064 心の迷宮
「あなたの未来を守りたいのです」
その一言は、ロウィンの胸の奥底に届き、心を揺らした。
アリアは――ただの“転生令嬢”ではない。
――夜のホールを離れた静かな回廊。
淡い光が差し込む中、ロウィンはヴァルカ、リリス、アルティアの三人と向き合っていた。
「アリアについて、何か知っていることは?」
ヴァルカは思案を重ね、低く答える。
「転生令嬢とは、前の人生で果たせなかった願いを、今の人生で叶えようとする人のことだ。だが、アリアは――運命そのものに触れている。」
リリスが口元に笑みを浮かべた。
「普通は人目を避けて生きるのに、彼女は正面から“守る”と宣言した。大胆すぎるわ」
アルティアは小さく頷いた。
「ロウィン様の運命に干渉できる者など、滅多にいません。……彼女は例外です」
ヴァルカの瞳が鋭く光る。
「未来を変える女、か。――興味深い」
リリスが肩をすくめる。
「まあ、どう転んでも面白くなりそうね」
アルティアの声だけは、真剣そのものだった。
「ロウィン様の選択に、すべてがかかっています」
その言葉を胸に、ゆっくり目を閉じる。
「みんな、ありがとう」
アリアの真意を確かめ、運命に立ち向かうため、ロウィンは動き出した。
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