67話 王国武芸大会 3
-王都マハル 特別区-
広い道の中央に抽選会場が開設されていた。一段高いステージが作られており、その上で各選手自身が順番に箱から玉を抜いていくと対戦表が出来上がる仕組みだ。
既にかなりの人が集まっている。なかなかの盛況ぶりだ。
俺はタニア達と別れてステージへと向かう。ステージ上には今回の出場者が並んで待っている。新人戦というだけあって皆結構若い感じだ。ほぼ男性ばかりなのは仕方の無いことだが、何人かは女性の姿も見える。一番上は20代半ばぐらいかな。
少し時間を空けてからブラックロータスでも到着。結構この見た目は派手だったかな。男性陣からはだいぶ視線を集めている。これで全員揃った様だ。
しばらくして開催の挨拶がされると司会の紹介を受けて順番にくじ引きが始まった。
「次はマリーナ・サマリード様、どうぞ」
俺の番か。名前を呼ばれて箱まで進み、手を入れて適当に玉を取り出す。
「7番、7番が出ました」
7番ってどの辺りかな。対戦表の方を見ると埋まっていないのは中央と端だけだ。既にブラックロータスは3枠で確定している。初回で当たらないのは確定なので、出来れば端枠の方がいいな。端枠になれば当たるのは決勝まで据え置き出来る。
対戦表近くの係員が7番の位置を開けると若干の騒めきが起きた。どうやら今回ただ一つのシード枠になる31枠を引き当てたらしい。この時点で俺は無条件に一回戦進出が決定した訳か。
まぁ、面倒事は少ない方がいい気もするのでこれもアリかな。移動してくじ引きが済んだ者達の並びに入る。何だか周りからえらい見られている気がするんだが?
抽選会が終了し、今後の説明を受けて宿へと向かう。予選だけでも15試合有るので俺の出番は三日後、それも最終戦となる第八試合からとなった。
「マリーナおかえり。あそこで端枠を引き当てるのは流石だねぇ」
「まぁ、誰かは引く訳だからな。たまたまお嬢が当たったってことさ」
「でも他の人達から凄い見られてましたよ。多分色んな意味で注目されてましたね」
困ったものだ。まぁ、決まった事にどうこう言っても始まらないな。
「とりあえず後二日は暇になってしまったので、予選でも見に行ってみましょうか」
他にすることも無いからなぁ。他の出場選手の様子を見ておくのも悪くないだろう。
「明日は朝から8試合だっけ。結果次第では時間が前後するって話だったね」
「新人戦だし、すぐ決着が付くことが多いんじゃないかな」
「時間で切って判定するらしいので、長引くことは少なそうですね」
3人共に酒にも飽きが来たらしい。暇潰しを求めている様子で観戦に乗り気だな。
「では明日は朝から皆で観戦に行きましょう。早めに行って良い席で観たいですね」
新人戦の出場者がどの程度かは見ておきたいし、会場の様子も確認したいしな。
「お嬢は誰か気になる出場者が居るのかい?」
「いえ、全く知らない人達ばかりですからね。どんな試合になるのかも楽しみです」
俺が見るのはあくまでも手加減の度合いを測るためだ。それに、ブラックロータスで出場する時には外側からの視点が有った方が色々と動き易い。




