作ってまえ、アクセサリー。
アクセサリーが好きです。
だけど仕事では指輪もピアスも基本は禁止。でもつけたい!楽しみたい!しかし私は悲しき金属アレルギー。ものほんの金出なければ体が受け付けてくれない。前世は貴族だった高価なボディー。(多分)
だか売っているのは普通の金属のピアス。
「‥‥作るか〜〜」
いつも思うけど、買えばいいと思う。
でも何故か「ないのなら、作ればいいのよホトトギス」なのだ。どこの武将だと思うけれど、そもそも武将は自分で作らないで部下に命じているはずだ。しかも私はアクセサリーなど一度も作ったことがない。それにも関わらずネットで検索して、
「うん!多分できるな!!」
などと、アクセサリー職人の方もびっくりな前向きさで勇猛果敢に取り組もうとするのだから、自分でも天晴れな心意気だと思う。
そうして善は急げ。時は金なりの心持ちで速攻でパーツを検索すれば、樹脂パーツもあるというではないか!18金しか体が受け付けない私には朗報である。安いって大事。ホクホクとあれやこれやと丸カンやらヤットコまで買い、注文すればすでに五千円。
懸命な読者様ならお分かり頂けると思う。もう普通に買った方が安いという事実を‥。
それでも一度火が付いたら作るまでは業火の如く燃える私。
ネットでいいなぁと思ったピアスのデザインをチェックしてブックマークし、材料が揃ったところでせっせと作り始めれば、ものの十分で素敵なピアスの出来上がりである。
「‥‥‥こんな簡単にできて、こんなに価格が抑えられるのか」
ふと原価やら何やらを考えてしまうが、デザイン料だな。
私にはない素晴らしい才能と、たゆまぬ努力で値段やデザインを考慮して作っているのだろう。私はそんな素晴らしい才能をちょっとだけ真似させて貰っている身分に過ぎない。驕るな私。と、武将のように自戒しつつセッセとアクセサリー作りをしては楽しんでいた。
しかし、そんなのんびり楽しむ私の後ろからジョーズのテーマソングを流しながら近付くのは、当方の母。
「あら〜〜〜!いいじゃない!私もこういうピアス欲しかったのよね!あ、あと●さんにこの間お菓子を頂いたんだけどね、お礼にピアスをあげたいから作ってよ!」
「人の趣味をナチュラルに搾取するな!!」
「え〜〜、だってそれだけパーツあるじゃない。もちろんお礼はするわよ?」
お礼と言いつつ、その手にある五百円はなんだ。
そんな安いパーツじゃないんだぞ、こっちのピアスは!と、思いつつも日頃お世話になっている●さんには私もピアスを送りたい‥。可愛らしいイメージのピアスを作って母に渡せば、五百円。
あの‥、普通のピアスだともうちょっとしますよ?と、いう私の言葉を聞かずに母は私のピアスを掻っ攫っていった。何故ああいう時だけ機動力が増すのだろう。
とはいえ、ピアスやイヤリング、ネックレスも自分でパーツを選んで作れるのは楽しい。思うに私は「自分で選んで、自分が着けてみたいものを作れる」ことが楽しいのだと思う。お店で売られているのは、やはり趣味がちょっとだけ合わなかったり、お値段がお高めだ。そういう中から探して選ぶのも楽しいが、自分で作り出せる体験が私は好きなのだろう。
それに自分で作ってみると、なるほど高級店のアクセサリーはやはり壊れにくいな‥とか、付けた時に軽いとか、デザインがよく考えてあるな‥と、今までとは違う方向から品物の良さや素敵さをより発見できるのも楽しい。
あと、自転車が好きな人には自転車モチーフのピアスとか、ハワイアンが好きな人には、ヒトデやお魚のモチーフ、とにかくキラキラしたのが好きな人にはビジューたっぷりのピアスなど、その人をイメージして作ってプレゼントできるのも楽しい。人にも喜んで貰えるのも作る楽しさだ。‥趣味に合わなかったらごめんねと、思いつつだけど。
ビーズの指輪も夢がある。
キラキラのピアスも夢がある。
こっそり眠っていた乙女心を叩き起こして、一人楽しくアクセサリー作りを楽しんでいるが、カラスの如き母に持っていかれるのを全力でカバーしている。アクセサリー作りは結構サバイバルなのかもしれない‥‥。いや、持っていくな母よ。
私は行動することが好きだけど、人に喜んで貰える物を作るのも好きなんだな〜と、作ってて新たな自分の一面を発見出来るのも手作りのお陰かもしれない。ともかく、なんでもやってみる!これは、皆さまオススメします。意外な自分に会えるかもしれません。(ただし持って行こうとする人には要注意です)
私が作ったピアスは結局家族にも持っていかれた‥。
カラスの群れがいる‥。




