第5話ゴブリン討伐(前編)
今年最初の投稿です、皆さま今年もよろしくお願いいたします
僕達は、冒険者ギルドでナディアさんが冒険者登録を済ませるまでの間、朝食を済ませることにした、ナディアさんは一体何者なのだろうか?
『メアさん、ナディアさんについてどう思います?』
『普通の村娘かな?』
『でも、普通の村娘なら、教団が狙うはずないよね?』
『ナディアっていう子、絶対何か隠しているわよ』
『メアさん、深く考え過ぎじゃないですか?』
ナディアさんのことがますますわからなくなってきた、しばらくすると、受け付けのお姉さんが僕達のところにやって来た、一体何があったんだろうか?
『アオイさんが連れてきた子は一体何者なんですか?』
『僕もナディアさんのことがよくわからないんですよ……』
『えっ、アオイさん自分のパーティメンバーのこと、よく知らないんですか?』
『昨日出会ったばかりなので……よくわからないんです』
受け付けのお姉さんは少し呆れた様子だったが、僕自身、ナディアと出会ったのが昨日なので知らなくて当然だ。
『アオイさん、ナディアさんとどこで出会ったんですか?』
『教会の近くで、傷だらけの状態で倒れていたところを助けました』
『アオイさん、多分ナディアさんは誰かに追われていたんじゃないですか?』
そう言えば、ナディアさんは黒ずくめの集団に追われているって、言っていたような気がする……ギルドのお姉さんなら何か知っているかな?
『黒ずくめの集団に追われているって、言っていました』
『黒ずくめの集団?アオイさん、よく聞いて下さいそれは多分、ヴォルクルス教団です』
『ヴォルクルス教団って、なんですか?』
『邪神を崇拝している、過激な集団です。ここ最近、王国内で誘拐事件や教会を襲撃したりしています』
つまり、ナディアさんは何らかの理由で、無理矢理拉致された、可能性があるということになる。
『お姉さん、ほかにヴォルクルス教団の情報ってないんですか?』
『今のところ特に情報はないです……』
『そうですか……』
『新しい情報が入り次第、教えますよ』
『お姉さん、ありがとうございます』
僕は受け付けのお姉さんから、ここ最近、王国内を騒がせているヴォルクルス教団という、過激な宗教団体の情報を入手した。
『碧、どうしたの深刻そうな顔をしてるけど?』
『メアさん、ナディアさんのことが気になりませんか?』
『えぇ、そうね少し気になるかも』
僕達はナディアさんが来るまでの間、ちょうどいいクエストがないか掲示板を眺める、しかし、僕達がこなせるクエストは今日もなかった。
ここ最近、クエストの難易度が高いような気がする……というより、この辺りにいないはずのモンスターの討伐とかが、最近多いけど、これもヴォルクルス教団が関係しているのかな?
掲示板の前で考え事をしていた、僕達のところへ冒険者登録を済ませたナディアさんが、やって来た。
『アオイさん、お待たせしました』
『ナディアさん、職業は何にしたんですか?』
『あ、あのっ、ビショップです……』
今、ナディアさんはビショップって、言ったよね?それって回復のスペシャリストなんだけど……
『私の職業って、弱いんですか?』
『ナディアさんの職業は、上級職だから弱くないですよ』
『そうなんだ……よかった』
今、僕達は三人パーティーで全員が上級職に就いている状態だ、あと一人、火力がある人が欲しいかな?
その後、僕達はナディアさんの歓迎会を街のレストランで行った、それから、数日は簡単なクエストを三人でこなしながら、ヴォルクルス教団の情報を集めた。
ナディアさんがパーティに加入してから、一週間が経過した。
ヴォルクルス教団が、ナディアさんを狙う理由って一体なんだろう?
『ナディアさんが、暮らしていた村って、どんな所なんですか?』
『バーディンっていう、温泉で有名な村だよ』
『ナディアさん、バーディンはどの辺りにあるんですか?』
僕は地図を取り出して、バーディンの場所をナディアさんに聞いてみた。
『ここだよ、冬になると凄く寒いけど、温泉目当ての観光客が来るんだ』
『へぇ、そうなんだ』
ナディアさんの、生まれ故郷のバーディンという村は王国の北部にあるらしい。
『ねぇ、碧、ナディア、丁度いいクエストがあったわよ』
『丁度いいクエスト?』
『ゴブリン討伐よ』
メアさんは、冒険者ギルドに来るように僕達の事を急かす。
ゴブリン討伐って、普通のクエストじゃないかな?
僕達は、冒険者ギルドの掲示板にある、ゴブリン討伐のクエストの内容を閲覧する。
クエスト内容 ーゴブリン討伐ー 成功報酬一万ゴールド
冒険者ギルド内を見渡すと、僕達以外にもこのクエストに受けようとしている冒険者がいた。
どうやら、このクエストの成功報酬は破格みたいだ、周りをみると三十人くらいの冒険者が集まっていた。
『皆さん、このクエストを合同で受注したらどうでしょうか?』
受け付けのお姉さんからの提案だった。
『これだけの人数なら楽勝だろ?』
『そうだよな、ゴブリンが相手だろっ、楽勝だぜ!』
『おっ、そうだな』
など、このクエストを楽観的に捉えている冒険者達もいれば。
『ゴブリン討伐となると、色々準備を整える必要があるな……』
慎重にクエストをこなそうとする、ベテラン冒険者もいた。
『おやっ、お嬢ちゃん達もこのクエストを受けるのかい?』
『えぇ、そうですよ』
『ゴブリン相手でも死ぬ可能性があるから、必要なアイテムを揃えておいたほうがいいぞ』
『はい、教えていただきありがとうございます』
ベテラン冒険者の一人が僕達にアドバイスをしてくれた。
僕達は合同クエストに向けて、必要なアイテムを買い揃えることにした。
ナディアさんが僕達のパーティーに加入してから初めての本格的なクエストが始まった。
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