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私のつづら。  作者: のん
16/20

レッツDIY!


連続でご飯ネタになってしまったので、今回は家具作りです。


僻地も僻地に住んでいた我が家。

シンプルな三千円の棚を注文したら、翌日注文した会社から「お宅の場所からですと、送料が三千円になりますがいかがしましょう?」と、連絡が来た。送料三千円って、なんでやねん!同じ額の物を頼んで送料も同じってなんでやねん!と、ツッコミたい心をグッと堪え、「今回はキャンセルで‥」と、謝りつつお断りした。



そう、僻地ってね送料が掛かるんです!!

北海道とか沖縄の方!気持ち、よくわかるよ〜〜!!送料別途頂きますって、あの文言を見ると「ちっくしょぉおおお!!地続きの奴らはいいよな!送料無料でいいよな!!」って、あの気持ち。本当によくわかる。


今は送料無料の地域に住んでいるけれど、あの時のやるせなさは今でも私の心に傷を作ってくれたので、未だに「送料はいくら?」って調べてしまう。でも配送業の方々におかれましては、いつも確実に届けてくれるので感謝しかありません。運転、気をつけて下さい。



閑話休題〜。



そんな訳で急遽「この辺に棚が欲しいな」と思えば、「作るか」に、なるのが我が家。幸い、辺境にある我が家にはなんでもある。木材もあれば、釘、トンカチ、電動ノコギリ、電動丸ノコ、木材用のサンダーなどなど‥。


え?普通の一般家庭にはない?

電気釜がある家に工具がないはずがない。と、いうか田舎の家には工具や草刈機とチェンソーは標準装備です!(‥多分)


ともかく田舎の家はなんでもある。だから棚を作るなんて造作もない!

などと言って木材をチョイスしていれば、認知症になる前の父がハラハラした様子で私を見て、



「木材を切るの?コードだけは切らないでね」

「‥そこは怪我をしないようにね。って言うのが普通では?」

「でもコードを切られると繋げるの大変だから」

「‥はーい」



娘の腕が切れるより、コードを心配する父に生返事をした。

早速鉛筆で適当に線を引いて(ここ後でテストに出ますからね)、電動丸ノコで勢いよく切る。ついでにその二メートル横で父がコードを心配そうに見ているが華麗に無視をして一気に板を切って、ちょっとした達成感を味わう。


だが、棚作りはまだまだ終わらない。


ボンドを塗って、板と板をくっつけ、釘を打つ‥予定だったのだが、何故か丸ノコで切ったのに若干斜めになっている板材を見て、首をかしげる私。おかしいな‥、ちゃんと真っ直ぐに切ったはずなのに。



「‥‥のん、そもそも板に引いた線が真っ直ぐになってないぞ」

「ええ?そうだった?」

「線を思い切りはみ出してるぞ?‥もうその木材貸しなさい」



心底呆れた顔をした父に他の木材を渡すと、あっという間に真っ直ぐに鉛筆で線を引き、板材を切ってくれた。流石父。年の功だね!お礼を言うと、ため息を吐かれ、


「釘を打つ前に内側の板と外側の板がちゃんとハマるか確認しておきなさい」

「え?内側?外側?」

「‥‥内寸と外寸はわかる?」

「ああ、内寸と外寸ね‥」


などと会話をする私と父。


懸命な読者の皆様は、ここいらで私のポンコツっぷりをお判り頂けたであろう。そう、私は典型的な料理は作れるけれど、正確性を求めるお菓子が作れない。(料理だって正確性は必要だけどね)しかるに正確な計測が必要な大工仕事もできない。


作るには作るけど私の棚はガッタガタである。私が作ったゲーム台はピサの斜塔と同じくらいの傾斜でゲーム機が乗っている。


当然、なんでも作ってしまう父も私のへっぽこな棚の存在を知っているので、またあれを作るのか?と、思ったらしい。絶対また斜めになる棚しかできないと確信した父は、私の手から板を取り上げ、ひょいひょいと電動釘打ち機で綺麗な棚を完成させた。


「はい、できたよ」

「あら〜〜、ありがとうございます!お父さんが作ると綺麗だねぇ」

「‥‥せめてちゃんと線を引きなさい。あと工具は片付けておいてね」

「は〜い」


と、いった感じで私の棚作りはあっさり終わった。

ちなみに父作の棚はしっかりと地面を踏みしめ、傾くことがない。線を真っ直ぐ引くって大事なんですね。あ、切るのもか。



こんなへっぽこな腕前なのに、作るのだけは大好きで、木の棒にカーテンを掛けたい!と、思った私は適当に枝を切り、皮をナイフで丁寧に剥いでカーテンレールにしたり、ジグゾーを使ってパズルも作った。DIYは、しっかりと計測する必要があるがなかなか楽しい。


だけど引っ越してから、私の手元には一切の電動工具がなくなってしまったので、今はせいぜい紙でものづくりの日々だ。それはそれで平和かもしれないけれど、木屑だらけになって作っては大失敗をするのも楽しかったなぁなんて思うのであった。




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