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068 消えゆく運命、つながる未来

 魔法陣が消えた後も、会場は混乱の渦に包まれていた。


 ロウィンは状況を見極め、落ち着いた声で告げる。


「絶対に手を出すな。このまま帰るぞ」


 その言葉と同時に、彼らの体が光を帯び、転送魔法が発動した。

 光が弾け、次の瞬間――外の世界。


 そこには、ザルクス率いるダークエルフの精鋭部隊が待機していた。

 ルミナとヒーローズ・カレッジのクラスメイトも姿を見せる。

 さらに、サラ、レイナ、かなえ、そして異世界ラグナヴィアからの大増援まで集結していた。


 ロウィンは一歩前に出て、短く詠唱えいしょうする。


千年ミレニアム魔法マジック、解除』


 彼を包んでいた金のオーラが消える。


 シルヴァーナのてのひらから淡い光が漏れ、召喚された魂が薄れていった。

 ヴァルカは元の姿へ戻り、リリスとアルティアも魔力の供給を止める。


 ザルクスが安堵あんどの息をつき、声をかけた。


「無事で良かった」


 ルミナは小さくまゆを寄せる。


「せっかく学校をサボって来たのに……」


 唯奈ゆいなは腕を組み、つまらなそうに顔をしかめた。


「私も派手に暴れたかったんだけどね」


 サラは毛づくろいをしながら、のんびりと言った。


「久しぶりにドラゴンに乗って、大空をけてみたかったのだが……」


 レイナは小さく笑う。


「うふふ」


 かなえの瞳に星の紋様が浮かぶ。


「世界そのものを星座の光で包んでみたいわ」



 ルミナドラゴンが大きな金の翼を広げ、天へと舞い上がる。

 流星のような光の尾を引きながら、勝利を祝う咆哮ほうこうが空に響いた。


 その光景を、アリアはただ見つめていた。

 体が淡く光り始め、輪郭りんかくがゆらめく。


「未来が変われば、私も存在しない」


 その声には、深い哀しみがにじんでいた。


「でも、後悔はありません。これで良かったのです」


 アリアは穏やかな笑みを浮かべ、光の粒となって空へと消えていった。

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