『とある異世界に招かれざる翼達の追憶⁉︎』
『4番機ーー鼻先が低いぞ?どうした!普段の態度のお前なら』
「此方4番機。その得意の鼻先が重いだけだ、通信終わり!」
そうさ、普段の俺は威勢や態度がデカイ。昨夜の作戦会議でも同じだ。
さっき俺に罵声を浴びせて来た上官に対し、理不尽過ぎる内容を飲み込め食ってかかる!
その性格からして同僚すらも俺に馴染めずに一歩後ろで様子を伺う。
ま、そんな痴話話しは極上過ぎる獲物を平らげてからの理由付けにもなるんだが。
「よし!目標を肉眼で確認した。低空から進入する。全機俺の後から残り物を平らげろ」
隊長機を含む編隊から唐突する形で敵基地らしき目標を確認する。レーダーに全く反応しないのも分からない事も無い。
地対空ミサイルは疎か、対空兵装の一つも無い。一体”此処は”
キャノピー越しから広がる景色はまるで軍事施設所か対空用の高射砲すらも皆無な城壁らしき壁。
上空スレスレを抜けるように、今現在俺が駆るF8-E艦上爆撃機からまるで、化物か何かから逃げるように城壁から飛び降りる者達が視界に泊まる。
ソレが一体どんな意味があるのかは今現在俺が居る地点から約160ヤード後方にて、『敵機と誤診した化物を撃ち落とした』との報告から整理しよう。
「あ!っつ⁉︎」
ーーソレは、ドス黒くも立派な両翼を羽ばたかせたある物が左翼ギリギリですれ違う。
「なんだコイツは?…まるで」
怯えている?…のか?とも思える素振りで奴は機体を警戒するが如く、遥か後方を旋回し、多分俺が駆る機体のターボジェットサウンドに驚いたのだろう。
その奴の矛先の遥か前方に見える丘に人が、
ーー総ての違和感は解決した。
今現在、奴はある獲物を捕らえるように旋回している。
何のためらいもなく、次の瞬間には視界の。敵機との格闘戦用に接地してある照準に捕らえ、20ミリバルカンの引き金を引く。
悲鳴とは思えないような叫び声を挙げながら奴は、蒼く広がる海面に激突。
「此方、4番機。外敵と思わしき物を撃墜、尚、方位473にて負傷した民間人を視認。救助ヘリを要請する。繰り返す。此方…」
そして、この不可思議な場所にて、俺が所属する空母。ブールドナスは、救助した”旧世代文明国家の生贄”とも思しき少女の証言により、異形の種族。『魔王軍』を駆逐する闘いに…