表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/727

006 パーティースキル「コンティニュー」

 薄暗い森の中、ロウィンと仲間たちは息を潜めていた。誰も声を立てず、ただ気配を探る。だが、異常を察することはなかった。長く戦ってきた者だけが持つ感覚が、まだ何も告げていない。


やがて――


 森を包む空気が変わった。時間が歪む違和感に襲われる。


「来る……」


 エリスが呟いた。恐怖と緊張が混じった声だった。ロウィンはその声を聞き、周囲を警戒し視線を巡らせた。


 地面が振動し、闇の中から巨大な存在が迫る。その正体は、時間の流れを狂わせる「時間の狩人」たちだった。


 人間に似た顔に空洞の瞳、無数の黒い目が無表情に光る。背中には無数の触手が絡み、時折それが空間を歪める。


「タイムリーパーを捕らえろ!」


 命令が周囲に届く。


 狩人たちはロウィンたちを取り囲み、鋭い視線を向けた。恐怖と絶望が心を満たす。逃げ場はない。


 その中で最も存在感を放つ者がいた。


 「アナザー・エデン」――時間を司る者で、狩人たちを支配している。


 彼女の姿は神秘的で、未来からそのまま現れた印象を与えた。青白い肌に長い金髪が風もないのに揺れ、大剣を握りしめている。その刃先からは歪んだ時間のエネルギーが伝わる。


「タイムリーパーか」


 アナザー・エデンは冷ややかに呟く。


「時を戻し、進め、止める者たち。だが、その力は代償を伴う。使うたびに、世界は崩れていく」


 言葉がロウィンたちの胸に響いた。彼らは今、崩壊の瀬戸際にいる。逃げ場はなく、時間の歪みが迫っている。


 ロウィンは汗をぬぐいながら仲間を見た。


「エリス、どうする?」


 必死の声だ。


「マリス、あれを使って何とか……」


 だがエリスは目を閉じ、何かを感じ取っていた。ため息を漏らす。


「無理」


 声には確信があった。


「これほどの数では、もう逃げられない」


 その瞬間、アナザー・エデンが指を鳴らす。狩人たちが一斉に動き出した。


 時間が歪み、景色がねじれる。ロウィンたちは動けずに立ち尽くす。


「エリス! マリス! 急げ!」


 ロウィンは叫ぶが、その声は届かない。狩人たちが次々と迫る。


「時間が……!」


 力を振り絞ろうとするロウィン。しかし狩人たちの力がそれを上回り、彼の時間操作は無効になった。


 その時、エリスの背後で叫び声が上がり、マリスが必死に力を使う。だが狩人たちに攻撃され、次々倒れていく。


 ロウィンはその光景を目にし、絶望が胸を締めつけた。


「どうして……こんなことに……」


 最後の言葉と共に激しい痛みが走り、地面に倒れ込む。


 その後、エリスとマリスの姿も消え、すべてが闇に飲み込まれた。


 静寂の中、ロウィンはかすかに声を絞り出した。


「俺は……まだ――」


 その言葉を残し、意識は薄れていった。


 時間の狩人たちは満足そうに軍を引き上げる。


 だがロウィンの体が微かに光り始め、彼のメニュー画面が浮かんだ。


 パーティースキル「コンティニュー」発動!


「戦闘前に戻ります」

 最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


 「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけたなら、ぜひブックマークや評価での応援をお願いします。とても励みになります!


 これからも、心に残る物語を届けられるよう精一杯書いていきます。

 どうぞよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ