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忘れられた者  作者: 星がキタロウ
8/22

考える者

夢美と別れた後は、まっすぐ家に帰ることにした。

山を降りると、数時間前に投げ捨て、倒した自転車やかばんがある。

本当に馬鹿だったと思う。

草の上に捨てられている俺の荷物は、まるで駄々をこねて道端で泣く子供の姿を変えたようなものだった。

自転車に乗りこぎ始めようとすると、俺のスマホの電話が鳴った。

かばんからスマホを取り出して見ると、くるみからだった。

電話に出ても良かったのだが、直接会って話したいということや、電話に今出て、思いを伝えられそうにもなかったため電話には出なかった。

しかし、電話が切れた後スマホには、くるみや篤、春花などのみんなが電話をかけてきていた。

その中でもくるみの数だけは異常なぐらいに多く、今日だけで30件近くの電話をかけていた。

俺はくるみにメールを打つことにした。

メールの内容についてはなかなか思いつかず、気づけば家についていた。


俺は家に帰り着くと風呂の湯を真っ先に沸かす。

コンビ二に行こうかとも思ったがどうも行く気になれなかったので、毎朝食べているパンで我慢することにした。

パンを食べ終わり風呂を見てみるとちょうどたまったところだったので、すかさず入る。

風呂につかる。

今日はいろいろなことをやってしまった。

改めて考えると何故あんなことをしてしまったのか、自分のおろかさに心が痛くなる。

いつ謝るか、どう謝ろうか、そんな事を考えていると切りがなかった。

とりあえずまずは行動を起こす事にした。

風呂を出ると早速スマホでくるみにメールを打とうとする。

今日は話さないようにすることや明日一番に謝ることを考えてメールの内容は「明日話したいことがある。6時に学校に来てもらえるか」というものだった。

一見告白でもするのではないかという文ではないかとも思われるが、今日のことからくるみはそんな勘違いはしないだろうと思い送信ボタンを押した。

数分後、俺のスマホの着信音が鳴った。

スマホにはくるみからのメールと書いてあった。

冷汗が出る。

一呼吸おき、震えながら今届いたくるみのメールを開く。

くるみからは「分かった」という文ではなく単語が届いた。

その言葉を見た俺はひとまずまだ安心は出来ないが少し心が落ち着いた。

もしこれで「無理、嫌、きもい、話しかけんな」などと批判的な言葉を送られたら俺はもう二度と立ち直れなかっただろう。

俺はそのメールを見るともう寝ることにした。

これでもし寝坊なんてしたら話にもならない。

俺は布団を敷き電気を消し、横になった。

しかし、いややはりと言っていいだろう緊張や考え事の末眠ることができなかった。

仕方なく目を瞑りながらどう誤るかについて考えた。

さすがにごめんだけで済ませるのはどうかと思ったからだ。

だがそれでも、考える内容はすべて夢から覚めたときのように消えていった。

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