表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロ距離カノジョと祓魔師への道  作者: 詩永あえし
第二章 『祓魔師』とカノジョ
60/77

26話

 シアさんは、銀の弾薬を生成した後、使用している銃についても、詳しく教えてくれた。


「こちらは、過去にイギリスで使用されていたリボルバーデス。装弾数は六発になりマス」


 僕達に見せるように、円卓の上に一丁の拳銃を置く。

 その形状は、全体的に丸みを帯びた印象を受けるものであった。


「なんだか思っていたよりも、小さくてカワイイね!」

「なるほど。これはなかなか趣のあるデザインだね。だが、今はもう使われていないのかい?」


 美鈴さんは、シアさんから許可を貰い、銃身を撫でたりしながら質問を投げかける。


「ハイ。ワタクシが生まれる前ニ、使用されていまシタ。今では生産されていないのデ、骨董品のような扱いになっていマス」

「そうなのか。しかし、どうしてこの銃を?」

「ワタクシが最初に生成する事が出来た弾薬ヲ、使用出来たのガ、こちらだったのデス」

「なるほど。形状も関係していたか。いやはや、日本にいると銃に触れる機会なんて無いからねぇ」


 美鈴さんは、シアさんの説明を聞いて納得する。


「あれ? そうなるともう一つの形をした方って、これじゃ撃てないよね? 他にも銃があるって事なのかな? シア?」


 佐久穂さんは、不思議そうな顔をしながら首を傾げる。

 すると、シアさんは微笑みながら口を開いた。


「そちらハ、ライフルと呼ばれていマス。リボルバーの物よりも精密射撃が可能デ、射程距離も優れていマス。"ケガレ"に対して距離を取れるので有効だと思ワレますネ。ただ、少々取り扱いが難しいのデスガ……」


 シアさんは困ったような笑みを見せるも、「それでもワタクシには、必要な力だと思いまス」と言ってくれた。

 自分の足元を見つめ、何かを持ち上げる仕草。円卓の上に、一つのケースが乗せられた。

 ゆっくりとシアさんが蓋を開けると、中には先程の銃よりも砲身が長く、木目が目立つライフルが入っていた。

 カノジョはそれを持ち上げると、美鈴さんに手渡す。美鈴さんは、慎重に受け取ると色々な方向から観察し始めた。

 佐久穂さんも気になったのか、美鈴さんの隣まで歩いて行くと彼女の肩越しに覗き込んでいる。


「へぇ~! なんかカッコいい形をしてるんだね!!」

「そうだねぇ。スラっとしていて綺麗な形をしていると思うよ」

「ハイ。ワタクシも初めて見た時は驚きまシタ。でも、とても美しいデス。特に、引き金の部分トカ」

「うん! 私もそこは好きかも。なんだろう……こう、上手く言えないんだけど、惹かれちゃうっていうかさ」


 美鈴さんから手渡されたライフルの木目部分を持ちながら、ポーズを取る佐久穂さん。

 カノジョはそのまま、クルリとその場で回転してみせると、楽しそうに言葉を続ける。

 なんというか、何をさせても、何を持たせても、様になるものだから感心してしまう。


(佐久穂さんのこういう所が羨ましいんだよなぁ)


 カノジョはきっと何も考えていない。だからこそ、自然体のまま振る舞えるのだ。

 それが、極まれに困る事もあるのだが、それ以上に尊敬できる点の方が圧倒的に多い。


「こうやって見ると、本当によく出来てるなって思うなっ!」

「危険を冒しているわけだしね。それだけに、やりがいもあるんじゃないかな」

「それもそっか。まだまだ知らない事が多いなぁ」

「焦る必要は無いさ。これからゆっくりと知っていく事も必要さ」


 佐久穂さんと美鈴さんが、笑顔を浮かべながら会話をしている。

 その様子は、傍から見ていても仲が良い姉妹のように思えた。

 シアさんに視線を向ければ、カノジョもまた二人の様子を優しい眼差しで見守っていた。


「射撃場があれバ、もっと色々とお見せできマスが……」

「いやいや、これだけの物が見れただけでも十分だよ。ありがとう」


 美鈴さんは、シアさんに礼を言うと、銃を元の場所に戻す。

 その後、カノジョの経験談からアドバイスを貰ったり、僕達の話を聞いてもらったりと、とても有意義な時間を過ごしたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ