第2話 買った時のお話。
毎回寝る前に考えて、アプリのメモに保存してるから、ちょっと、ね?
正直にいうと、自分自身、奴隷には興味があった。
元奴隷としては、周りに買われたり、売られてくる、入ってくる奴隷は幾人も見てきた。その中で奴隷を買うのはどのような感じなのだろうか。とね。少々気味の悪い不気味な感じになってしまったが、まぁ興味があったってわけ。
この国の奴隷売買所は、完全に悪に染まった者達の入る「重獄」、犯罪者の子どもや会心の予知があるものは「軽獄」に入れられる。俺は軽檻だったけど、軽檻の人達はあまり厳しく罰せられない。
重獄はまず相手にされない。中は完全に無法状態。ちなみに売る側は軽獄か重獄かは選べない。また売買には証明証が必要である。証明証の内容はあまり関係しないが、見た目や、柄の悪さ、話した時の感じなどを鋭く見切り、悪ければ軽獄はあまり見せないようにする。奴隷売買所職員はなるのがとても難しいらしい。俺は弱そうに見えたのか、全部見せてもらったけど、今思えば弱く見られてたのか・・・まぁ、悪人としてみられるよりかは良いけど。
俺の貰った家は東寄りの上民住居地域。だから、一番近い東の奴隷売買所にいった。丁度長めの休暇を貰ったのでね。え?休暇?あぁ、そういえばまだ説明していなかったね。俺はこの地区の役所で働いてる。元々金持ちじゃあないから、お金稼がないと間に合わなくて。それで丁度休暇を貰ったわけ。
奴隷なんて買ったら世話が大変だろうに。お金は無いし送り出すこともできないからな・・・まぁ、その時そんな事考えてすらなかった。
東の奴隷売買所。
「まずは証明証を見せてもらえるかい?」
「は、はい。(緊張するなぁ・・・こんなのをみんな平気でやってるんだ・・・)」
「確認しました。ではどうぞ。」
奴隷販売所には少し地下に掘ってある重獄と、軽い家のような檻とそこに移動販売用の檻付きの車体があったが、もう走っていないのか、車輪はとても錆びていた。そこにはボロい布を着た奴隷さん達が何人かいた。
「(うぅ・・・来たはいいがいざこうなるとどうするか・・・)」
そこに俺はパッと目が止まった。二人でくっついて震える二人の少女・・・とまではいかないが大人ではない二人。多分年下。片方は明るめの茶髪に黄色い眼。もう片方は暗めの茶髪に青い眼。とっても怖がってて。で、ちょっと不思議な顔してあっちを見たんだ。そしたら震えがちょっとだけ引いててさ。(本当は内心こっちの方が震えてるけどさ。)
その二人にした。個人表を見せてもらったが、やっぱりそうだ。親が罪人。罪人の子ども。俺と同じ生い立ちだ。まぁどこまで過酷だったかは知らないけど。
「あそこの二人を買います・・・ってちょっと表現がアレですね・・・んーと・・・貰います?」
「わかりました。あの二人ですね?」
「はい。」
「えーと合計・・・25ゴールドになります。」
流石は軽獄。ちょっと高い。奴隷自体そんなに安いと言えるものでは無い。あ!そういえばこの国のお金の話もしてなかったね。
この国な通貨は貨幣によって回ってる。階級は鉄、銅、銀、金、白の五段階。鉄10枚で銅1枚、銅10枚で銀1枚、銀10枚で金1枚、金10枚で白1枚。だから金は結構高い。それぞれアイロン、カッパー、シルバー、ゴールド、プラチナと呼ぶ。
「えっと・・・25ゴールド・・・。こんくらいか。はい。」
白の混ざった金銭をかき分け、金を出す。
「10の15の20の25。はい。しっかり受け取りました。では手錠に繋ぎます。」
重獄奴隷は首輪だが、軽獄奴隷は手錠である。手錠の方が効果あると思うんだけど・・・
ギギギギ
片手に手錠を繋がれる。そしてもう片方の空いてる方が奴隷さんに付いている手錠につけられる。手錠には慣れていたが、久しぶりだったので少し痛みを感じた。
「はい。じゃあ後はこれを被せて。それと手錠の鍵です。」
奴隷を持ち帰る際は周りに気を使うのか軽いマントのような物を羽織らせる。最初っから被せとけばいい気が・・・。
「ありがとうございました。」
「どうも。」
「ねぇねぇ、あの子少し隙だらけ過ぎない?」
「さぁ。」
「(家へは少し遠い。ここは覚えた魔法で!)はぁ、[The positions warp from this poiot to my imagination point, With the touching life.] Enter!」
シュン!とあっけない音と儚い白い光と共に僕と奴隷さん達はワープした。実際、ちょっと術式間違えてたかもしれんが、誤差は大丈夫なんだ・・・いや多分発動しないからあってたんだな。
ワープした先は家の玄関前。
「ここが僕の家です。」
「・・・。」「・・・。」
まぁ知らない人に買われたらそりゃ信頼も何も無いもんね。
「まぁ入って。」
ガチャ。
奴隷さん達は裸足。土で汚れている。
「(まずは何だろう・・・)」
チャリン。手錠が引っ張られる。
「(そうだった!手錠外さなきゃ!)痛かっただろう?今外すからちょっと待って!」
ガチャガチャと少し焦り気味だがしっかりと鍵を外す。
「(よし。まずはお風呂だな!・・・って言っても、俺が洗うわけじゃないから誘導だけするか。)じゃあこっちに来て。」
少し困惑した様子で二人は付いてくる。
「先にお風呂に入ってて良いよ。着替えは置いてお・・・待てよ?着替えなんてないな・・・。(まぁ俺の服でも貸すか。僕自身あんまり身体大きくないし・・・ちょっと悲しい。)ま、まぁ取り敢えず入ってて!」
ガチャン。
「・・・。(はぁぁぁぁぁぁめっっっちゃ緊張したぁぁぁぁぁ!!なんであんな緊張するんだ!?まぁあんまり家には招待しないしな・・・あ、そういえば鍵閉めてないや。)」
ガチャ。玄関の鍵を閉める。
「はぁ。」
大きめの短いため息をつく。すると、後ろから服を引っ張られた。
「うわっ!?」
超びっくりした。なんせお風呂に入ってるもんだと思ってたから。
「ど、どうしたんだい?」
暗い黄眼を瞑り、ぶんぶんと首を横に振る。
「何かわからないのかい?」
うんうんと縦に大きく首を振る。さっさか洗面所に行き、風呂場の前へ。すると、
「いやっ!み、見てない!見てないから!」
もう片方の娘が服を脱いで前に持った状態で待機してる。い、いやっこんな計画してない!絶対!ホント!ね!?信じて!
「そ、それでどうしたの?(あーこれ完全に使い方わからんやつだ。どうしよう・・・洗ってあげるにも女性だぞ!?)」
シャワーとかっていうのは少し前にアストニアからの来訪者が技術を教えたらしくてね。上民の家には大体付いてる。勿論平民や下民の家にも。ただちょっと高いかな?
ちなみにアストニアってのは魂の流れ道的なやつね。
えー。ホントに一緒に入るしかないのかなぁ。このとき教えるっていう案は無かった。なんにせよ多分焦ってたんだと思う。
「分かった。一緒に入ってあげるよ。」
二人とも首を縦に振る。
目のやり場に困るというか、目を向けられない。ズボンの裾をまくり、袖をまくってこの前売ってた袖を止めるバンドをつける。よく思いつくよな、こんなの。
「さて、どっちから洗う?」
水を出して温めながら問いかける。すると、我先にと先に出てきて、俺にくっついてくる。
「んーとじゃあ先にこの手に触った人!」
黄眼の子が先に触る。悔しそうにもう一人は待つ。
「よし。じゃあ先に君。」
っていうかこの子達よく俺にくっついてきたな。多分まだ信頼はされてないだろうが、どうなんだろう。
シャワーは彼女の短い髪の毛を潤していく。石鹸とかの種類は良く分からないので、前に友達に教えてもらって、髪の毛用の液体の物と身体用の個体のやつ。と単純に覚えている。
ボサボサの髪に泡立たせて行く。そして流す。目のやり場はもう仕方がないなと思った。ただただ警戒だけしてた。ただ、こんなに嫌がらないって奴隷生活で慣れたのかな。
「はい、終わり。次どうぞ。」
青眼の娘が座る。
シャワーは彼女の長い髪の毛を潤していく。さっきと同じ手順で洗って行く。長髪なんて洗ったことないから、ちょっと戸惑ったけど、なんとか洗い切った。
「次は身体だけど、余りのタオルってあったっけ?」
お風呂場から出ると冷たい風が吹き込む。棚の中を探す。
「あー、一枚か。どうしよう。(俺のやつ貸すしかないか。」
石鹸で二枚とも泡立たせる。そして渡す。
「それで体を拭いて。全身。じゃあ後は任せたよ。」
教えたらすぐ動く。多分自我が芽生え始めた頃奴隷生活に変わったから、うっすら記憶があるのかな。
「(あ、今のうちに着替え持ってこなくちゃ。)」
着替えを探してるうちまた服を引っ張られた。まさか。そのままこっちにくるわけないよな。そんなまさか。予想は、打ち砕かれた。泡を舞わせながら後ろにいた。
「はぁ・・・。これは参ったね。」
すぐに戻って二人にシャワーをかける。
「よし。これで綺麗になった。あ、お風呂溜めてないや・・・ごめんね?」
洗面所に出させて、バスタオルを渡す。
「じゃあこれで拭いて?」
これも同様二枚あったからそのまま使わせた。
「着替え持ってくるからちょっと待ってて!」
急いでパジャマの様な服を取り急ぐ。
「はい、これ。」
ちょっときつかったかな?くらいな感じ。改めて自分の小ささを実感したよ。
アストニアって何かって?あー説明すると長くなる。
というわけで、
次回 えぇ・・・