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本尊に着目するタイプのJK

「ねぇ、本尊って打撃武器として最強だと思わない?」


「何言ってんの?」


「日本人って信心深いじゃない?」


「そうだね。無宗教のくせにいっちょ前に」


「そして神って最強よね」


「概念上はね。存在してるかは不明確だし、それを保証する神話が正しいとは限らないけど」


「この日本において、その信仰の場って神社で、核は本尊じゃない?」


「そうかもしれないね。でもそれと打撃武器との繋がりが分からないかな」


「んもう。つまり平将門程度の首塚、本尊で殴れば破壊できるんじゃないかってことよ!!!」


「………………は!?」


「これは使えるわ。次の短編は巫女対怨霊のガチバトル!! 武器は本尊。モノホンの神様で怨霊をぶん殴るの!!」


「なるほど????? 頑張って」


  将門は天皇ひいては神道に真っ向から刃向かっているので本尊程度でねじ伏せは無理筋なのでは? というコメントと共に短編は爆散した。


「ダメだったわ」


「そうだね。概念バトルは難しい」


「でも将門じゃなければ……」


「怨霊って神道の頂点が認定してるからそもそも無理な気も……」


「確かにそうかも。でも本尊って打撃武器として最強なのよ」


「確定してしまった」


「わかったわ。次は本尊でゴブリンを殴る作品にするわね」


「それは剣の方が効率がいいと思うな……」


「んもう! 私、諦めないから。いつか必ず本尊を標準装備にしてやるんだから!!」


「本尊を標準装備って…… って、もう切れてる」


 スマホに浮かぶ通話終了の文字。

 トーク画面には通話履歴だけが並んでいる。

 ルーム名は山道高校文芸部。

 こんな名前なのにメンバーは2人だけ。部活として認められてすらいない。

 僕と彼女だけの作業部屋。

 いつか世に出る作家になるため。

 ……そして。



 今日も明日も通話する。物語を紡ぐ。アイデアを吟味する。




「ごめん、僕のアイデアも聞いてくれない?」


 今日はまだ話し足りない。







★★★★☆

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