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ゼロ距離カノジョと祓魔師への道  作者: 詩永あえし
第二章 『祓魔師』とカノジョ
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16話

 僕は、佐久穂さんと合図を取った後、再び"穢れ"に攻撃を仕掛けた。

 カノジョが、"穢れ"の注意を引いている間に、僕は死角に入り込む。


「そこだっ!」


 掛け声と共に、再び僕は、"穢れ"に対して一撃を与える。

 怯んだか!? 僕がそう思うよりも先に、佐久穂さんが"穢れ"の顔面を切りつける。

 薙刀の刃が、"穢れ"の特徴的な赤い目を傷つけ、そこから黒い霧が噴き出す。


「流石です! 瑠衣!」

「にしし! アオイもナイス! これでどうだ!?」

「グオォォォァァァッ!」


 先程までとは打って変わり、苦しそうな表情を浮かべ始める"穢れ"は、距離間隔を失ったのか、その場から動かずに、暴れている。

 その隙に、僕は佐久穂さんの所まで移動し、二人で背中合わせに構える。


「アオイ。こんな時なんだけどさ……」

「どうしましたか? 瑠衣」

「なんかこの体勢ってアレっぽくてカッコイイよね?」

「アレってなんですか? 瑠衣」

「共闘してる的な? そんな感じ!」

「なるほど。でしたら僕達の前にいるイオも含めてあげないと、拗ねてますよ」

「あはは! 確かにそうだね。イオ~」

「ガウアッ」


 呼吸を落ち着かせると共に、佐久穂さんの少しばかり呑気な言葉に救われる。

 恐怖や不安といった感情は、和らぎつつあり、冷静に考える余裕が生まれていた。


「このまま追撃をするべきか、援軍が到着するまで時間を稼ぐか、迷うところですね」

「アイツの目って、回復すると思う? アオイ」

「可能性は高いかと。先程よりも落ち着いてきた様ですし、そう考えるのが妥当かと。どういった原理で再生をしているのかは分かりませんが」

「参ったねぇ。それだと、増援が来るのを待った方が良いかなぁ。正直、ちょっとキツイかもしんない」

「僕も同じ考えです。"穢れ"自身が作り出した結界に、救われる様な状況なのが、悔しいところですが」

「まっ! アタシ達以外に、被害者が出ないと思えば! ね?」

「ですね。前向きに捉えましょう、瑠衣」


 佐久穂さんと会話をしながら、僕は"穢れ"の動きを観察する。

 相手は、目の治療を終えたのか、睨みつける様に、こちらの様子を窺っている。


「時間を稼ぐにしても、ある程度、気を引き付けておかないと、何をするか分かんないよね?」

「そうですね……なら一撃離脱で仕掛けてみましょう。瑠衣のタイミングでお願いします。僕もサポートに回りますので」

「オッケー。んじゃ、第二ラウンド! 行っくよー!」


 カノジョの言葉を聞き、僕は、いつでも動けるように身構える。

 佐久穂さんは、深呼吸をした後、一歩前に出る。


「はあああっ!!」


 気合の入った声を出しながら、カノジョは薙刀を振り下ろす。

 それを防ごうと、"穢れ"は腕を交差させるが、勢いよく振り抜かれた薙刀の刃は、相手の腕に傷を付ける。

 振り払おうとする"穢れ"に対し、薙刀から手を離し、間髪入れず腹部に蹴りを放つ佐久穂さん。

 身体能力に関しては、カノジョに勝てる未来が見えない。


「奇襲ばかりですみませんね!」


 佐久穂さんの一撃により、怯んでいる"穢れ"の背後から、僕が力を込めた木刀で切りかかる。

 足元からは、イオが爪で攻撃を加える。


「グオオォオオッ」

「効いてる! けど、あと一押し足んない気がする! アオイ! 何か良い案ある!?」

「一つだけ! 直接、"穢れ"に触れて、力を注ぎこめば、もしかしたら!」

「おっけー! そっちは任せた!」

「はい! 瑠衣! 薙刀の代わりに僕の木刀を!」


 僕は、佐久穂さんに向けて、手にしていた木刀を放り投げる。

 カノジョは難なく受け取り、力強く握りしめた木刀は、僕の手から離れていても、白銀に輝いている。


「アオイが持っていなくても大丈夫なんだ! むふふ! なんかアタシまで力が沸いてくる感覚!」

「僕も初めて知りましたよ! 念の為、輝きが薄れてきたら、無理な使用は控えて下さい!」

「りょーかい! とーみセンセーに散々しごかれたアタシにかかれば、木刀だろうと問題ナシ!」

「イオ! ちょっと無理するけど、手伝って!」

「ガウッ!」


 "穢れ"から放たれる一撃は、地面をえぐる程の威力を持っている。

 相手はそれを利用し、飛び散る破片を武器として使用してくるが、土の壁を出現させる事によって、攻撃を防ぐ。

 防御壁を利用しつつ、僕は再び攻撃に転じる。


「はああっ!」


 佐久穂さんは、"穢れ"の攻撃に対して、臆する事無く突っ込んでいく。

 僕は、カノジョを信じて、イオと共に"穢れ"に接近する。

 左右からの同時攻撃。どちらに仕掛けてくるのか! 相手は、佐久穂さんに狙いを定め、腕を伸ばし始めた。

 僕は、佐久穂さんに向かって、叫ぶ。


「瑠衣! 避けて!!」


 僕の言葉を耳にした佐久穂さんは、一瞬で身体を回転させると、伸ばされた"穢れ"の腕を、避けると同時に回転の勢いのまま、切り裂く。

 舞い上がる、"穢れ"の腕。その瞬間を逃さず、僕は、"穢れ"の胴体に手を当て、力を注ぎこむ。


「ガアアアァァァァァ!!」


 叫びながら、僕を弾き飛ばそうとする"穢れ"。イオが妨害をしてくれたが、僅かに相手の攻撃が僕に当り、吹き飛ばされる。


「アオイ!?」

「な、なんとか大丈夫です! それよりも!」


 腕を吹き飛ばされ、力を無理矢理注がれた"穢れ"は、片膝をつき、苦しそうにしている。

 次の瞬間、僕達は驚愕する事になる。


「グガガガァァァ!! グルシイ!! ニクイ!! スベテガ!!」


 目の前にいる"穢れ"が、言葉を発したのだ。

ワクチン接種、副作用でちょっと辛い

明日の朝8時の投稿予約は出来ましたが、19時に投稿が無かったら回復に努めます

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