第4話 もう一人。
Let's go just another slave.
「その娘にとって何かしら君達がいるって事が分かるものってある?」
「またね・・・とか。」
青眼の娘が話す。
「またね?」
「いつも言ってたの・・・すれ違うとき・・・」
流石。頭良すぎ・・・。物ではなく、言葉に目を向けるなんて・・・すごい。でも実際、そんな事は必要無かった。だって、奴隷側に拒否権なんて無いのだから。ただ、もしその娘が違ったとしたら。気まずい状況で育てることになる。奴隷を下手に買って野放しにすると罪に問われて逆に奴隷にされるからね・・・。
「わかった。行ってくる。」
奴隷を買った翌日に、再度売買所に行くなんて、思っても無かった。
「確認を。」
「これです。」
「確認しました。どうぞ。」
「(その娘は重獄にいる。ただ下手に急ぐと怪しまれる。ここは冷静に。)」
重獄にたっ、たっ、と鋭い足音が響く。
「(いた!あれかな?)話すことってできますか?」
「少しだけなら許可しますよ。」
「ありがとうございます。」
振り返って彼女の方を見て、
小さな声で言った。
「またね。」
彼女は何かを思ったのか、少し驚いた表情だった。
「この娘をお願いします。」
「はい。」
「えっと、11ゴールドになります。」
「えっと11ゴールド・・・(やばっ、ちょっと足りないかも・・・ん?)」
足元で金色に輝く何かが落ちている。そう、ゴールドだ。
「(どうやって拾うか・・・あ、そうだ。)
チャリン、パサッ。金貨は草の上に落ちる。
「おおっと、すみません。」
ついでに落ちてたゴールドも拾う。
「これでお願いします。」
「えーと・・・はい。確かに11ゴールドいただきます。」
「では手錠とマントを・・・」
ギギギギギ、バサッ。手錠をはめ、マントを被せ、あの時と同じ。違うのは人数だけ。
「そして、これが鍵ですね。ありがとうございました。」
「ありがとうございました。」
「あの子、前も来たけど、前と違って何か決意めいていたわ。」
「なんにせよ、罪を犯した時点で奴も獄行きだ。下手な事は出来んよ。」
シュン、あの時と同じ光が舞う。
玄関に辿り着き、ドアを開けて二人を呼ぶ。
「二人共〜」
呼ぶと同時に手錠を外す。するとドタドタと裸足で走って来る。して、彼女達は涙の再開を果たしたってわけ。それから、彼女達にお風呂の方法を教えたものの、髪の毛の洗い方が上手なのか、やっぱり呼ばれる。ん〜なんで?
それからというもの、ご飯を食べさせて、寝させようとしたのだが・・・
「た、足りない・・・」
そう、ベッドが足りないのだ。どうしようと悩んで、ソファに横になった瞬間、結論はすぐに出た。
「ん?ソファで寝る・・・?」
そうだ。俺のベットを貸せばいい。そうすれば三人は安心して寝れる。俺は毛布をかければそれで大丈夫。
俺はそうした。彼女達は少し心配そうな顔でこっちを見る。
「大丈夫だって、安心しろよ。別にいなくなるわけじゃないんだし。それじゃあ、おやすみ。」
黄眼の娘と橙眼の娘を一緒に寝かす。何故青眼を一人にしたかって?実は一人でも寝れる人、で手をあげたんだ。なぜか笑ってるように見えたんだけど、なんでだろう?ま、いいや。朝になれば全て解決・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
ガサゴソ、
・・・。
「ハァ・・・ハァ・・・」
耳元で吐息が聞こえる。とはいえぐっすり寝てしまった。再び緊張してたからね・・・。
というより、顔に何か柔らかいものが当たってて、ちょっと呼吸が苦しいし、さっきから耳元にくすぐったい吐息がかかる。ん?そしてなんだ?太もものあたりとふくらはぎの辺りに何か挟まってる・・・これは・・・手?って事はまさかまた・・・
「またか。」
そう、今度は3人にくっつかれて寝てたのである。あー。また下手に動けない。
「はっ!はぁ。・・・えぇ!?わっ、わわ!ご、ごめ、ごめんなさい・・・!」
青眼の娘が目を覚ます。
「い、いや別に大したことないよ・・・い、いやそういう意味は無いからね!?断じて無い!」
すると後の二人も起きる。
「ん〜はぁっ。あ、あれ?はうっ!?いいいいいつの間に!?」
「お、おはよう・・・朝から騒がしいね・・・。あれ、ここどこってふわぇっ!?」
おや?この橙眼の娘、初めっから喋ってる。やっぱり仲間がいるとちがうなぁ。というか、二人共以前より話せるようになってる・・・。
「ぐぬぬ、お前・・・」
「えへへぇ」
黄眼の娘が悔しそうにすると、青眼の娘は無邪気な笑顔を見せた。橙眼の娘は謎めいた表情を取った。
まぁとりあえず、救えて良かったよ。
ハーレムとかしつつあるが、許して!