漫才『心配』
二人「どうも〜」
ツッコミ「突然ですけど最近彼女が出来ましてね、ちょっとデートの練習がしたいなって思ってるんですけど」
ボケ「……はぁ、まあ良いんちゃう」
ツッコミ「え?どうしたん?元気ないけど」
ボケ「……ちょっと今ウチで預かってる子が居るんやけど、それが心配でな…」
ツッコミ「へぇ〜そうなんや。甥っ子とかか?」
ボケ「いや、人間じゃない」
ツッコミ「あっ、猫とか犬か」
ボケ「や、猫とかでもないねん」
ツッコミ「え?じゃあなに?ハムスターとか」
ボケ「いや、ペガサスを預かっててさ」
ツッコミ「ペガサス?!!え?!あのペガサス?」
ボケ「お前が言うてるのがどのペガサスかは知らんけど、あの馬に羽が生えてる生物やな」
ツッコミ「なんで?!どういう経緯で預かったん?!」
ボケ「普通に五日前に家の前で親ペガサスに頼んますって言われて」
ツッコミ「親ペガサスってなに?!」
ボケ「その預かったペガサスよりも大きいペガサスやったから、たぶんあのペガサスは親やと思うよ。六日後の朝に向かえに来ますとだけ言われて渡されたんや」
ツッコミ「凄いな。その預かったの子どもはペガサスの大きさとかどれくらいなん?」
ボケ「2メートル弱かな」
ツッコミ「デカ!普通の馬やん。じゃあ親はどれくらいやったん?」
ボケ「6メートル強かな」
ツッコミ「デカ過ぎるやろ!そんなデカイ親ペガサスに会った時にお前は驚きとかなかったんか?」
ボケ「不思議と無かったな。会って直ぐに預かってくれって頼まれたから、驚きよりも使命感の方が強かったな」
ツッコミ「そうなんや…でも待って、五日前ってことは明日の朝に向かえに来るんやんな」
ボケ「まあ、そういうことになるな」
ツッコミ「預かってる期間はどういうかんじやったん?」
ボケ「え?デートの練習は良いの?」
ツッコミ「そんなのもう良いよ!ペガサスの方が気になるわ!」
ボケ「お前が良いなら良いけど、まあ一日目は一緒にご飯食べたり仲良く遊んで。二日目がな〜」
ツッコミ「なんかあったん?」
ボケ「前からウチで飼ってたヤツと喧嘩し始めてな〜」
ツッコミ「あ〜、元々犬かなにか飼ってたんか?」
ボケ「いや、犬じゃなくてユニコーン飼っててさ」
ツッコミ「ユニコーン?!!お前、ユニコーン飼ってたん?!!」
ボケ「うん、ユニコーン飼ってて、そのユニコーンとペガサスが喧嘩してな」
ツッコミ「へぇ〜、ユニコーンについても聞きたいけどもう良いわ。それでどうなったん?」
ボケ「ユニコーンの角でペガサスを怪我させそうで、さすがに預かってる子を怪我させたらシャレならんからな」
ツッコミ「たしかにな、だから心配なんか」
ボケ「いや、この喧嘩の件はユニコーンのツノを取ったことで解決したんや」
ツッコミ「え?!お前ユニコーンのツノ取ったん?!!」
ボケ「うん。ペガサスに怪我させるわけにいかんからな」
ツッコミ「お前、アホちゃう?!ユニコーンのツノ取ったらただの馬やん!!ツノはアイツのアイデンティティやぞ!絶対に取ったらアカンやろ!」
ボケ「でもツノで怪我してペガサスの馬肉に刺さったらさ」
ツッコミ「馬肉って言うな!一気に馬感が出るやろ!」
ボケ「そんでツノ取ったらユニコーンの元気が無くなってさ」
ツッコミ「当たり前じゃ!ユニコーンはツノがあってユニコーンやぞ!そりゃそうなるやろ!」
ボケ「そうかな」
ツッコミ「つまり、今のお前の心配はユニコーンに元気がないからか?」
ボケ「いや、違うんや。ペガサスが寄り添ってあげて慰めてあげてたおかげで、ユニコーンの元気はもう回復してるから大丈夫やねん」
ツッコミ「ペガサス、良いやつやな」
ボケ「もう羽をユニコーンに掛けてあげてたわ」
ツッコミ「カッコイイやつやな〜」
ボケ「それが三日目のことやな」
ツッコミ「結局なにが心配なん?」
ボケ「四日目の夕方に仕事終わって家に帰ったら、ペガサスとユニコーンがめちゃくちゃイチャイチャしてたわ。もう俺が帰ってきたに気付いた瞬間にバッと離れて『私たちなにもしてませんけど…』みたいな空気出して変な空気やった」
ツッコミ「お前、めっちゃ邪魔者やん!」
ボケ「そんで五日目の今日。家に帰ったらペガサスとユニコーンを混ぜた、とんでもない生物が生まれてんちゃうか心配やねん」
ツッコミ「なんの心配してんねん!!もうええわ」
二人「どうもありがとうございました〜」
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