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改訂版 伝説のうさぎ使いって何!?【カクヨム50万PV突破作品】  作者: 山親爺大将


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第110話 樹海

 ダンジョンの中は真っ黒な空間だった。

 最初は真っ暗なのかと思ったけど、割と遠くまで見通せる。


 ただ、いやらしい事に、真っ黒なダンジョンには透明な壁があった。

 ひたすら広い空間かと思うと壁にぶち当たるんだよね。


「ひどいトラップだ」

 透明な壁があちこちにあって、それを迂回するのに方向変えるとダンジョンの効果で方向感覚がくるう。


 ちょっと進んだだけなのに、もうどっちが入り口の方向だったか分からなくなってきた。


 そんな中、マジで白銀の勘だけを頼りにダンジョンを進んでいく。

「さてと、ここから二階だ。 モンスター出るから引き締めろよ」


 二階に降りると僅かに異臭が鼻につく。


「お、当たりだな。 コイツらそうとう近づかなきゃ襲って来ないから楽だぞ」


 ダンジョンの床に見づらいが水溜まりのような丸い穴が空いている。

『沼ミズチ』の穴だ。


 かなり強力なモンスターだけど近づかなきゃ積極的に襲ってきたりしない。

 このダンジョンの場合、床が全面真っ黒で、水溜りも黒いからどこにあるかめちゃくちゃ分かりづらいけどね!


 しばらく進んでいくと、他とは比べ物にならないくらい大きな水溜りがあった。


「蜃だな」

 別種のモンスターらしいけど、でっかいミズチという認識でほぼ間違っていない。


 恵ちゃんが目配せをしてくる。


 ゴクッという唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。


 ドンが取り巻きの一人に体当たりを仕掛けた。

「……」

 人間性が失われてるせいか、ひと言も声を出さずに沼のそばまで弾き飛ばされた。

 その瞬間『ザバァ』という水音ともに蜃が襲いかかってきた。


「お前なにを……」

 白銀が何か言う前に恵ちゃんが大鎌を召喚して首を刈りに動いていた。


「恵比寿か!」

 白銀の問いかけにも何も反応せず、無言で鎌を振り下ろす。


 刈った!

 と、思った瞬間取り巻きと白銀の位置が入れ替わっていた。


「お前を殺せば終わるんだろ?」

 入れ替わった相手は俺に一番近い相手だった。


 恵ちゃんを無視して俺を殺しにきてた。

 白銀の手刀が俺の腹に向かう。


「グボォ」

 内臓が破れる音と肺から空気が吐き出される声が聞こえる。


「お兄ちゃん!」

 聖女が思わず叫んだ。


「たかし!」

 たかしが俺の前に強引に割り込んで、自分の身体を盾にしてた。


 朱里ちゃんとピノが白銀を迎撃するが、その時にはすでに他の取り巻きと入れ替わっていた。


「何やってんだよバカ! ノバ! 巻き戻……」

「ダメっす…それ使っちゃ俺が盾になった意味ないっす……」


「どうしよう! 血が止まらない! 止まらないよう……」

 聖女の光莉ちゃんが必死に回復魔法をかけているが、白銀の一撃には何か特殊なスキルが乗っていたらしく、回復がうまく機能していない。


「あーくそ! お前が死んだら誰が俺とロボット談義するんだよ! ノバ!」

 俺はたかしに巻き戻しを使う。


「甘いなぁ、そんなんで俺を殺せるのか?」

 ニヤニヤしながら白銀がこっちを見てる。


「お前、薄々俺たちの目的勘付いていただろ」

「まぁな、殺気が漏れていたしな」


「どうして放置してたんだ?」

「育ててから喰った方がが喰いごたえがあるだろ?」

 完全に余裕をかましている。


『ゴトッ』

 と言う音が聞こえた。


「これで取り巻きとの入れ替わり出来へんで」

 最後の取り巻きの首が地面に落ちた音だ。

 会話で時間稼ぎっていう使い古された方法だけど、効果的だな。


「まさか、それで俺に勝てると思ってるわけじゃないねぇよな?」

 白銀のニヤニヤが止まらない。


「思っとるに決まってるわボケェ!」

 恵ちゃんが感情に任せて襲いかかった。


「ふん!」

 恵ちゃんの鎌を右手一本で受け止めた。

 その瞬間、白銀の右腕が光輝く。


「な、なんやそれは!」


「俺が白銀って呼ばれる理由知らなかったのか?

 実際に光るんだよ、白銀にな!

 無敵の後光ってスキルらしいぞ。

 名前はふざけているんだが、効果は抜群だ」


「その言い方だとお前のスキルじゃないのか?」


「俺の『換骨奪胎』ってスキルはな、他人のスキルを俺のものにするスキルでな、そういう意味じゃ今は俺のスキルだ」


「スキルを奪う為に人を殺してたのか?」

「あー違う違う、スキルを奪うと死んじまうんだよ。

 このスキル抵抗されると使えないからな、抵抗出来ないまで痛めつけてからスキル奪うとな、人でもモンスターでも耐えきれなくて死んじまうんだわ」


「そうか、抵抗したら奪われないんだな」


「時間稼ぎは終わりか?」

 バレてた。


「一応布陣は出来たと思うよ」


「じゃあヤルか、お前らのスキルをもらう時間だな」

「いや、白銀が世の中から消える時間だよ」

お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さるとありがたいです。


誤字報告いつも助けられてます。


イイねも作者のモチベーション維持になっております。


ありがとうございます。

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