人に認められるという力。少しエロ注意です。
「えっなんで?」
「いつも送ってくれてたイラストの中に何枚か俺の似顔絵が入ってたんだ。
小説の挿絵は駄目でもなんとかエリちゃんの絵を本に入れたくて、迷惑だったか…?」
「嬉しい…、嬉しいよ。」
ちゃんと竜介は私を認めてくれていた。
ろくに誰も見てくれないイラストサイトなんかに置いておくしか利用価値のない私の絵を認めてくれた。
私は裸なのにも構わずバスルームのドアを開け放ち竜介の背中に思いっきり抱きついた。
「おいおいなんだ、それはまずいだろ。」
慌てふためく竜介がとてもとても愛おしい。
「私ね、小さな頃からずっとイラストレーターになりたかったの。
だから嬉しい。
それに書籍化の夢を追う竜介が羨ましかったの。
そんな竜介に私の絵が認められて嬉しい。
一緒に作った小説が書籍化されて嬉しい。
竜介の夢が叶って嬉しい。」
感情が次から次へと溢れ出て嬉し涙が止まらない。
「ちょっと待ってくれ。
そんなに喜んでくれて嬉しいけど服を着てくれ、俺だって男なんだぞ。」
心なしか竜介の身体がドキドキして硬くなっているのを感じた。
「竜介の心臓バクバク言ってるね。
私の事を女としても認めてくれてるの?」
竜介の心臓はますます暴れ波打ち身体は硬く硬くなっていく。
「ああ、認める認めるよ。
俺はエリちゃんの事、絵も上手いし、女としても認めてるから早く服を着てくれって。」
「嬉しいな。
こっち向いて良いよ。
竜介はイラストレーターとしての私に自信を持たせてくれた。
女としての私にも自信を持たせて。」
「おいおい、それって…。」
私は竜介自身を力を入れてぎゅっと抱きしめた。
「これ以上言わせる気?
それとも言わせて楽しんでるの?
だから竜介の小説は恋愛表現が下手だって言われてるのよ。」
私はそっと自分の唇と竜介の唇を合わせた。
その日、エリの部屋からはとても楽しそうな男女の声が一日中響き渡ったそうな。
めでたしめでたし。
最後までありがとうございました。
この先の2人の活躍は皆様の心の中でご想像下さい。
読んで頂けた事に心から感謝いたします。
ありがとうございます。