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改訂版 伝説のうさぎ使いって何!?【カクヨム50万PV突破作品】  作者: 山親爺大将


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109/111

第109話 覚醒

 三日経った。

「帰って来ないんだけど!」

「やばいっすね」


「どうする?明後日までには帰りたいんだけど」

「明日まで待って帰って来なかったら、ここぶん投げて帰るっすか?」


「しょうがないよね、俺たちにも用事あるし、約束の日数はここに居たし」

「そうっすね、明日になったら帰るでいいんじゃないんすか?」


「よしそうしよう!」


「何が、よしそうしよう!なんだ?」


「うわぁ!ビックリした!ビックリした!ビックリした!」

 この人、気配が希薄過ぎるんだよ!


「すまんな、脅かすつもりじゃ無かったんだけどな」

「何をしてたんすか?」


「あー、なんだ、お前らの事調べてきた」

 頭をボリボリ掻きながら、さらっとヤバそうな事言ってきた。


「それで……何か分かりましたか?」

 出来るだけ気づかれないように臨戦態勢をとる。


「あー、そんなに警戒しなくて良いぞ、お前らが何したいのか、何のためにここに来たのかは大体分かった……」

 そこまで聞いた瞬間、俺はウサギを一斉に襲い掛からせた。


「だから、そんなに警戒するなって」

 襲いかかったはずにウサギたちがボトボトと勇者の足元に転がる。

 クークーと寝息が聞こえてくる。


 この人のスキル、地味にとんでもない。


「全部分かった上で、俺はどうでも良いと思ってる」

「どういう事ですか?」


「この世の中、生き残った奴が正しくて、潰された奴はそれまでって事よ」

「それは?干渉しないという事ですか?」


「ん?ちょっと違うかな、高みの見物を決め込むが勝ち目の無い戦いなんて、見てたってつまらんだろう?」

 そう言ってニヤって笑う。


「じゃあ、覚醒はしてくれるんですか?」

「じゃなきゃ、お前らに勝ち目なんてないんだろ?」

「……はい」

 なんだろう、勇者ってどこか人格が破綻してないとなれないのかな?


「ところで、たかしのユニークスキルってどんなのなんだ?」

「え!あ、うーん、内緒っす」

 なんだそりゃ。

 まぁ、良いけど。


 とにかく、俺たちは無事覚醒して戻って来れた。


 ー樹海ダンジョンー


 遂にSSSダンジョンに突入する日になった。

 時間は何も解決してくれないというのが俺たちの共通意見だ。


 一か八か隙を見つけた時に勝負をかける。

 だが何が隙になるか全く想像つかないので、この判断は俺と恵ちゃんに委ねられている。


「さて、入るぞ!中に入ると方向感覚狂うからな、視界で確認出来無くなった瞬間合流は不可能だと思えよ」


「はぐれた時はどうするんですか?」

「とにかく真っ直ぐ進め、そうしたら壁に当たるそうしたら壁に手をついて壁伝いに歩け、そうしたらその階層入り口か出口にあたる。

 後は運だな」


「ずっと壁伝いに移動しちゃダメなんですか?」


「モンスターと戦わない、宝箱も手に入らない、ただ下に行くだけなら問題ないがな、それじゃあダンジョン入る意味ねぇだろ?」


「あ、確かに」


「それに慣れてくればなんとなく方向把握出来るように成る」

「そうなんですか?」


「二回に一回間違うけどな!」

 ダメじゃん


 俺たちはダンジョンに向かった。

 おそらく、最初で最後の樹海ダンジョン。


 ダンジョンに入る時、思わず俺は唾を飲んだ。

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