第24話 王太子、最後の抵抗「改革か、私の愛か」
王太子の八時間体験から三日後。
王城の謁見室に、再び緊張が漂っていた。
国王レオノール三世の玉座前。
王太子アレクシス、私、聖女リアナ、父上、そして第二王子ユリアンが顔を揃える。
ユリアンは静かに微笑んでいるが、その目は鋭い。
(ついに……王太子vs第二王子の直接対決ですわ)
***
**国王陛下の最終通告**
陛下が、重々しく口を開く。
「王太子アレクシス。王都ホワイト試験区の体験は、どうだった?」
アレクシスが、一瞬言葉に詰まる。
だが、すぐに顔を上げ、声を張る。
「父上。あの作業は単純すぎました!
真の国家運営は、十六時間の献身があってこそ──」
陛下が手を上げる。
「体験記録は見ている。六時間で手が止まり、八時間で突っ伏したな。」
広間にどよめき。
アレクシスの顔が赤くなる。
***
**第二王子ユリアンの参戦**
ユリアンが、静かに立ち上がる。
「父上、王兄。改革の成果は数字で明らかです。
すでに王都市民の七割が『八時間制支持』。
連合六領も、試験区モデルを導入決定しました。」
父上が頷く。
「GDP寄与率、王太子直轄を抜いております。」
アレクシスが声を荒げる。
「数字など! 愛国心のない改革が、国を滅ぼす!」
ユリアンが冷静に。
「王兄。愛国心は結果で示すべきです。
八時間で成果を出す方が、真の愛国心では?」
***
**王太子の「愛国最終防衛線」**
アレクシスが、私を指差す。
「リリアベルタ! お前の改革がなければ、
王国はこんな混乱に陥らなかった!
婚約者として、我が元に帰れ!」
広間がざわつく。
私は静かに微笑む。
「王太子殿下。私は、すでに婚約破棄の意志を固めておりますわ。
ブラック上司とは、お付き合いいたしません。」
笑いが起きる。
アレクシスの顔が真っ赤に。
「この不忠者め! 公爵家ごと直轄に編入してやる!」
***
**数字の最終処刑──連合の経済力**
父上が、一枚の羊皮紙を広げる。
「殿下。連合六領の経済力です。」
・エルウィン連合:GDP王国一割七
・王太子直轄:一割二(減少中)
・試験区効果:全国展開でGDP二割増予測
「物資供給停止すれば、王都は三ヶ月で飢饉です。」
アレクシスが青ざめる。
「脅しか、公爵!」
「現実です。」
リアナが一歩進み出る。
「殿下。王都官僚八割が八時間制希望です。
愛国心は、倒れない働き方で示せます。」
***
**国王陛下の最終判断**
陛下が立ち上がる。
「決めた。王都ホワイト試験区を**王国標準**と定め、
全国主要都市で八時間制を試験導入せよ。」
アレクシスが叫ぶ。
「父上! 私が王太子ですぞ!」
「王太子たるもの、民を壊さず豊かにせねばならん。
お前の十六時間制は、国を蝕む毒だ。」
ユリアンが静かに補足。
「王兄。改革に協力すれば、王太子の地位は保たれます。
抵抗すれば……後継問題になります。」
***
**王太子の崩壊──「愛」の敗北**
アレクシスが膝をつく。
「私の……愛国心が……」
私は一歩近づき、静かに言う。
「殿下。愛国心は素晴らしいですわ。
ただ、働き方が違います。
八時間で倍の愛国心を示せるのに、なぜ十六時間で疲弊を選ぶのですか?」
アレクシスの肩が震える。
初めて、王太子の目に涙が浮かんだ。
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【王太子アレクシス】
権威:28%→7%
改革受容確率:68%
王太子失脚リスク:92%
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***
**勝利の後──婚約破棄の書状**
謁見終了後。
控室で、父上が羊皮紙を渡す。
「国王陛下の認可付き。
『リリアベルタと王太子アレクシスの婚約破棄を許可する』。」
私は深呼吸し、書状にサイン。
「これで……【戦力外通告】完了ですわ。」
リアナが拍手。
「本当におめでとうございます!」
ユリアンが微笑む。
「これで、王国ホワイト化の道が開けましたね。」
***
**王太子宮殿の夜──覚悟の瞬間**
王太子宮殿。
アレクシスは一人、窓辺に立つ。
側近が恐る恐る。
「殿下……改革協力の書を?」
長い沈黙の後、アレクシスが頷く。
「……民を壊さぬ統治を、試してみるか。」
初めて、王太子の声に迷いが消えていた。
窓の外では、王都ホワイト試験区の灯りが、
王国全体を照らすように瞬いていた。
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**エピローグ──アーク2完結**
執務室で、私はステータスを確認。
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【王国ホワイト改革】
全国試験導入:決定
王太子改革協力:開始
連合GDP比:1位
次アーク:王国完全ホワイト化編
```
(王太子殿下。
ブラック上司から、改革仲間へようこそ)
水路のせせらぎを思い出しながら、
私は次の戦いへ目を向けた。
(第24話 完/第2章「王都ブラック攻防編」完)




