閑話~「緑色の大魔王」
「・・というわけで、世界は平和になったのじゃ」
「すごーい!緑色の大魔王は、それで死んだの?」
「死の直前に卵を生んだそうじゃ。その卵から、新たな大魔王が生まれたと言われておるのう」
「えぇー?じゃあ、まだ世界は平和になってないじゃん!」
「まあ、物語じゃからのう。続きを書かないと売れないから、魔王が死んだ、では終わらせられんのじゃろう」
「うわー、おばあちゃんが急にリアリティ溢れる夢のないこと言い出した」
「ほっほっほ。じゃが、もし、緑色の大魔王が現れたらどうするんじゃ?」
「そりゃあ…退治しなきゃ」
「勇者さまでも、命と引き換えに封印したと言われておるのにか?」
「だって封印じゃ、出てきちゃうでしょ?それに死ぬのは怖いもん」
「そうじゃなあ。死ぬのは怖いなあ」
「だから倒すよ!緑色の大魔王め!」
「緑色の大魔王も大変じゃ、未来の勇者に狙われてしまってはの」
「そのために強くなるんだ!」
「うんうん。まずは、この町を守れるくらい強くならなきゃいかんのう」
「じゃあ、まずは門番になる!」
「そうじゃな。まずは町を守るところからじゃ。大きなものを守るには、まず小さなところからじゃ」
「がんばるぞー!」
10年後、門番となった少年は物語を忘れてしまっていたが、心の奥底に眠る恐怖だけは忘れていなかった。緑色の大魔王という恐怖を。
「魔王じゃねぇし!」
どうでもいい、ただの閑話ですw
次回更新はちゃんと18時からです!