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走り書き  作者: 乾燥用
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 犬を見て泣いた。小学三年生頃のだったと思う。

 犬を見て泣いた、と言っても何も可愛らしい犬の轢死体を見て悲しみが押し寄せたとか、そういう話ではない。気持ちが昂ぶっていた時、犬を見て、泣いたのだ。

 もう十何年前の話なので、私がどんなことを思って昂ぶっていたのかは定かではないが、犬の考えもなく、好きなように吼え、小便し、糞を垂れて、走り回ってる様を見て泣いた。

 そして大体こんなことを考えた。

 何で犬の方が自由に走り回っているのだろう。どうして自分はこうもウジウジと悩んでいるのだろう。私は犬になりたい。こんな風に自由気ままに、生きて行く方が余程立派じゃないか、と。

 今考えれば大分浅はかで、こいつは頭をどこかに打ったのかもしれないと思わなくもない。思わなくもないが、そんな下らないことに純粋に思い巡らせていたのだから、尊敬できる部分がないこともない。

 今こんなことを思うことはない。ある意味成熟したのかもしれない。しかし、どこか欠落していっている気がする。

 少なくとも年々思考することは減っていっている。私は喫煙者だから煙草の成分が脳のシナプスか何かを破壊して、どんどん頭が狂っていっているのかもしれない。

 年をとるにつれて高望みはしなくなった。物欲も減った。ただただ飯を食って、寝て、煙草を吸ってこんな下らないことを書いている。

 そう考えれば、子供の頃から一周して私は犬になった。犬のように好きなように生きて、犬のように、考えなしに生きている。子供の頃と比較すれば悩むことは減った気がする。

 だが、犬の辛さを知った。犬の空しさを知った。子供の頃の方が余程人らしかった。うじうじしている方がよほど人間らしい。感情を持って何かしらしようとして、必死にもがいているのだから。

 さぁ、私は成長しているのだろうか、退化しているのだろうか。案外、何も変わっていないのかもしれない。

792字。

大分よくなったような気もするが、今度は随分硬くなった。

こちらが本性だから仕方ないものの、もうちょいマシにならないものかと思う。

オチ弱は留まるところをしらんなーと思う。

まともなオチってそもそもなんだ、とも思うが。

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