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『知力1000000』のマジヤベー超超大天才がパネェ大活躍の神的最強無双英雄日常伝説  作者: 稲荷竜
二章 『モンスター襲来』、魔力プラントを守れ!
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13話 天才、仲間を集める

『そうじゃのう……普通は、十二人いちグループぐらいの単位で挑むかのう』



 どうやら『モンスター襲来』はけっこういっぱいの人数で挑むアレみたいだった。

 なんとなくナナを仲間に引き入れたものの、不安を覚えたユータは、いちおう『ウィスパー』の魔法で学園長にくわしく聞いてみたけど、それはどうやら、正解だったようだ。

 さすが知力が1000000ともなると、判断も、神がかっている。



「じゃあ、今、僕と、ナナと、学園長先生が戦ってくれるから、あと九人必要なんですね」

『……』

「学園長先生?」

『……うむ、そうじゃな。いや、二けたの引き算を、一瞬でできるのは、さすがじゃな。君の高い知力についていって会話をするのは、大変なことじゃわい。まあ、ワシだから、できるのじゃが……』

「十二から九を引く式は、片方、一けたですよ」

『なるほどのう。頭のいい考え方じゃ。片方一けただと言われると、不思議と心細さが消えるのう。その考え方は、今後、学園のさんすうの時間に、取り入れていこう』

「そうですね。こればかりは、僕も自慢できる発想だと思っています」

『しかし困ったのう。今、検索したんじゃが……どうやら、学園内には、ワシと、君と、君のクラスメイトと、マルギット先生の他に、二人しかおらんのじゃ』

「この学園はどうやって運営してるんですか?」

『ワシの仕事ではないので、よくわからん』



 学園長は素直に言った。

 ユータはなるほどと思った――自分の仕事じゃないことまで、正しく認識しておくのは、とても難しいことだと、知力1000000もあれば、わかるのだ。



『まあたぶん、妖精どもがうまいことやっとるんじゃろう』

「そういえば学園長先生、僕がこのあいだお目にかかった、たくさんの先生たちはいらっしゃらないんですか?」

『春休みじゃからな。無理を言って、あの時は来てもらったが、みんな、今は家に帰っておるころじゃろう。みんな、チャットIDを交換した、ワシのフレンドたちじゃからのう。フレンドなら、仕事ではなく、友情で、来てくれるのじゃ』

「なるほど。それで、今、学園にいる『二人』っていうのは?」

『一人は、すでに会っとるはずじゃ』

「……すいません、記憶にありません」

『珍しいことも、あるもんじゃな。よかろう! ワシが、知力1000000の君に、教えてしんぜよう!』

「拝聴します」

『食堂の料理人じゃな。こないだ、購買部が暴れた時に、君の活躍を見たと言っておったぞ』



 そういえば、いた。

 会話もせず、遠目にチラッと姿を確認した程度だったので、ユータでさえ覚えておけなかったのだ。



「なるほど。その人は戦えるんですか?」

『シラギくん、料理人に無理を言ってはならんぞ。彼らの仕事は、おいしい食べ物を作ることじゃ。戦いは仕事ではない』

「……じゃあ、あと戦えそうな人は誰でしょうか?」

『マルギット先生と、あと、三年生が一人おるな』

「三年生? 先輩ですね」

『三年Sクラスじゃから、けっこう賢い子じゃな。モンスター襲来も、何度も経験しとると、その子のデータにはあるぞ』

「その人を頼らない手はありませんね」

『君がそう言うなら、そうなんじゃろう。しかし……頼らない手はない、か。ふむ』

「どうしました?」

『いや。「頼りたい」とか「助けてほしい」よりも、賢そうな言い回しじゃなと思ってのう』

「……」

『ワシも今度使うことにしよう』

「……それで、学園長先生、その先輩の居場所とか教えていただけるでしょうか?」

『おお、そうじゃったな。名前さえわかれば、居場所を検索する機能が「使い魔」にはあるが……そういえば、君はまだ入学前じゃから、使い魔を渡されてはおらんかったんじゃな』

「はい」

『渡されたらすごく便利じゃぞ』

「そう思います」

『まあしかし、入学式後に渡すのが、ルールじゃからな。神さまの決めたルールを破ると、色々めんどうくさいし、不便じゃろうが、しばらく我慢しとくれ』

「はい」

『ワシの使い魔を案内に出そう。会いに行く子は、今ごろは、道場におるようじゃな』

「道場まであるんですか?」

『なんか、あるのう。普段使う施設ではないが』

「なるほど」

『では、使い魔を遣わそう。ああ、シラギくん、君の知力は、1000000じゃが……公式には、30ということに、しておる。それは君に教えることが、バカとの付き合い方だから、なるべく低いクラスにいた方がいいじゃろうという、ワシのアイディアじゃが……』

「はい」

『その先輩にも、くれぐれも、君の本当の知力が1000000であることを、明かしてはならんぞ。よいか?』

「はい。もちろんです」

『理解が早くて、助かる。君はやっぱり、頭がいいのう』

「いえ、そんな」

『頭がよくて、遠慮深い。さすが、ワシの孫じゃな』

「いえ、孫ではありませんけど……」

『孫的なアレじゃから、孫も同然じゃろう。まあ、ワシは頭がよすぎて、結婚はできんかったが……ともかく、使い魔がそろそろ着くじゃろう。では、がんばるんじゃぞ』

「はい」

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