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ゼロ距離カノジョと祓魔師への道  作者: 詩永あえし
第二章 『祓魔師』とカノジョ
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23話

「ほうほう。アオイは、シアの言葉がどーしても気になって仕方がなくて、美鈴叔母さんに相談をしたと?」


 登校中に再度、佐久穂さんへ先程の件について説明をしていくと、カノジョはニヤついた表情で見つめてくる。


「はい。どうしても、オタリーさんが発した言葉の意味を知りたくて」

「なーるほどねー。でも、アタシは、シアと友達になったから相談したくても出来ず、悩んでしまったと言う訳かー」

「その通りです。申し訳ありませんでした」

「別に怒ってるわけじゃないよ? ただ、それでも叔母さんより先に、相談してほしかったなーっていうのが、アタシの本音です! 嫉妬です! これでチャラにしよっ?」


 佐久穂さんは、僕の手を取りギュッと握りしめてきた。その温もりが嬉しくもあり、恥ずかしくもある。


「分かりました。では、この話は終わり……の前に一つだけ」

「ん? なになに?」

「本日の見回りが終わり次第、美鈴さんが仲介となって、僕とオタリーさんの交流を深めようとして下さるのですが、瑠衣も来ませんか? 来てくれますよね? むしろ来てください! お願いします!!」


 僕は必死の形相で懇願をする。


「えー、どうしようかなー?」

「お願いします! 僕も自分なりに頑張りますから!」

「しょうがないなー。シアの連絡先も知りたいし、アオイがそこまで言うなら行ってあげないこともないかにゃー?」

「本当ですか! ありがとうございます!」

「そのかわり、ちゃんとシアと仲良くなるんだよ?」

「はい! 任せてください!」

「お、おぅ……随分とやる気だね。シアが羨ましく感じる反面、ちょっと引くぜい……」

「えぇ!?」


 佐久穂さんが、僕のテンションの高さに引いている中、僕達は学園へ到着する。


 ――――――


 授業を終えてから、部室でミーティングを行い、見回りの準備を始める。

 壁に寄りかかりながら、こちらを見つめている東御先生の姿。

 先程まで、僕と佐久穂さんは、昨日の一件について東御先生に褒められまくっていたのだ。


「二人共よくやったぞ。話を聞いた限りでも、佐久穂は佐久穂らしく、立科は立科のやり方で、しっかりと任務を遂行した様だな。これからも、二人で協力して頑張っていく様に。イオは、引き続き二人のサポートを頼む。それぞれ足りない部分を補っていくんだ」

『はいっ!』

「うむ。良い返事だ。さて、それでは本日の見回りを始めよう。その後、オタリーと懇親会を行う予定だったか。遠い異国の地からやって来て下さったのだから、ご迷惑をかけぬようにな」

『はい』

「二人共、十分に気を付けるんだぞ」


 僕達は、学園を出て、予定されている場所へと向かう。

 今回は徒歩で向える場所という事もあり、僕と佐久穂さんは、並んで歩き、その後ろから首輪を付けられたイオがついてくる。


「それにしても暑いね。今日も最高気温が35°Cだってさ」

「どうりで。確かに暑くて汗が止まりません」

「まぁ、アタシ達の仕事は身体が資本だからさ、体調管理はしっかりしないとね。特に、夏バテとか」

「そうですね。瑠衣は、何か対策を練っているんですか?」

「特別変わった事はしてないよ? 水分補給の回数を増やしたくらい。昨日だってお風呂に……」


 そこで佐久穂さんの口が止まり、カノジョは、両手で顔を覆い隠し、俯き始める。


「……瑠衣。それ以上は言わなくても大丈夫ですよ」

「忘れてたのに、思い出しちゃった……」

「……僕も同じです」


 僕と佐久穂さんは、同時に溜息をつく。


「アタシのこと、アオイに全て聞かれちゃった……」

「その言い方をされると、誤解を生みかねませんよ」

「事実だしー、それでもアオイは、本当の事をアタシに打ち明けてくれたしー」

「それはそうなんですけど!」

「きっとアオイは、アタシの入浴姿を想像して、興奮しちゃったんだよねー?」

「瑠衣!?」

「にひひ。冗談だよー」


 佐久穂さんは、僕の反応を見て楽しんでいる様子だった。

 久しぶりにからかわれた気がするのは、気のせいではないだろう。

 そんな僕達を見て飽きれたのか、イオが大きく欠伸をしていた。

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