第21話 旅行1 ⑯ 猟奇的事件
残虐シーンが含まれます。
「ーー《経文結界発動》‼」
すみ田がそう大きく声を張り上げた。
すると。
二重、三重ーー四重と。
すみ田の前に経文陣が浮かび上がり。
それに手を添えると、
「『全一体地域を封鎖! 防壁完備! 強度増し、増し、増し!』」
強く唱えた。
その言葉に反応し、経文結界が大きく。
勢いよく膨れ上がった。
『何や。悍ましぃこと悍ましぃことぉ』
それに彼が、愉しそうに声を上げた。
だが。
すみ田が返事をしない。
『ぉお。怖や♪ 怖や♪』
喜々と言いながらすみ田の身体の上で回る。
そこからは。
人が行う所業ではなかった。
「へ?」
斬!
「何、あんーー」
斬‼
「ひぇ゛!」
斬斬!
すみ田の身体は返り血で。
赤く染まり上がっていた。
『自分。何しているのか……分かってぉるかァ?!』
流石の彼も、引き気味に訊いた。
『自分がしている行為はなぁ? ただの畜生やぞ??』
っだっだっだっだ!
すみ田が握って居るには。
すみ田一族本家が先祖代々として。
嫡男が受け継ぐ刀ーー《黒鉄》
《佃田》にだけ限ったことではないが。
一時期、日本には奇怪なことが起こった。
産まれた子供が掌にーー鉄を握っていた。
その鉄を刀鍛冶が刀に創り変えた。
そして、その刀は斬るだけではなく。
風貌を変えるというーー妖刀の誕生でもあった。
しかし。
ある時期を境にーー鉄の幼児は産まれなくなった。
今から約百年前の出来事である。
「--『黒鉄よ! 拙者の手で唸れ‼』」
柄を強く握り。
勢いよく鞘に戻すと。
『ぁ、れんまぁ』
猟銃へと、その姿を変えた。
『--……自分!』
カチャ!
すみ田が猟銃を持ち抱えた。
そして、奔り出す。
「ぁ」
弾!
「っつ!?」
弾‼
弾‼
「あんた、何だね?」
銃口を下げ。
「村長が、どこでござるか」
「村長かぁ? それなら、ここの。ほれ、あの家じゃ」
「うむ。忝い」
「しっかし、あんた。何だって、そんなにーー」
弾!
すみ田が村人の額に弾丸を放った。
びしゃあああ!
大量の鮮血が噴き出した。
そして、身体が地面へと落ちた。
「…………」
そんな骸になった村人を見下ろし。
すみ田が村長の家へと向かった。
そんなすみ田の背後に続く彼。
『止せ。もうえぇやろ? 止すんや!』
堪らずに彼がすみ田の前に。
躍り出た。
「邪魔立てするのであれば」
すみ田も立ち止まりーー銃口を向けた。
『っは! そんなん、僕にはきーー』
弾‼
弾弾‼
彼の頬を二発の弾が横切った。
そこに激痛が起こる。
じんじん、と熱くもなる。
『っな、何やてっっ?!』
「--二度と口を挟むなでござる!」
そして。
すみ田が再び奔り出した。
次回も残虐回です。




