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ゼロ距離カノジョと祓魔師への道  作者: 詩永あえし
第二章 『祓魔師』とカノジョ
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11話

「ふむふむ。私が昨晩、お客様を相手に奮闘していた頃、キミ達は親睦会を開き、楽しく食事をしていたという事かね?」

「……はい、申し開きのしようもなく」

「あはは、ごめんってば、美鈴伯母さん」


 明日もあるからと、帰宅が遅くならない様に食事を終えた後は、会話を切り上げて、それぞれ帰路に着いた。

 翌日、僕と佐久穂さんは、再びこの場所を訪れ、美鈴さんと面会をしているのだが……。


「いいのさいいのさ、どうせオバサンは寂しい独り者だからねぇ。キミ達が楽しかったのなら、それで満足さー」


 誰がどう見てもいじけてるのが分かる美鈴さん。式典の姿はどこへやら。

 今は、机の上に頭を置いた状態で、だらしない体勢のまま僕達に話し掛けてきている。


「美鈴さん、あの……」

「なんだい立科君。私は今、絶賛傷心中だよー。慰めの言葉など必要としていないのだー」


 カノジョの親族だけあり、美鈴さんも感情表現豊かな人であり、拗ねる姿もよく似ていると感じる。

 とはいえ、仕事に関しては非常に真面目で、普段とのギャップには驚かされるばかりだ。

 佐久穂さんが、そんな彼女をフォローする為に口を開く。


「伯母さん、機嫌直してよー。食事ならいつでも付き合うからさ! アタシは美鈴伯母さんと一緒にご飯食べる大好きだし!」

「うぐっ! 私の姪っ子は、なんて可愛らしい事を言ってのけるんだ! 昼食は瑠衣ちゃんの好物を食べようじゃないか!」

「やたー! ステーキ! しゃぶしゃぶ! 焼肉!」


 佐久穂さんは両手を挙げて喜んでいる。しかしながら、ものの見事にお肉ばかりの食事である。


「ふっふっふー、今日の楽しみが出来たところで、本題といきますか」


 美鈴さんは、体勢を整えて座り直すと、僕達を見据えて話し始めた。


「さて、最初に。両名は二人一組で行動してもらう。これは、互いを理解し合う為でもあるし、"穢れ"との戦いにおいて、連携は必須となるからだ」

「連携ですか?」

「そう、キミ達は、『祓魔師』として第一歩を踏み出したばかりだ。とはいえ、それ以前に実戦も経験しているし、基本的な知識も持ち合わせている。あとは周囲とのコミュニケーションだね」

「確かに、まだ顔見知り程度の方々ばかりですからね」

「組織として動く以上、他の人達の協力は、必要不可欠だ。その辺りは、追々慣れていけば良い」

「はい、分かりました」

「さて、そこでだ。明日からキミ達には、任務に当たってもらう。この資料に目を通してくれ」


 美鈴さんは、机の上に置かれていたファイルを手に取ると、僕達に差し出してきた。


「これは?」

「『第一次捜査機関祓魔課』の人員配置表だ。これから、キミ達がどういった形で関わるのかが書いてある」

「あ、ありがとうございます」


 僕と佐久穂さんは、手渡された書類に目を通していく。


「えっと、『第一次捜査機関祓魔課』は、三つに分かれているんですね」

「そうだ。大まかに、『祓魔師』の資格を得た、第一部隊。それをサポートする第二部隊。そして後方支援に当たる第三部隊。キミ達は、第一部隊に配属となっている」

「……一つ気になるところがあるのですが、質問してもよろしいでしょうか?」

「ダメだ。理由は、こちらも理解しているからだ」

「第一部隊って、アタシ達を含めて四人しかいないじゃん! 『第一次捜査機関』なんて大げさな名前付いてるけど、実際は人手不足なんじゃ……」

「瑠衣ちゃん。時として、真実は人を傷つける事もあるんだよ」


 椅子に背中を預けた美鈴さんは、視線を天井に向けて遠い目をしている。


「昨日も散々、『第二次』や『第三次』の連中にも言われたよ。こちらは随分とお暇なんですね。とか。少数精鋭主義ですか、気楽な。とかー。挙句の果てに、二人の晴れ舞台で見せつける様に、『祓魔師』をズラーっと並べやがってよぉ!」


 美鈴さんのテンションがおかしい方向へ進んでいっている。


「美鈴さん、落ち着いてください。ほら、ゆっくりと深呼吸を」

「うぅ、すまないね立科君。つい取り乱してしまった。キミ達の前では冷静な大人の女性でいたかったのだが……」

「大丈夫です。美鈴さんは素敵な女性ですよ」

「そ、そうかい? 立科君はおだてるのが上手いねぇー」

「本当の事なのですが……一旦、話を戻しましょう」

「あぁ、そうだね。瑠依ちゃんが言った事は事実だ。人数こそ少ないが、皆、優秀であり、実力は確かだ」

「でもさ、いくらなんでも無理があるしない? アオイが力を得てから、"穢れ"の発生率が減ってるとは、以前聞いたけどさ」

「ごもっともな意見だ。そこで、だ。私は妙案を思い付いたのだよ。ふっふっふ」


 美鈴さんは得意気に笑うと、手元に置いてあったタブレット端末を操作し始めた。

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