7.たどり着いた部屋
行き止まり近くまで行くと立ち上がることができた。
左側、光で溢れている扉を見る。
ゴクリ、とつばを飲み込み、右手を伸ばした。
光の中に手が入って消える。触れるものは無い。
俺はそのまま1歩、踏み込んだ。
***
「え・・・夢?」
俺は思わず呟いた。
目の前、あまりにも見慣れたものが溢れていたからだ。
いや、見慣れたというのはおかしい。古い時代のものだった。
畳の部屋。随分色褪せていて年季が入っている。
中央に、コタツ机。古い時代の。
ポテトのスライス揚げの菓子袋がパーティ開けで放置されている。中身はもう無い。
カップラーメンも食べた後だ。割りばしが突っ込まれた状態でおいてある。ゴミだ。
丸まった紙がいくつも畳に転がっている。
座布団が。
横に腰までの高さの箪笥がある。伝統工芸品のような。その上に、コケシ人形が載っている。
天井から、うすぼんやりと光る電灯がぶら下がっている。
向こうに台所もある。薄汚れている。
使ったままの食器が汚く重ねられている。
「・・・」
誰かが先ほどまでいたかのような雰囲気がある。
ただ、誰もいない。
出掛けているのか? それとも、いなくなったのか?
俺は混乱しそうになった。
これはなんだ。
俺は『神の塔』を見つけたと思ったのに。
夢? 俺は夢を見ているのか?
いや、夢だとして、この部屋は俺の部屋ではない。これはなんだ。
古い時代を感じさせる部屋を見回す。
取り残されたような気分になった。
俺は頭を少し振ってみてから考えた。
何がなんだか分からない。俺は夢を見ているのかもしれない。
・・・だが。
もし本当にここが『神の塔』なら。先ほどの続きが確かにこの部屋なら。
今、この部屋にたどり着いた俺は、神になっているはずだった。
確かめてみよう。そうだ、そうしよう。
だから、俺はすぐに来た道を引き返してみることにした。
白い扉のように見える部分を、すり抜ける。
すると、先ほどまで俺がいた通りの世界があった。
右側、這わなければ進めない状態で、階段が部屋の下に延びている。来た通りの道筋だ。
少し部屋の方を振り返る。部屋への入り口、白い光がある。
夢では無かった。正しかった。
やはり『神の塔』だ。
たどり着いた今、俺はこの世界の神になった。