傘とおっちゃん。
生活に関する思い出を綴っていこう!
そう思っていたのに、読み返してみると、私のじゃじゃ馬っぷりと、へっぽこ話ばかり書いている気がする。おかしい。素敵な小説家の書かれるエッセイっぽいのを書こう!と思っていたのに、完全に路線が違うものになっている!
まだ素敵と思われたい‥と、いう純粋な(?)自己顕示欲が諦めていないので、本日は「傘」について書きます。
雑に育てられた我が家ですからね、いつも傘は基本我が民宿で忘れ去られてしまった傘が大半でした。(もちろんお客さんに「忘れたで〜〜!」って連絡するんですが、大抵のお客様は「あ、もう処分しちゃって下さい」だったので拝借させて頂きました‥)
そんな訳で、小学生の頃は皆可愛いピンクとか黄色の傘をさしているのに、私だけ気の良いおっちゃんが忘れていった紺色の渋く、でかい傘。おっちゃん、今度はピンクで来てや‥って思ってたけど、どだい無理な話である。いつか可愛いピンクの傘がいいなぁ〜と思っていたのですが、その傘また本当に丈夫でなかなか壊れない!
実家はそれは結構な風が強く吹く地域で、かつ雨量も多い地域。そこへ更に小学生の無茶な使いっぷりなのにびくともしない!メイドインジャパンは伊達じゃないぜ!って、今なら思う。でも小学生の時の私は「可愛い傘」に憧れていたので、渋い紺色のおっちゃんの忘れた傘が少し疎ましくかった。
年頃の娘の感覚ですね。ごめんやでおっちゃん。
それでも私だけの傘はそれは便利だった。
主にちょっと高い木から木の実をゆさゆさ落として受け止めてくれる為に。(あ、またじゃじゃ馬だ)それから悪ガキが砂をかけてくるのを防ぐのにも大変便利でした。あと猿が出る通学路に威嚇にも使った。おっちゃんの傘はまさに雨の日だけじゃなくて、日常的に私の相棒でもあった。
だけど、ある日その傘がいなくなった。
私が民宿の玄関に置いて、ご飯の配膳を助けていた間に忽然といなくなってしまったのだ。雨が降って来て、お客さんの誰かが持っていってしまったんだろう‥と、今ならわかるけど、忽然といなくなってしまった傘に私は驚いた。
だって大人が子供の傘を盗むなんて想像もしたこともない。
いや、そもそも人の物を勝手に盗んでいくなんて考えたこともなかったから、私はその当時「もしかして何処かへ置いてきちゃった?!」と、家のあちこちを探した。探して、探して、探したけれど、やっぱり見つからなくて、母に「傘をなくしちゃった‥」と、申告したら、
「え!?もう?!あんた靴も三日で壊すわ、傘は‥えーと、そうね考えたらもったほうね!!」
母よ‥‥‥!!!
ふと思い出して書いてみたけど、うちの母って本当に大雑把や。
ええと補足しておくと靴は新品のやつを、あちこち駆けずり回ったせいで三日で潰してしまったのだ。いかなメイドインジャパンといえど、お猿の如き動きと馬のように駆け回っていた私の足には無力だったらしい。
ともかくおっちゃんの傘は私の手から離れ、どこかの不届き者の手に渡ってしまったことが悔やまれる。今はおっちゃんの傘がどこかでひっそり幸せに暮らしていたら嬉しい。(いや、どんだけ年数経ってると思ってるのという無粋なツッコミは、優しい皆様ならしないはず)
そうして、傘がなければ雨の日はカッパでいいじゃない?
と、マリーアントワネット式無茶振りを言い放つ母を見て、父が「傘くらい買ってあげなさい」と言ってくれたお陰で、私は赤い布地に白い水玉という大層可愛らしい傘をゲット!中学生の多感な時期ですが!その頃には皆紺色の傘になっていたけど、私はもうその可愛らしい相棒を大事にしたさ。
派手な色は一切認めないという先輩達の視線もなんのその!私はようやく手にした可愛らしい傘を大事に大事に使った。結局6年間大事に使っていたけれど、ある時、傘を広げた瞬間、何かのコメディ映画のようにバリッと布が全部避けたのだ。
「傘がーーーーーーー!!!!」
雨だったので、私の叫び声はあまり響かなかったが、それはもうへこんだ。大事にしていただけにショックは大きかったものの、6年間今度はずっとそばにいてくれた相棒に感謝をしつつ処分した。
それからはあまり傘に思い入れを持ちたくなくて、ビニ傘になっていたが、昨狂ったような初春からの日光の凶暴具合に折り畳みの日傘を導入。雨傘とも兼用できる相棒を手に入れたが、昨日なんの気なしに広げたら、今度は穴!!!
「傘がーーーーー!!!!」
と、叫びましたよ‥。今度ロフトに買いに行く予定。
しかし傘って、どんどん高性能になっていきますよね。もうこれ以上の進化はないんじゃないの?って思っているけど、日傘としてもどんどん存在感を強めているし、色も形も洗練されてきているし、コラボまでしている。いっとき私は鶴と亀の傘を買うか一週間は悩みましたし‥。
今や傘だけでなく、どの小物もその人の個性になっているんだなぁなんて思いつつ、いまだに穴が空いている日傘をバッグに忍ばせている。多分、次に雨が降ったら買う予定です!
よくよく考えたら昔の悪ガキって砂かけてくるとか、石を投げてくるとかえぐいですよね。私はもちろんとても良い子だったのでゲンコツをお見舞いした後、先生にチクっておきました。




