?」

俺は思わず呟いた。


目の前、あまりにも見慣れたものが溢れていたからだ。

いや、見慣れたというのはおかしい。古い時代のものだった。


たたみの部屋。随分色褪せていて年季が入っている。


中央に、コタツ机。古い時代の。

ポテトのスライス揚げの菓子袋がパーティ開けで放置されている。中身はもう無い。

カップラーメンも食べた後だ。割りばしが突っ込まれた状態でおいてある。ゴミだ。


丸まった紙がいくつも畳に転がっている。

座布団が。

横に腰までの高さの箪笥がある。伝統工芸品のような。その上に、コケシ人形が載っている。

天井から、うすぼんやりと光る電灯がぶら下がっている。


向こうに台所もある。薄汚れている。

使ったままの食器が汚く重ねられている。


「・・・」


誰かが先ほどまでいたかのような雰囲気がある。


ただ、誰もいない。

出掛けているのか? それとも、いなくなったのか?


俺は混乱しそうになった。


これはなんだ。

俺は『神の塔』を見つけたと思ったのに。


夢? 俺は夢を見ているのか?

いや、夢だとして、この部屋は俺の部屋ではない。これはなんだ。


古い時代を感じさせる部屋を見回す。

取り残されたような気分になった。


俺は頭を少し振ってみてから考えた。

何がなんだか分からない。俺は夢を見ているのかもしれない。


・・・だが。

もし本当にここが『神の塔』なら。先ほどの続きが確かにこの部屋なら。

今、この部屋にたどり着いた俺は、神になっているはずだった。


確かめてみよう。そうだ、そうしよう。


だから、俺はすぐに来た道を引き返してみることにした。

白い扉のように見える部分を、すり抜ける。


すると、先ほどまで俺がいた通りの世界があった。

右側、這わなければ進めない状態で、階段が部屋の下に延びている。来た通りの道筋だ。


少し部屋の方を振り返る。部屋への入り口、白い光がある。

夢では無かった。正しかった。


やはり『神の塔』だ。

たどり着いた今、俺はこの世界の神になった。

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