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改訂版 伝説のうさぎ使いって何!?【カクヨム50万PV突破作品】  作者: 山親爺大将


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第90話 直立

「それで…今度はなに?」

「えっと…」

 なんだろう、この職員室で先生の前で怒られてる感。


 直立不動で報告してる感


「前回のダンジョンでクラスが進化しまして」

「…ちょっと待って…進化?本当に進化したの?」


「はい、進化って言われました」

 何故か怒られてる気分。

「そんなはず無いわ、貴方聞き間違えてない?」


「うーん、しんかって言われたんだよなぁ」


「あのね、進化はモンスターがするものなの、人間は進化しないのよ」


「え!」

 俺モンスターになった?

 自覚ないんだけど。


「ランクアップオーブを直接使ったんじゃなくて、代償にしたって事はオーブの効果じゃなくてダンジョン内で別の効果が発動してるはずなのよね」


「はぁ」

 あんまり分かってない。


「だから、ランクアップとは似て非なる事は起こってるはずなの」


「はぁ」

 それはなんとなく分かる。

 だってランクアップオーブ使えなかったもんな!


「実際新しいクラスになって、どんな事が出来るの?」

「えっと、何もできないかな…」


「何も変わった事無いの」

「あ、そうじゃなくてスキルは覚えたんですけど、条件が満たされてないって言われて使えなくて」


「どんなスキル?」

「フュージョンってスキルですね」


「聞いた事無いわね」

「あ、そうだ、テイムしたモンスターがユニーク化しました」


「…今なんて?」

「テイムしたモンスターがコロニーラビットってのだったんですけど、クラスの効果でオルタレーションラビットってユニークモンスターになりました」


「ごめなさい、色々受け入れきれて無い」

「え、モンスターが進化しただけですよね?今までと変わらないと思うんですけど」


「はぁぁぁぁ、良い?よく聞いて」

 すっごい思いっきりため息を吐かれた後に明らかに説教モードで語りかけてきた。

 やばいな、長くなりそうな予感。


「今までは、経験を積んだモンスターがレベルをカンストさせて進化するっていうルートだったわよね?

 これは特におかしな事では無いわ、もちろん進化先に見た事のないモンスターが居たっていうのは特殊な事よ。

 それでもまだ、事象としては許容範囲内なの、説明も出来るわ」


「はい」


「でもね、今貴方が言ってる事は今までの常識ではありえない事なの」


「え、でも麒麟が因幡の白兎になりましたよ、スマイルスライムもキングになったし」


「前者はダンジョンの効果、後者はダンジョン産のアイテム効果によってモンスターが再生成されているの、つまりダンジョンという特殊な環境でかろうじて許容される現象なのよ」


「えーっと、ダンジョンの不思議パワーのお陰だから、そういう事もあるって感じですか?」


「その認識であってるわ。

 でも、貴方が今言ってる事は一個人が持ってるクラスによりユニークモンスターが生成されたって事よ。

 レベルをカンストさせて進化させる行程をショートカットしたか、ダンジョンやそこで産出されたアイテムと同程度の力でモンスターを再生成したか、どちらにしても一人の人間としての許容範囲から逸脱しているわ」


「俺って、人間じゃなくなったんですか?」

「そこまでは言わないわ、貴方の新しいクラスはおそらくダンジョンのパワーに干渉出来るんだと思う、極力この事は知られないようにした方が良いわね」


「バレると何かまずい事あります?」

「貴方に命より、ダンジョンの研究の方が大切っていう研究家はそれなりの数いるし、そういう奴らは大体権力者の下に就いているわね」


「もしかして実験用のモルモットにされるかもしれないですか?」

「そうね、人類の発展のために犠牲になってくれって言い出すでしょうね」


「人類充分発展してるから、俺が犠牲にならなくても大丈夫!」

「そう思うなら、その能力は隠した方が良いわね」


「…そうします」

 見ず知らずの人類より、俺の生活のほうが大事。


「あ、そうだ!さっき言ってたフュージョンだけど、今使えないかどうか試してみて」

「あ、はい」

 …

 …

 …

 あれ、使える。


「あ、新しく仲間になった子とフュージョン出来ます」

「やっぱりね、貴方が干渉して進化させたモンスターとならフュージョン可能って事ね」


「それって他の子とは使えないって事ですか?」

「他の子も進化させられるはずよ、この子だけしか出来ないって事は無いと思う」


「じゃあ、みんな進化させちゃったほうが良いのかな?」

「個人的な感想だけど、全員これ以上進化先がないってところまで育て上げてからの方が良いと思うわ、その効果って、追加で一つ進化先増えるようなものだから」


「なるほど、じゃあそうします」

 とりあえず、職員室での説教みたいな雰囲気は解消させたので、このまま帰ることにした。




「クラスが進化?…しんか…神化!?…まさかね」

 彼女は通常の業務に戻った。

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