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廃屋敷の少女  作者: なるる
2/3

放課後

「おい、起きろ。おい、裕太」


僕を、呼ぶ声が聞こえる。あれ?僕は屋敷に入って…


「裕太!」


ガバッっと、僕は机から体を起こす。目に入ってきたのは夕日に照らせれる教室と。僕の幼馴染み達。達也と千里だった。


「裕太君いつまで寝てるの?もう放課後だよ?」


千里が僕に微笑みかける。横で達也がニヤニヤして言う。


「お昼食べてからだよな。午後の授業ずっと裕太寝てたんだぜ。」


「気づいてたなら、起こしてよ。」


「あんまりにも気持ちよさそうだったから。な?」


達也は横にいる千里と一緒に笑った。


「もう。二人ともひどいなー。」


「千里なんて裕太のねが…


「あー!あー!達也君黙って!それ以上言っちゃダメ!」


二人がじゃれ合っている。僕たちは小さい頃から三人で一緒だった。結局高校のクラスまで同じ。いつも三人でじゃれ合って、笑っていた。三人でいる時が僕にとってはとっても楽しい。


僕がにこやかに二人がじゃれ合っているのを見ていると、二人がこっちを見て首をかしげた。


「どうした?裕太?」


僕は微笑んで言った。


「二人とももう帰ろ?遅くなっちゃうよ?」


二人は顔を見合わせた後笑いながらこっちを見て、


「「お前(裕太君が)言うな!」」


二人に突っ込まれてしまった。





帰り道、僕は二人に今日見た夢について話した。


「今日夢の中で達也と裏山に肝試しに行ったんだよ。」


二人は驚いた顔をしてこっちを見る。


「え?裕太覚えてないのか?」


「あれだよね?達也君と裕太君二人で裏山に行っちゃって、達也君だけないてか行ってきた。小学校のときの。」


「えっ、覚えてないよ…夢じゃなくて…?というか、達也だけ帰ってきたの?」


なんとなく不気味だった。二人によると、その日僕は急にいなくなってしまい、一日中見つからなくて大変なことになったそうだが、次の日の朝。何事もなかったかのように家に帰ってきたらしい…


「…えっ…そのときの裕太も何にも覚えてないって言って気がする。忘れちゃってたのか。あのときは俺本当に後悔したんだぜ。あんなとこ行かなければ良かったってな。」


「私もずっと不安で待ってて。達也君だけ帰ってきて。泣いてて。裕太君いなくなったって聞いて、私も泣けてきちゃって…」


結構な大事だったらしい。全く覚えてない…夢の続きを見ることができたら何があったのか分かるのだろうか…


「まぁ、裕太。忘れてたならそれでいいだろ。思い出しても楽しい記憶じゃないしさ!そういうことで、じゃあ。また明日な。」


気づいたら家の前まで来ていた。達也の言う通り考えるだけ無駄かもしれない。僕はまた忘れることにした。


「じゃあね。裕太君、達也君。また明日ね。」


三人は隣同士の家だ。三人とも僕の家のまで別れて僕たちはそれぞれの家に帰った。

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