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第6話ゴブリン討伐(後編)

投稿致します。

合同クエストを受けた僕達は、街で回復アイテムや食糧を購入してから、冒険者ギルドに向かう。


今回のクエストはベルンから、南西の方角にあるレーヌという農村からのクエストらしい、受け付けのお姉さん曰く、毎年村の周辺の森に生息しているゴブリンが村に出没するみたいだ。


今回、クエストを出した理由はいつもの年よりもゴブリンが多く異常なくらいまで増えているらしい、村にいる、自警団や冒険者では手に終えないので、近隣の街や村にいる冒険者達に多額の報酬を支払い応援を要請したようだ。


僕達以外にも他の街や村の冒険者を合わせると、総勢100人くらいの冒険者が集まったと、受け付けのお姉さんが教えてくれた。


僕達は馬車に揺られること二時間後、合同クエストの場所である、レーヌに到着した。


村に到着した僕達を出迎えたのは村長のレオンという若い男の人だった。


「ようこそ、いらっしゃいました、私はこの村で村長を勤めている、レオンと申します」

「こんにちは、レオンさん今回のクエストはゴブリンの駆除ですよね?」

「えぇ、そうですよお嬢さん」


僕はレオンさんに挨拶をしてから、合同クエストに参加している冒険者全員で村の様子を見てまわることにした。


「ねぇ、メアさん向こうの畑はどうなっていました?」

「こっちは、何もなかったわ」

「そうですか、メアさん、引き続き確認お願いします」

「えぇ、わかったわ」


僕はメアさんに畑の確認をしてもらうことにした、後はナディアさんに聞き込みをお願いしてみよう、僕は家畜の被害状況を確認しよう。


「ナディアさん、村の人にゴブリンに荒らされた場所がないか聞いてきてくれませんか?」

「うん、早速聞いてくるね」


僕達は畑や家畜にどの程度被害が出ているかを村人に聞き込みを行った。


「メアさん、ナディアさん、被害状況はどんな感じですか?」

「碧、畑の方は全滅だったわ」

「アオイさん、特には被害がなかったよ」

「ナディアさん、メアさん、調べてくれてありがとう」


村の被害状況の確認を終えた後、僕達はゴブリン討伐の作戦を練ることになった、村の冒険者や自警団の人にゴブリンの数を聞いてみたところ、少なくともいつも年の3~5倍の数らしい。


「ゴブリンって、いつもはどのくらい出てくるんですか?」

僕は近くにいた、村人に聞いてみた。

「そうだな、いつもなら30~50匹くらいだな」

ということは、最低でも90匹はいることになる。


「あの、合同クエストに参加している人の中に潜伏スキルを持っている人いませんか?」

「一応、俺達潜伏スキルは持っているぜ」

「本当ですか!あのすみませんが偵察して貰えませんか?」

「あぁ、別にかまわないぜ」


僕は、合同クエスト確認をに参加している冒険者に潜伏スキルを持っている人がいないか確認をしてみると、村の冒険者三人組が潜伏スキルを持っていると名乗り出てくれた。


「なぁ、お嬢ちゃん何か閃いたのか?」

「えぇ、あの、貴方は?」

「おっと、自己紹介がまだだったな、俺はバニングだ」

「バニングさんですね、僕は洲崎碧です」


先程、ベルンの街で僕達にアドバイスをくれたベテラン冒険者が僕の思惑に気付いたようだ。


「バニングさん、ゴブリンの数少ないと思いませんか?」

「奇遇だな、俺もそう思っていたところだ」

「じゃあ、偵察に行って貰ったほうがいいですか?」

「そうだな」


僕とバニングさんの二人で、ゴブリンに攻勢を仕掛けるかどうか悩んでいると、周りの冒険者達がひそひそ話をしていた。


「おい、あの子は何者なんだ?」とか

「あの気難しいバニングさんと普通に話をしているぞ」などちらほら聞こえてくる。


「た、助けてくれっ!!」

「おいっ、大丈夫か!?」

「傷は浅いぞ、しっかりしろ!」


僕達が、村の冒険者ギルドで作戦会議を行っている最中だった。ギルドの外で見張りをしていた冒険者が騒がしくなっていた。僕は外の様子が気になるので見に行くことにした。


「何があったんですか?」

「さっき偵察に出た奴がゴブリンにズタズタにされて戻ってきたんだ」


さっき、偵察に出た村の冒険者三人組のうちの一人が冒険者ギルドに命からがら戻って来たようだ。


「しっかりしてください、今、回復魔法を掛けますね」

【ヒール】

「うぅ、森に置いてきたあいつらを助けてくれ……」


ゴブリンの群はこの付近の森まで迫ってきているみたいだ。僕はバニングさんにこの件を相談してみよう。


「バニングさん、大変ですこの村の近くまでゴブリンが来ています」

「嬢ちゃん達は村に残れ!ゴブリンは俺達で始末する」

「あ、あのっ!、僕達もゴブリン討伐に行かせて下さい」

「一つだけ条件がある」

「何ですか?」

「後方から魔法で支援するだけにしろ」

「はい、分かりました」


バニングさんは、頑なに僕をゴブリンの討伐に参加させたくないようだが、クエストを受けたからには僕もゴブリンを討伐しなきゃいけないので、必死にバニングさんを説得してなんとかゴブリン討伐に参加させてもらう。


村には四十人の冒険者が残る事になった。それ以外の冒険者は村の近くの森で待機する。


「おい、ゴブリンの群を見つけたぞ!」

「よし、お前らゴブリンを一匹残らず殲滅しろ!!」

「「了解!!」」


バニングさんから、号令が掛かりゴブリン討伐が始まった。

僕達は後方から回復魔法や攻撃魔法で援護を行う。


戦闘開始から、十時間が経過した頃だった先程、村に助けを求めに逃げてきた冒険者の仲間が瀕死の状態で見つかった。


「おい、お前らしっかりしろ!!」

「「……」」

「コイツら、身体が冷たくなっちまってる、諦めたほうがいいんじゃないか?」

「バカ野郎!、コイツらを安全な場所まで運べ!」

「わ、分かった」


前線にいる、冒険者達の怒号が飛び交っている。ゴブリンの数は報告にあった数より遥かに多いようで未だに戦闘が続いていた、僕達は、戦闘で負傷した冒険者を治癒魔法や回復魔法で傷を癒やしていた。


新たに、僕達の元へ負傷した冒険者が運び込まれてきた、その中には瀕死の重傷を負っている冒険者も含まれていた。


そして、数時間後――ゴブリン討伐が完了した、僕達は殆ど戦闘をせずに負傷した冒険者の治療をするだけだった。


レーヌに戻り僕達は冒険者ギルドにクエストが完了した事を報告した。クエスト達成した後はバニングさんの奢りで宴会が行われた。


クエストが完了した後は冒険者達はそれぞれ拠点となる街へ帰って行った。だけど、僕達はもう少しだけこの村にいることにした。


こうして、僕が異世界に来てから初めての大規模なクエストが完了した。







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