表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/78

第7話 ハグ

「戻りましたぁ」


「おかえりぃ!」

 そう言うとお姉さん机を回り込んでこっちに近づいてハグをした。


 ボッて音が聴こえるんじゃないかと思うくらい自分の顔が熱くなるのを自覚した。


 ブランド品くらい良いんじゃないだろうか?

 元々報奨金の事なんて知らなかったんだし。

 お姉さんに教えてもらわなかったら貰えなかったお金だし。


「またクラスチェンジの相談なんですが」


「やっぱり、ランク1のモンスターだからカンストするの早いね!」


 顔が近い、嬉…じゃなくて作業効率悪いよね。


 泣く泣…もとい、とっとと離れて元の場所に戻ってもらう。


「どっちが良いですか?」


「過去のデータが全然無いから、勘で選ぶしか無いわね」


「それと、ノバが覚えたハッピーバレルのスキルなんですけど、2回目が全然発動しないんですけど、どう思います?」


「うーん、ハッピーもアンハッピーもカンストした後にアナウンス来たんでしょ?

 レベル制限あるのかもね、他に何か気づいた事ない?」


「あ、そういえばスキルに横に数字つきました」


「そうなると、やっぱり発動のハードルが高くなっているんじゃ無いかなぁ?

 そういう感じのスキルって良くある制限はレベルかランクなのよね。

 とりあえずランク上げてレベル上げてみるくらいしか無いんだけど…」


「ノバ、ランク1のモンスターにしかなれないです」


「そうなのよねぇ、次の進化先出るのにかけるしか無いかな」


「とりあえず、進化させてもう一回レベルアップさせます」


「そうね、それで何か変わるかもしれないしね」


「後、もう一つ、俺のレベルも全然上がらないんですけど」


「当たり前じゃ無い、ウサギ系は経験値少ないし、あなたレベル10超えてるならランク1のモンスターから貰える経験値50%カットよ」


「そうなんですか!」


「もう、冊子に書いてあったじゃ無い。

 こんな質問他でしないでよね、私がちゃんと説明してないって思われるから」

 ちゃんと説明してもらってないんですけど…。

 いや、それは言うまい、いまさら講習とかも嫌だし。


「あ、はい」


「5階層まで降りれば同じホーンラビットでもレベルが上がってるから、少しは成長しやすいと思うけど、狩りすぎてボスモンスター出さないようにね」


「何匹くらいで出ますか?」


「うーん、はっきりしないけど100匹じゃ無いかなぁ、安全に行くなら50くらいでやめた方がいいよ」


「分かりました!とりあえず進化させるんでまた手続きお願いします!」


 ノバ レベル1

 アンラッキーラビット ランク1

 強さ 30 物理的攻撃力

 器用 31 命中率

 素早さ36 回避率、移動速度

 知性 30 魔法的攻撃力

 耐久力30 HP基準値

 賢さ 30 MP基準値

 HP 30

 MP 30

 スキル ラビットダッシュ

    体当たり

    身を守る

    ウィークポイント

    ハッピーバレル①

    アンハッピーバレル①

    積み上げる不幸


 安定の素早さ1点上がり

 もう慣れてきた。

 そして、新しいスキルだけど、なんか俺のターン!発動!とか言いそうな名前出てきたな。


「じゃあ、行ってきます!」

「いってらっしゃい!」


「…」

「…」


「…ダーリン」

「やだなぁ、もう」


 俺はルンルンでダンジョンに向かった。


 奥にある誰も座って無いはずの椅子が、キーッと音を立てながら動いた。

 そして、黒いシミのようなものが現れ、それが人の形になっていく。

 椅子には、ショートカットのでボーイッシュな女の子が椅子に座っていた。


「あの子なん?お姉ちゃんの言ってた子」


「そうよ」


「全然、強そうに見えんけど」


「今はね、でもね、絶対ボスはテイム出来ないっていうのが、この50年で証明された常識なの。

 常識が通用しない人は、常識では計り知れない成長をするかもしれないわ、可能性の話だけどね」


「ふーん、それで協会には報告せんと、ウチにお金出させたんや」


「そうよ、報奨金に釣られてくれたから、うまく誘導出来たわ。

 おそらくユニークモンスターに進化してるはずよ、あのウサギ」


「それはそれとして、そのバッグはいらんとちゃうの?」


「えー良いじゃん、いっぱい稼いでるんだからぁ」


「嫌やわーお姉ちゃんのそういうとこ、ほんまに嫌やわー」


「ほらほら、忙しいんでしょ!お仕事お仕事!」


「はぁ、もうあかんからね!勝手にバッグとか絶対あかんよ!」


「分かったから、いってらっしゃい!死神さん」


「死神ちゃうわ!恵比寿や!」

 そう言うと、黒いシミのようになって消えていった。


 それを見送ると、依頼書の処理を始めた。


 ユニーククラス“グリムリーパー保持者“ S級探索者『恵比寿』

 依頼内容『要人暗殺』


 その書類は、シュレッダーで細かく断裁された。


 1時間後

 ーダンジョン内ー


 よし!レベルカンストした!


 ハグして…じゃなくて進化の相談に戻ろ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ