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忘れられた者  作者: 星がキタロウ
6/22

繰り返す者(編集、終1)

焼肉店で入学祝いをみんなでした俺たち、運が良すぎてなにかとんでもない災いが降りかかるのではないかとまで思ってしまう。

そして今日から課題テストが初まる。

家に帰るが、俺の体はまだ興奮していた。

それと同時にかなり疲れていた。

明日は、土曜学校は休み。

そして部活のほうも、1年は今月4月だけは、学校がある日には部活があるが、2,3年よりも早い6時に帰る。

そして、土日には部活が休みになっている。

そういうわけで明日は、何もなく休みである。特にやることもなく暇なので部活に参加したいのだが、なぜかそれが鉄則のようになっているらしいので仕方なく部活へはいけない。

俺は布団の上で大の字になる。

疲れていたことあったため今日はそのまま、電気を消さずにつけたまま寝てしまった。


布団の熱で体の温度が上昇し蒸し暑い、窓からの日光が眩しい。そのせいで起きてしまった。

布団の上に座る。意識がまだはっきりしない。頭がボーっとする。

あまり寝ていないのではないのかと、時間を見る。

だが既に昼の12時だった。

足りないどころか寝すぎていた。

布団から立ち上がり背伸びをする。

ご飯を食べたかったが、買いに行かなければ食べることはできない。

携帯と財布を持ってとりあえず外へ出る。

いつも通りのコンビニに行き、昼御飯を買った。

そのまま家に帰る。

特に何か面白いこともなく、家で昼御飯を食べていると、はじめて音を聴いたのではないかと耳にピンポーンとうるさい音が広がる。

そして、郵便でーすという声の太い男の声が聞こえた。

俺は、はーいと答え玄関に行く。

玄関へ行くと40代前後の郵便配達員が、箱を持って家の前に立っていた。

俺宛に郵便物が届くとは珍しいと思いながらあて先を見てみると自分だった。

そういえば昨日頼んだなと思い出す。

配達員にボールペンを借り名前を書き宅配物を貰いドアを閉めた。

部屋に戻り早速ダンボールを開ける。カッターやハサミすらなかったので仕方なく手で強引にこじ開けた。

中には昨日買ったばかりの服があった。

その中には当然、夢美のために買ったあの服もある。

今日はこれからの予定はなく天気も良好、来週になれば老婆を病院に連れて行くため一度会う予定があるが、その前にも一度夢美の機嫌を直してもらうためにも会っておきたかった。

そうなると、今はもう午後3時。

急いでいかなければまた夕暮れに訪れることになる。

それを避ける為にバックに服を丁寧に入れてすぐに家を出た。


30分後ようやく夢美の家に着くことができた。

家の周りを探していると、ちょうど木の実などが詰まったかごを背負いながら夢美が帰ってきた。

「あれ、あんた。いや変態どうしたの」

「今言いなおす必要あったか。まあいいや、別に用は特にないんだけど、はいこれ」と夢美からのあだ名をなかったようにし、バックから服が入っている袋を取り出して渡す。

「いきなりどういう風の吹き回し」やはり、警戒されていた。

それもそのはずだ。

いきなり何もないのに紙袋を渡されたらそうなるであろう。しかし、その中の服を渡したい。それだけなのだ。

「それお前にやるよ」夢美は袋の中を確認して取り出した。

「どうしてあなたが女物の服を持っているのよ」

「間違って買ってしまったからだ」

「それでもなんで私に」服を広げながら夢美は言う。

「一番この服が似合いそうなのが君だったから」

「あんた、また変な事考えているでしょ。この変態」

夢美はいつも一言が多い。素直にありがとうと受けとればいいものを。

「いやならいいんだぞ」

「あんたが持っていても意味無いから貰っておくわよ」と言った。

言葉的には嫌そうに言っているが、顔や態度を見てみるとうれしそうにしていた。

結果的にいうと、成功と言うべきか。

しかし、その日俺はそれ以外に用はなくもちろん夢美も俺にようがあるわけではないためそのまま家に帰った。


日は経ち月曜日。

今日から初めてのテスト、課題テストがある。

初日は国語と英語、二日目は数学の計三教科のテストである。

この土日の間に勉強をして今は準備万端だ。と言いたいところだが、正直、宿題以外には勉強と言うものをやっていなかった。

宿題のほうも最初のほうはまじめにやっていたが、後になるにつれてほとんど答えの丸写しが始まっており、回答全てに丸がついた。

今回のテストと言うものは、入学前の合格発表のときから分かっていた。

しかし、高校合格した俺は、浮かれていた。そして、勉強と言うものを甘く見るようになっていた。そのため入学時から今まで真面目に勉強したことはまだ一度もなかった。

だが、自身はあった。

高校もなんとか受かったのだ。

テストもできるだろうと思っていた。

そんなで、テストはあっけなく終わり、2週間後。

教師たちは、学校生活が始まったばかりにもかかわらずやる気はあまりないように感じた。しかし、仕方の無いことでもあった。

それは、教師が仕事をやる中でいやなことナンバーワンかツーには入るテストの採点であり、今日の帰りの教師が話す時間に帰ってきたからだった。

ちなみに俺の成績とは、と言うと100点満点中、国語37点、数学43点、英語30点だった。

素直に俺は衝撃を受けていた。

本気でヤバいそう思っていた。

そして俺は学級や学年の平均点が知りたくなった。

もしかしたら今回のテストは難しく作られていたかもしれない。そう思った。

そう思いたかった。

そうであってほしいと願った。

すると、どこからともなく声が聞こえた。

篤と先生の会話だった。

「先生、今回のテスト平均点はいくらですか」と聞くと、

「ああ、そうだった」と答え教卓から緑色のファイルを持ち白いチョークで黒板にあまり興味のなさそうな顔をしながら、クラスと学年の国語、数学、英語、総合の平均点を書いた。

「みんな、いったん席に着け」といい生徒を席に着かせると話し始めた。

「え~今回のテストだが黒板に書いてあるようにクラスでは国語68点、数学80点、英語75点、学年では、国語75点、数学83点、英語70点、総合ではクラス215点、学年226点だった。これはあくまで中学生までのお前らの実力だ。高校の勉強はまるで違う。できたやつはそうの調子でがんばり、できなかったやつは自分の勉強態度を見直して頑張るように。以上」と短めに挨拶をする。

そして、いつも通り春花が

「起立、さようなら」と言い皆の全くと言っていいほどやる気の感じない

「さようなら」という挨拶を聞いて学校が終わった。

するとすぐに俺はくるみたちに集められた。

「それじゃあ、見せ合いっこしよう」みんなはテストを取り出した。

「それじゃあ、いっせいの~で、でいくよ」とくるみが言った。点数を見せるなんて恥さらしになる。

避けたかった。

「なあ、こんなことやらなくていいんじゃないか」

「え~、見せ合いっこ楽しいじゃん。それにもう終わっていることだし」何を言っても無駄そうだった。

俺は仕方なく同意した。

「それじゃあいくよいっせいの~で」と言い、俺たちはテストの点や学年順位が書いてあるいわゆる成績表を出した。

~~~~~~~~~~~~~

俺たちは放課後のいつもの校舎の裏で盛り上がっていた。ただひとり俺を除いて。

「あ~またハルに負けた」と言い、くるみが悔しがっていた。

春花は、総合で286点そのうち英語は100点であった。

化け物ではないのかとも思った。

しかし、それに遅れをとらず、くるみのほうも総合273点、数学が100点だった。

春花は、なんとなくできる雰囲気をかもし出し、当たり前のように思えたが、くるみの頭がいいのは、俺の中では意外だった。

そのほか結月は237点、康生が245点と平均点より少し高かった。ここまで聞いていると、ここにいるグループは、優秀のように思えるが、それは女子と康生だけだった。

「あんた、本当に大丈夫。頭に何つめているの。もっとしっ〜〜〜〜」と結月が、大輔を説教していた。

点数を見てみると、国語18点、数学9点、英語15点だった。俺も言える義理ではないが、ひどかった。

結月が説教をしていると、くるみがこちらに顔を向けてきた。「それにしても意外だったなあ、篤はともかくとして」

「おい、しれっと俺をdisらないでくれ」

「まさか、ヒカルンがねえ」意外そうな顔をしてこちらを向いている。

「ヒカルンもしかして、この春、遊び呆けてた~」くるみが俺の図星をつく。そこで俺のここまで溜め込んできた何かが切れるのを感じた。

そして、言い返せないのになぜか声が出てしまう。

「頭の良いお前に俺の気持ちが分かるか」そう怒鳴り俺は自分のテスト成績表を雑につかみバックを持って出て行った。

こんなことで怒鳴るなんて馬鹿だと思った。

器の小さいやつだと思った。

もうこの中には戻れないと思った。

「あっ、ヒカルン...」俺は部活をサボり、自転車に乗って学校を出て行った。

かばんの中にあるスマホが鳴っている。

鳴り止まない。

しかし、俺は出ない。

出ることが俺にはもう出来なかった。

4年前の出来事が頭の中に浮かんでくる。


4年前、俺は転校したということもあり、友達は居なかったが、それでも転校当時には俺に話しかけてくるものは何人かいた。

しかし、俺は話しかけられてもどう返していいかわからず、あまり会話が弾まなかったり、今回のように相手には何の責任がなくても相手に八つ当たりをしていた。

その為、一ヶ月が経った頃には俺は独りになっていた。

そして、不登校となった。


このまま家に帰るのも、自分の心を内側に閉ざし、また不登校になりそうだったので俺は、自分の逃げられる場所、山を登った。

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