第11話 王太子宮務院使者、現場視察で改革の実態に唖然
貴族連合視察から二日後。
連合六領主からの正式回答を待つ中、
領主館門前に王太子宮務院の黒塗り馬車が到着した。
鷲鼻の貴族官僚、王太子宮務院次長ドミニク・ヴァルデックが降り立つ。
「リリアベルタ領主殿。王太子殿下直々の『協議』使者だ。
直轄化凍結条件を確認するため、改革の全貌を開示せよ。」
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【ドミニク・ヴァルデック】
忠誠:王太子95% 目的:改革破壊工作
政治力:B 隠しステ:不利報告回避中
```
エドガー殿が小声で囁く。
「宮務院の工作屋です…ご注意を。」
***
**執務室・開示書攻防**
私が微笑んで羊皮紙を差し出す。
「改革全手法をまとめました。ご確認くださいませ。」
```
【リリアベルタ改革開示書】
①八時間労働+工程最適化
②成果連動ボーナス制
③時短勤務+父母支援
④帳簿統一フォーマット
⑤【重要】リリアベルタ名義発表必須
※王太子名義使用時、使用料請求
```
次長が鼻で笑う。
「八時間労働だと? 職人の怠惰を助長するだけだ。 証拠がなければ、直轄化は凍結解除だ。」
私が静かに返す。
「証拠は現場にございますわ。ご視察なさいます?」
「ふん、見せ物か。ならば行くまでだ。」
***
**伐採場視察・職人ヒアリング**
まず林業職人たちの伐採場へ。
次長が作業風景を観察し、職人代表に問う。
「本当に八時間でこれだけの進捗なのか?」
職人代表が胸を張る。
「従来十六時間残業では疲れてミスばかりでした。
長時間労働がなくなり心に余裕ができたおかげで、
領主様の『伐採順序最適化』を実践。
無駄移動三割減で効率一気に上がりました!」
次長が顔をしかめる。
「職人の戯言だな。」
***
**織物工房視察・織女ヒアリング**
次に織物工房。
次長が織女代表に鋭く問う。
「離職率改善の根拠は?」
織女が誇らしげに答える。
「育児で辞めていた織女が、**六時間時短勤務+祖父母支援手当**で復帰。
心に余裕ができ、染色工程を見直して不良品半減しました!
一日八時間で従来の倍近い生地ができます!」
次長が苛立つ。
「都合の良い話ばかりだ…」
***
**牧場視察・搾乳士ヒアリング**
最後に牧場へ。
搾乳士が生き生きと説明。
「長時間疲労がなくなり集中力アップ!
領主様の『搾乳順序最適化』で牛のストレスが減り、
乳量一割増えました。八時間で従来一・八倍です!」
次長の顔が青ざめる。
「現場の証言ばかりで、帳簿の数字は…?」
私が微笑む。
「帳簿は統一フォーマットで改竄不可能ですわ。
三日間の貴族視察でも、全員『検討中』と高評価でした。」
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**連合六領主の正式参加表明**
次長が言葉に詰まる中、門前から馬車音が連続する。
連合六領主の使者が次々と到着したのだ。
**ハルトマン伯爵使者**
「改革導入決定! ホワイト貴族連合正式参加します!」
**ソフィア女侯爵直筆書状**
「織物領ソフィア、連合正式加盟を宣言。絹供給を約束します。」
**バルドウィン侯爵使者**
「牧畜改革成功! 連合正式参加、牛乳供給開始します!」
次長が絶句。
「六…六領主が一斉に!?」
私が穏やかに告げる。
「父上の布石と領民の実績ですわ。開示書第五条、
『リリアベルタ名義発表』を忘れませんように。」
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**国王陛下視察決定**
混乱の中、金色の王家紋章馬車が到着。
国王陛下直属伝令使だ。
「エルウィン領主リリアベルタ殿へ。
国王陛下直々の『領地視察』を決定いたしました。 国王陛下が三日後にご本人がこの領地へお越しになります!」
ドミニク次長、完全に戦意喪失。
「このような事態になるとは…報告書をどう…」
エドガー殿が追い打ち。
「宮務院の『誇張偽装疑惑』も、国王陛下視察で晴れますね。」
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**夜・完全勝利**
広場では領民三百名が歓喜の声を上げる。
松明の炎が夜空を染める祝いの席で、
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【エルウィン辺境領】
忠誠心:82%→89% 貴族連合:6領主正式参加
直轄化阻止確率:96%→99%
国王陛下視察決定:改革派完全勝利
```
父上が豪快に笑う。
「陳情団→貴族連合→国王視察の三連撃だ!
王太子の直轄化は夢のまた夢になったぞ!」
私が領民に杯を掲げる。
「皆さんの笑顔が、王国を変えますわ!」
(第11話 完)




