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散文集(エッセイ的なもの)  作者: 咲田涼人
10/26

第10回 百薬の長と言うなかれ

 春――。

 各地で桜が満開となり、お花見に出掛ける人の多さに「まだまだ日本も捨てたもんじゃない」という気持ちにさせられる。花見とは、春の訪れを寿ぐ日本古来の風習であるが、その形態は時代とともに変遷してきている。小生は古来の日本を生きてきたわけではないので、花を愛でて人々と宴に興じたことはないのだけれど、本来の『花見』というものを体験してみたいという気持ちは持っている。


 近年では、桜の花など一輪もない居酒屋で、たらふく定番のおつまみメニューを食し、ビールだハイボールだと、浴びるように飲み漁る、そんな飲み会を花見と言うらしい。これはあくまでも小生が知り得た情報であるから、『お前、それは違うぞ!』と否定される分には抵抗は無いし、個々の思いであるから必然と言えばそのとおりである。

 一昔前には、花見の時期ともなれば若手社員がブルーシートを抱えて、朝早くから場所取り戦争に向かったものだ。好位置を確保出来れば『仕事以外はなかなかやるな』と皮肉られ、失敗すれば『何をさせても使えないヤツだ』と罵られる。割の合わない役どころだ。


 さて形はどうあれ、花見にはアルコールが付き物で、一合升になみなみと注がれた日本酒に、ひとひらの桜の花弁なんて風情があっていいものだが、日本人が一年間に消費するアルコールの量は年々減少しているのをご存知だろうか? 近年はピーク時に比べて8割ほどの消費量になっているという。一人あたりに換算すると、月に6リットルほどになるという。一日だと200ml。こう聞くとそれほどの量ではないように思えるが、これには子どもの数も含まれているから実際にはもっと多いと思われる。缶ビール1本を毎日飲み続けるくらいか。小生は晩酌もしないし、平均以下であることは明らかだ。都道府県別に見ると、1位は東京。これは圧倒的な人口数によるもの。2位は鹿児島県らしい。芋焼酎の比率が高いということか。


 『酒は百薬の長』と言われる。仕事帰りに屋台のおでんをアテにちょっと一杯、この程度なら確かに薬と言えようが、やはり飲み過ぎは体に悪い。『徒然草』には「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」とある。

 国民の飲酒量が減れば税収も減る。そうなれば当然のように酒税率が上がり、商品単価も上がる。物価高騰の昨今、嗜好品とはいえ少し飲酒量を増やすことで消費は拡大し、物価高騰も抑制できる。一石二鳥ではないか!

 

 山菜が美味しい季節。今夜はタラの芽の天ぷらをアテに、焼酎でも味わってみるとするか。

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