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915 石兵八陣(せきへいはちじん)、原初神を縛る

 原初の神アストラストが放った、宇宙の法則を書き換える光の柱――魔神ルミナに触れようとした刹那せつな、学園の空間が轟音ごうおんと共に裂けた。


 緑、青、黒の三色の光がグラウンドに叩きつけられ、爆発的な魔力が奔流ほんりゅうとなって衝突する。


 天地を焼き尽くすはずだった光の柱は、青い半透明の障壁に阻まれ、火花となって霧散した。


「さすがリチャード、絶妙なタイミング」


 ルミナは深く息を吐き、光の中から現れた三人の英雄を見据えた。


 孔明、関羽、張飛――古代中国の甲冑をまとい、異世界カオスフィアからこの戦場に駆けつけた面々だ。


 孔明は静かに羽扇うせんを振り、学園の地面に巨岩を立ち上げて秩序ある陣形を築く。

 見る者の精神を揺さぶるその陣は、ただの岩ではなく、奇門遁甲きもんとんこうの奥義を凝縮した≪石兵八陣≫そのものだった。


「ご無事で何よりです、魔神ルミナ殿。

我が君・劉備玄徳の御命により急ぎ参上いたしました。

この孔明が戦場の采配をります」


 関羽は青龍偃月刀せいりゅうえんげつとうを地面に突き立て、緑のオーラを立ち昇らせる。


「相手がどれほどの相手であろうと、この関羽が道を塞ぐ!」


 張飛は蛇矛じゃぼうを振り上げ、天に向かって大声で吠えた。


「がははは! 巨神野郎、学園の地面にひざをつかせてやる!」


 アストラストは一瞬の沈黙の後、天を揺るがす嘲笑ちょうしょうこぼす。


「ほざけ。お前たちの知略も武力も、この宇宙ではちりに等しい!」


 指先で陣に触れ、亀裂きれつを入れようとする。

 だが、孔明は微動だにせず、冷ややかな笑みを浮かべた。


「宇宙の書式フォーマットを書き換えられるのは、貴方だけではありません。我々は戦局そのものを書き換えに来たのです――さあ、火蓋ひぶたは切られました」


 学園の空は光と魔力に満ち、英雄たちの力が絡み合って、極限状態に達していた。

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