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異世界に転生したけどファンタジーなのは俺だけらしい  作者: 三十六
探求編

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17話 これからどうしよう?

-リベスタン城塞 マリーナの部屋-


 慣れたとは言え人の仕草を再現するにはかなりのリソースを使っている。

 今ではほぼ無意識にやれているが、その分犬の再現は適当だ。近場に置いている『アル』はそれなりに気にしているが、離れている『茶色』は正直周囲の目など気にしてもいない。


 どうやらずっと無意識で『マリーナ』を本体扱いしていたようで、優先的にこちらにリソース配分していたらしい。実際、意識してアルを細かく動かすとマリーナの反応が鈍くなる。

 

 意識することで選択的に優先順位を変更出来る。音への反応が顕著で、選んだ個体の感覚が最も鋭敏になる。他からも聴こえてはいるがバックグラウンドで動いているような感覚だ。


 試しに吸収した兎を4つ目の身体として分けて動かそうとしたら、マリーナの反応が極端に悪くなった。どうも3つまでがまともに動かせる限界のようだ。便利な身体だと思っていたがそうそう上手い話は無いということか。細かく動かそうとすれば2つが限度かも知れない。アルも動かすのをやめるとマリーナの感覚が若干鋭敏になった気がした。


 どれか1体に集中すれば感覚や反応速度が割り増しされるのは新しい発見だ。いずれはこの気付きが何かの役に立つ時も有るだろう。



 さて、何か始めるにも元手が無いとどうにもならない。どうにかして集めておく必要が有るわけだが、流石に無から有は生み出せない。そんな都合の良い世界ではないのだ。


 この点は魔法の世界であって欲しかったが仕方ない。まだ子供の俺には領地経営に参画出来るはずもなく、父の財産は当てに出来ない。つまり独自に財布を持つ必要が有る。

 最低でも初期投資分をどこからか調達することになるわけだが、どうするか。借りるにしても実績の無い子供に貸す奴はいないだろう。城から一時的に持ち出してもすぐバレるのは自明だ。総量が少ないところから取れば簡単に発覚する。

 外部から調達するしかないだろうな。その手段も考えておこう。


 当面は領内の生活水準を上げていく。領民に余裕を持たせて豊かになる土壌を作り出すことが全ての基礎になるからだ。

 その中でも俺に出来て周りにも不審に思われないことは何か・・・とりあえず思いつくままにやってみよう。失敗しても子供の思い付きとして見てもらえるなら被害も大きくはなるまい。

 その際の障害は人手か。俺だけで進めるには限界が有る。上手い口実を見つけなければな。少しずつ周りを巻き込んで進めるようにしよう。


 具体的に動き出すには準備が足りていないか。最初の印象が大切だ。そのためにはもっと材料を集めて段取りを詰める必要が有る。時間が掛かるが手順というのは着実に踏んで進まねば簡単に転んでしまうものだからな。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] この土地や身体の元になった人の家族に愛着がわいたようには感じなかったが、領地の先行きに興味があるんだな。
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