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008 刻まれし運命

 ロウィンの一撃がアナザー・エデンを捉えたとき、空気が揺れ、時間そのものがねじれる感覚が広がった。彼女の体は、形を保ちながらもその輪郭りんかくが乱れ始める。顔に恐怖と絶望が色濃く浮かんだ。


「……こんなはずでは……」


 アナザー・エデンは、時間を操り、未来を刻む力を持っていた。それなのに、今、ロウィンの前でその力を失いかけている。未来視、タイムリバース、運命を刻む力──すべてを使いこなすロウィンの力が、彼女の支配を超え、時の流れを変えつつあった。


「お前の運命は、もう決まった」


 ロウィンは静かに告げた。その言葉とともに再び全身に力がみなぎる。目の前に未来のビジョンが広がり、アナザー・エデンのすべての動きと選択肢が見えた。


 その時、彼女は最後の力を振り絞り、周囲の空間をねじ曲げた。物質が歪み、時間が乱れる中、無数の「時空の裂け目」が現れ、時間の断片がそこから漏れ出していった。


「望みはない」


 ロウィンは再びディスティニーエンブレムを発動させる。未来がその時点で刻まれ、完全に次の動きを読み取った。


 時間が再び加速する中、ロウィンは「時の断片」の渦を突破し、その中心に突入した。すぐに、アナザー・エデンの心臓に剣を突き立てる。痛みと驚きが彼女の表情に浮かぶが、もう何もできない。崩れ去る運命に身を任せるだけだった。


「未来を変えるとは……」


 時間が歪み、アナザー・エデンの存在はまるで幻のように消えていった。


 無数の「時の欠片」も消え去り、周囲の空間は元に戻っていく。


 ロウィンは息を整え、立ち上がった。彼の周りではエリスとマリスが驚きの表情でその光景を見守っている。


「……本当に……」


 エリスが言葉を詰まらせる。


「ああ、終わった」


 ロウィンは穏やかに答えた。


「アナザー・エデンは、もう過去の存在だ。これからは、俺が選んだ未来がすべてを支配する」

 最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


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 これからも、心に残る物語を届けられるよう精一杯書いていきます。

 どうぞよろしくお願いいたします!

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