第4回 【絵本】葉っぱのフレディを考える
小生は、小説はもとより雑誌や絵本まで、様々なものに目を通して、自分に必要な情報を取り入れるようにしている。テレビ等の映像も目から入ってくる情報ではあるが、やはり活字は想像力を豊かにし、登場するキャストに感情移入しながら読み進めることができるという点で優れているのではないだろうか。
小説においては、そのジャンルによって得られるものが違う。推理小説などは、その場にいるような緊張感や、謎解きをすることによって一種のアハ体験ができる。最近流行りのファンタジー小説などでは、痛快感や爽快感、そして恋愛小説では、切なさやちょっとした息苦しさ、そしてその後におとずれるほっこりとした満足感などだろうか。
若者の活字離れが叫ばれる昨今ではあるが、スマホの普及でその流れに変化はあるのだろうか? メッセージアプリは活字で意思を伝えるものであるし、最近は電子書籍の普及で、スマホで本を読む人も増えている。必然的に紙媒体でいう書籍の数は減少していると思われるが、それでも月に数百タイトルもの書籍が市場に流通していく。
さて、今回はその中でも絵本の話を少しばかりしていこうと思う。絵本はもちろん子供向けに書かれているのだけれど、できれば大人に読んでもらいたいと思う。世間の波にのまれて純粋な心を忘れてしまったと感じる人には、特にオススメしたい。大人になって絵本に触れると、ハッとさせられることばかり。今回は「死」について書かれた作品を紹介したい。
今回は、レオ・バスカーリアの【葉っぱのフレディ ーいのちの旅ー】だ。
フレディは親友のダニエルから様々なことを教わっていく。そして終盤、ダニエルはフレディに
「いつかは死ぬさ。でも”いのち”は永遠に生きているのだよ」
と言う。フレディは自分が生きてきた一年を振り返り、その意味を考えるのだ。
「ねえダニエル。ぼくは生まれてきてよかったのだろうか」
と。最後、フレディは地面に降りてゆっくりと眠りについていくのだ。どうだ!グッとくるではないか。生きることと死ぬこと。これは永遠のテーマではあるけれど、「何のために生まれて、どう生きるべきなのか」を大人でさえ考えさせられる。これを「考える」ことを知った子どもたちに触れさせようとする作者の意図が素晴らしい。
小生もこのダニエルが言うように、やるべきことをやりきったと胸を張れる人生でありたいと思う。小生の場合、ずいぶんと横道に逸れている感は否めないが、まだまだ修正可能な範囲だと思う。たぶん……。