表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロ距離カノジョと祓魔師への道  作者: 詩永あえし
第二章 『祓魔師』とカノジョ
42/77

8話

 任命式が行われる会場では、関係者であろうか、見知らぬ顔の人達がいる。

 壁際には、僕達と同じ礼服を着た、『祓魔師』と思しき人達が待機していて、中央には、僕と佐久穂さん。傍らには、イオの姿もある。

 壇上には演台が置かれ、その上にはマイクが設置されている。


「これより、『祓魔師』の認定を行う。皆、静粛に」


 壇上にいるのは、間違いなく美鈴さんであるのだが、あそこまで真剣な表情をした美鈴を見るのは、初めてである。

 普段の雰囲気とは異なり、「凛々しい」という言葉が似合いそうだと感じた。

 美鈴さんは一呼吸置いてから、声高らかに宣言を行った――。


「本日、この時をもって『祓魔師』は、新たな道を歩み始める。資格を手にした者は、覚悟を決めるように」


 美鈴さんの言葉は続く。

 それは、『祓魔師』である者達に対しての激励とも受け取れるものであった。


「『祓魔師』となったからには、常に死と隣り合わせだ。己の身を顧みずに戦う者もいるだろう。家族を想い、大切な人を守る為に戦おうとする者もいれば、自分を犠牲にしてでも"穢れ"と戦う者もいるかもしれない」


 ……僕は美鈴さんの方へと視線を向けるが、彼女はただ真っ直ぐに前を見つめている。


「これから先は、厳しい現実が待ち受けている事になる。それでも君は戦うのか? ……いや、君達は戦うのか?」


 沈黙は肯定の意を示しているのだろうか。周囲はしんとしている為、はっきりとした答えは聞こえて来ない。


「そうか。ならば、私はこう言おう。私についてこい。私がお前達に教えてやる」


 美鈴さんが力強く言葉を紡ぐと、会場内の空気が鋭利なものへと変化していく。


「立科葵、佐久穂瑠依。以上は、本日をもって正式な祓魔師となる。今日という日から、世界は大きく動き出すだろう。『祓魔師』としての使命を果たすべく、精進していく事を期待している」


 ――――――


 僕と佐久穂さん、そしてイオを引き連れて舞台上に上がり、並んで立つと、周囲の人々から拍手が沸く。


「立科葵。汝は『祓魔師』の任に就く事に、誇りを持ち、責任を持つ者なり」

「はい」


 美鈴さんが読み上げたのは、任命書の内容だ。この後に行うのは、美鈴さんによる簡単な質問と宣誓の言葉を返すだけである。


「佐久穂瑠衣。汝は『祓魔師』の任に就き、世界の均衡を保つ者として、自覚と責務を全うする者なり」

「はい!」

「イオ。汝は『祓魔師』の任に就いた者の力となり、支える者である。その力を、平和をもたらすものとして使う事を願う」

「ガウッ!」


 僕達だけでなく、イオに対しても『祓魔師』として認める旨が伝えられると、僕や佐久穂さんに向けられた以上に拍手が巻き起こり、盛大な歓迎を受けた。

 イオも満更でもない様子で、尻尾を振りながら応えている。

 その後、無事に任命式は終わりを告げたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ