放課後
「おい、起きろ。おい、裕太」
僕を、呼ぶ声が聞こえる。あれ?僕は屋敷に入って…
「裕太!」
ガバッっと、僕は机から体を起こす。目に入ってきたのは夕日に照らせれる教室と。僕の幼馴染み達。達也と千里だった。
「裕太君いつまで寝てるの?もう放課後だよ?」
千里が僕に微笑みかける。横で達也がニヤニヤして言う。
「お昼食べてからだよな。午後の授業ずっと裕太寝てたんだぜ。」
「気づいてたなら、起こしてよ。」
「あんまりにも気持ちよさそうだったから。な?」
達也は横にいる千里と一緒に笑った。
「もう。二人ともひどいなー。」
「千里なんて裕太のねが…
「あー!あー!達也君黙って!それ以上言っちゃダメ!」
二人がじゃれ合っている。僕たちは小さい頃から三人で一緒だった。結局高校のクラスまで同じ。いつも三人でじゃれ合って、笑っていた。三人でいる時が僕にとってはとっても楽しい。
僕がにこやかに二人がじゃれ合っているのを見ていると、二人がこっちを見て首をかしげた。
「どうした?裕太?」
僕は微笑んで言った。
「二人とももう帰ろ?遅くなっちゃうよ?」
二人は顔を見合わせた後笑いながらこっちを見て、
「「お前(裕太君が)言うな!」」
二人に突っ込まれてしまった。
帰り道、僕は二人に今日見た夢について話した。
「今日夢の中で達也と裏山に肝試しに行ったんだよ。」
二人は驚いた顔をしてこっちを見る。
「え?裕太覚えてないのか?」
「あれだよね?達也君と裕太君二人で裏山に行っちゃって、達也君だけないてか行ってきた。小学校のときの。」
「えっ、覚えてないよ…夢じゃなくて…?というか、達也だけ帰ってきたの?」
なんとなく不気味だった。二人によると、その日僕は急にいなくなってしまい、一日中見つからなくて大変なことになったそうだが、次の日の朝。何事もなかったかのように家に帰ってきたらしい…
「…えっ…そのときの裕太も何にも覚えてないって言って気がする。忘れちゃってたのか。あのときは俺本当に後悔したんだぜ。あんなとこ行かなければ良かったってな。」
「私もずっと不安で待ってて。達也君だけ帰ってきて。泣いてて。裕太君いなくなったって聞いて、私も泣けてきちゃって…」
結構な大事だったらしい。全く覚えてない…夢の続きを見ることができたら何があったのか分かるのだろうか…
「まぁ、裕太。忘れてたならそれでいいだろ。思い出しても楽しい記憶じゃないしさ!そういうことで、じゃあ。また明日な。」
気づいたら家の前まで来ていた。達也の言う通り考えるだけ無駄かもしれない。僕はまた忘れることにした。
「じゃあね。裕太君、達也君。また明日ね。」
三人は隣同士の家だ。三人とも僕の家のまで別れて僕たちはそれぞれの家に帰った。